シャワールームのリフォーム費用や設置するメリット・デメリットを解説!
更新日:2023.1.17
浴室のリフォームや増設を検討中で、シャワールームを選択肢のひとつにしている方もいるのではないでしょうか。
しかし、日本の住宅では見かけるケースが少なく、「メリットやデメリットは何だろう?リフォーム費用や注意点を知りたい」と考えることもあるかと思います。
今回は、シャワールームのメリット・デメリット、リフォーム費用や事前に確認するべきポイントなどをまとめました。
シャワールームがご自宅の広さ・間取りやライフスタイルに合うか検討して、使い勝手のよい製品を見つけてくださいね。
1.シャワールームとは?
2.シャワールームのメリット・デメリット
3.シャワールームリフォームをする際の費用
4.シャワールームリフォーム前に確認すべきポイント
5.おすすめのシャワールームメーカー
6.シャワールームのリフォーム事例
7.まとめ
1.シャワールームとは?
シャワールームとは、浴槽のないシャワーだけの部屋のことです。
また、シャワー水栓だけでなく、排水や換気設備が備わっています。
日本では浴槽のあるお風呂が一般的ですが、普段から湯船に浸かる習慣がない人や、既存のお風呂場の他に増設したい場合に導入されるケースが多いです。
2.シャワールームのメリット・デメリット
シャワールームの導入を決める前に、メリットとデメリットの両方を確認することが重要です。
省スペースで手軽に設置したいのか、または湯船に浸かって疲れをしっかり取りたいのか、ご自身のニーズと照らし合わせてくださいね。
2-1.シャワールームのメリット
まずは、シャワールームのメリットを3つご紹介します。
たとえば、掃除が簡単に済むなど、浴槽のあるお風呂と比較して省スペースのシャワールームならではの利点があります。
①掃除が簡単に済む
シャワールームは掃除の手間がかかる浴槽がない分、お掃除が簡単に済みます。
使用後にシャワーでお湯を撒いて、壁や鏡などを乾拭きするだけでも、きれいな状態を維持できるでしょう。
また、換気扇を付けたり窓を開けたりすると、比較的狭い空間なので短期間で乾いてカビも発生しにくいのです。
お掃除の手間がかからないのは、忙しい方にとって嬉しいポイントですね。
②狭い場所でも設置できる
狭い場所でも設置できるのは、シャワールームならではのメリットです。
一般的なシャワールームは、0.25~1坪のスペースに設置できるほどのサイズ。
セカンドバスルームを増設したくても家が狭くて難しい場合は、シャワールームを選べば設置できる可能性が上がります。
また、浴槽のあるお風呂の代わりにシャワールームを設置すれば、リビングやダイニングなどの居住スペースが広くなるでしょう。
③2階に設置しやすい
2階に浴室を設置したい場合は、浴槽付きお風呂よりもシャワールームの方が工事の費用を抑えられます。
本来ユニットバスを2階に増設する場合は、浴槽内のお湯の重さにも耐えられるレベルに床を強化しなければなりません。
シャワールームであれば大掛かりな床の補強工事がいらないため、2階に設置するハードルが下がります。
もちろん漏水対策などは必要ですが、シャワールームは2階に浴室を気軽に導入したい方におすすめです。
④介護の際に活躍する
シャワールームは設置場所に自由がきくため、介護が必要な方の部屋のできるだけ近くに設置できます。
その結果、浴室への移動距離が短くなり、介護される側はもちろんのこと介護する側の負担も軽減されるでしょう。
また、浴槽がない分、洗い場を広くとって2人でゆったり使うことも可能。
近年では「介護のために」とシャワールームを導入するご家庭が増えています。
2-2.シャワールームのデメリット
リフォームの際はデメリットも把握したうえで、シャワールームが適しているか判断しなければなりません。
ここでは2つのデメリットをお伝えします。
①外国製は修理が困難
外国製のシャワールームはパーツが日本の規格と合わないことが多く、取り寄せる手間がかかるうえに修理が難しいケースも。
デザインや価格に惹かれるかもしれませんが、不具合があった際にはすぐに修理ができずに不便を感じる可能性があります。
故障時にもすぐに対応してくれる日本のメーカー品を採用したほうが安心です。
②疲れが取りにくい
やはりシャワーだけだと、体の芯まで温まりづらく疲れが取りにくいデメリットがあります。
対して湯船に浸かると体が温まって血行が良くなり、筋肉のコリや疲れが取れやすくなるのです。
また、リラックス効果もあるため体も心も休まります。
ご自宅にシャワールームのみを設置するのなら、定期的に銭湯や温泉など湯船に浸かる機会を設けるとよいでしょう。
3.シャワールームリフォームをする際の費用
シャワールームのリフォーム費用は、グレードや工事方法、給湯器の工事の有無によって異なります。
工事方法は主に「在来工法」と「ユニット工法」の2つあり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
工事方法 | 費用相場 |
在来工法 | 45~250万円 |
ユニット工法 | 25~75万円 |
在来工法は、壁や床をコンクリートやタイル等で仕上げて、シャワールームを設置する方法です。
コストがかかる反面、デザインの自由度が高いメリットがあります。
一方、ユニット工法は元々あるパーツを現場で組み立てて施工する方法で、コストを抑えたい方におすすめです。
4.シャワールームリフォーム前に確認すべきポイント
シャワールームのリフォーム前には、確認すべきポイントがいくつかあります。
あらかじめ設置する場所や漏水対策、シャワーの使用音などに考慮しましょう。
4-1.設置可能サイズの把握
シャワールームは狭いスペースにも対応可能ですが、設置したい場所に合うサイズかの確認は必須です。
シャワールームはおおよそ0.75~1坪あれば設置できるでしょう。
たとえばTOTOやLIXIL、パナソニックなどの主要メーカーでは「70×70cm・80×80cm・80×155cm・90×140cm(幅×奥行)」などのサイズが展開されています。
設置したい場所に合う商品を見つけるためには、リフォーム業者に相談したりショールームで実物の確認をしたりするとよいでしょう。
4-2.給排水管の位置の確認
シャワールームは設置場所の自由度が高いメリットがありますが、既存の給排水管との距離は考慮しなければなりません。
なぜなら、既存の給排水管から距離のある位置を選んでしまうと、配管の延長工事が必要になり、リフォーム費用が高額になる可能性があるからです。
もし費用を抑えることが最優先なら、給排水管との位置は確認の上、シャワールームの設置場所は検討しましょう。
4-3.漏水対策
住宅の2階やマンションでシャワールームを設置する場合は、漏水対策を徹底する必要があります。
もし水漏れが起きてしまうと、下の階への被害は計り知れません。
たとえば下階に寝室があったり、他の住民の部屋があったりすると、大きな問題になってしまいます。
上記の理由からマンションでは水まわりの移設や増設を禁止しているケースが多く、管理規約での制限は厳しいのです。
2階以上にシャワールームを設置する場合は、防水性の高いユニット工法を選ぶなど漏水対策は特に注意しなければなりません。
4-4.シャワーの使用音
シャワーの使用音にも配慮して設置することも大切です。
シャワールームの隣や真下に寝室があると、シャワーの使用音が気になって寝られない可能性があります。
設置後に悩まされるケースもよく見られるため、シャワーの音が気にならない位置を意識しましょう。
5.おすすめのシャワールームメーカー
ここからは、シャワールームを取り扱う主要メーカーをご紹介します。
おすすめの機能や仕様もまとめましたので、どこの製品を導入するか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
5-1.TOTO
TOTOのシャワールームは翌朝には乾く「カラリ床」が標準搭載で、カビが発生しづらいメリットがあります。
また、水アカの付着を抑える「お掃除ラクラク鏡」をオプションで付けられるので、簡単なお手入れでもピカピカの鏡をキープできるでしょう。
移動や体を支えるのに役立つ手すりも設置可能。
お手頃価格でありながらも、快適に使い続けられる工夫が施されています。
項目 | 内容 |
主な機能・仕様 | ・多彩な壁柄 ・コンフォートウェーブシャワー ・カラリ床 ・平天井(抗菌・防カビ仕様) ・換気扇(抗菌・防カビ仕様) ・お掃除ラクラク鏡 ・ユニバーサルデザイン |
本体価格(税抜) | 272,000円(Lタイプ・0808)~ |
対応サイズ | 0816・0812・0808 |
5-2.パナソニック
パナソニックのシャワールーム「SSV」と「SⅡ」は、10種類のアクセントパネルから選択できるので、お好みの空間に仕上げられます。
マット仕様の木目調を選べば温かみのある雰囲気になり、鏡面仕上げのブラックやボルドーにすれば高級感を楽しめるでしょう。
シャワールームSSVに標準採用されている「フラッグストーンフロア」は、お掃除が簡単で乾きやすく、滑りにくい特徴があります。
また、排水口の「さっと排水目皿」は髪の毛が集まりやすく捨てやすい形状。
SSVなら日々の掃除を簡単に済ませられるでしょう。
項目 | 内容 |
主な機能・仕様 | <SSV> ・多彩な壁柄(タイプD) ・フラッグストーンフロア ・LED照明 ・さっと排水目皿 <SⅡ> ・多彩な壁柄 ・LED照明 |
価格(税抜) | 317,300円(SSV・Sタイプ・0707)~ 315,100円(SⅡ・0812)~ |
対応サイズ | 0712・0707(SSV) 0812(SⅡ) |
5-3.LIXIL
LIXILはワンランク上の空間をつくれる「シャワーユニットNS」と、コンパクトな「シャワーユニットSP」の2種類を展開しています。
シャワーユニットNSはベンチありのUZ・FZタイプ、ベンチなしのUX・FXタイプから選択可能です。
ベンチは広い座面により安定して座れて、足腰の弱い方でも安心してシャワーを浴びられます。
また全タイプに標準仕様の「キレイドア」は、ホコリがたまりにくく、カビやすいパッキンをなくした汚れにくい形状のドアです。
快適に使える機能の他にも上質なデザインが魅力的で、まるで高級ホテルのシャワールームのような空間を楽しめます。
対してシャワーユニットSPは、コンパクトでシンプルな装備が特徴的。
コストパフォーマンスの高い製品をお求めの方におすすめです。
項目 | 内容 |
主な機能・仕様 | <シャワーユニットNS> ・アクアタワー ・シャワーシステム ・エコアクアシャワー ・フルワイドベンチ(UZ・FZ) ・キレイドア ・サーモフロア <シャワーユニットSP> ・キレイドア ・エコアクアシャワー |
価格(税抜) | 523,000円(FXタイプ・0812)~ 350,000円(ELタイプ・0808)~ |
対応サイズ | 0812・0912・0914(シャワーユニットNS) 0808・0812(シャワーユニットSP) |
6.シャワールームのリフォーム事例
ここでは、シャワールームのリフォーム事例をご紹介します。
工事期間や費用を把握するのに、ぜひご活用ください。
事例①在来工法の浴室からシャワールームへリフォーム
こちらは、既存の在来工法の浴室をリフォームした事例です。
浴槽が不要とのことで、シャワールームを採用しています。
このようなケースと同じく、ライフスタイルの変化に合わせてシャワールームを選ぶ方が増えています。
価格 | 62万円 |
家屋形態 | 一戸建て |
工事期間 | 5日 |
(出典:LIXIL)
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
事例②狭い浴室から清潔感あふれる白のシャワールームへ
古くなったお風呂のリフォームを行う予定でしたが、幅が80cmもなかったため、ユニットバスの導入が難しいケースでした。
そこで、シャワールームへのリフォームにすることでお風呂の空間は一新。
壁や床を白で統一して、清潔感あふれるシャワールームになっています。
価格 | 70万円 |
家屋形態 | 一戸建て |
工事期間 | 1週間 |
(出典:みやこリフォーム)
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
7.まとめ
今回は、シャワールームのメリット・デメリット、リフォーム費用や事前に確認するべきポイントなどをまとめました。
シャワールームは狭いスペースでも設置できるメリットがあるため、浴室のリフォームや増設で導入する方が増えています。
ただし、漏水対策や使用音などを考慮しなければならず、設置場所には注意が必要です。
「湯船に浸かる習慣がない」「介護のために浴室を増設したい」と考えている方は、ご自宅の設置スペースに合う製品を選んで快適に使用してくださいね。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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