50万円でできるお風呂リフォーム内容や実例を紹介!
更新日:2023.3.13
毎日利用するお風呂はちょっとした経年劣化を感じやすく、ダイレクトに肌に接する場所だからこそ清潔さがとても気になる場所でもあります。一方でリフォームをしたくてもそんなにお金が出せないというケースもあり、だましだまし使う中で取り返しのつかないことになることも考えられます。
今回は50万円でできるお風呂リフォームをテーマに、実際に50万円でできるお風呂リフォームとは何か、今後活用していきたい補助金などをご紹介していきます。
<目次>
1.50万でできるお風呂リフォーム
2.お風呂リフォームで活用できる補助金
3.50万でできるお風呂リフォーム事例
4.まとめ
1.50万でできるお風呂リフォーム
お風呂リフォームを行う際に50万円で出来る内容とはどのようなものがあるのか、解説します。
1-1.在来工法の浴槽交換
在来工法の場合、いわばオーダーメイドで作っていくようなものなので本来浴槽交換となるとそれなりに費用がかかりがちです。しかし、条件が整っていれば50万円以内で収まることがあります。その条件としては、お風呂の壁や床などに劣化があまり見られないことです。
もしも在来工法のお風呂に色々と劣化が見られた場合はその補修などを行うためにどうしても費用がかさみ、50万円では抑えきれなくなります。一方で綺麗な状態に保たれていれば補修などの作業を最小限にすることができるため、費用を安く抑えられるというわけです。
昔の家にありがちなステンレス製の浴槽や耐久性もあるFRPの浴槽であれば、浴槽だけの費用を見る限り、50万円を大きく割り込んでいます。あとは今までの浴槽の撤去費用や補修費用、配管の費用などを含めてどうなるかにかかっています。
ただ実際に解体をしてみないと分からない部分もあるため、見積もりの時点でどのようなことが想定されるのか、複数の業者に相談することをおすすめします。ステンレス製の場合、お手入れこそやりやすいものの、その分重いために、ステンレス製の浴槽を支える工事が必要になることもあり、それで50万円を超えてしまうことも考えられます。
1-2.浴室の床暖房リフォーム
ヒートショック対策を兼ねて、浴室の床を床暖房にするリフォームもあり、ユニットバスであれば50万円どころか、10万円台で収まることがあります。在来工法の浴室の場合も、解体を経て床暖房の機材を設置するため、多少費用はかかりますが、それでも50万円は大きく割り込み、おおよそ20万円台で収まるでしょう。
在来工法の場合も最近では手軽に配管などが行えるボードが登場したことで、今までの工事で必要だった工程を省略でき、断熱材としての機能もあるため、重宝されるようになっています。コストを削減しつつも多少狭いお風呂場であればすぐに工事が行えるタイプもあり、お風呂場の床暖房事情も変化している状況です。
ユニットバスへの交換の際に行う人もいる一方、ユニットバスに交換しないと床暖房はできないのではないかと考える人もいますが、在来工法でも可能です。
1-3.浴室ドアの交換
浴室のドアは毎日使うために劣化が起こりやすく、ドアが開きにくい、締めにくいなどの違和感から、ドアが壊れて内側から開かなくなるケースもあり、状況次第では最悪の事態まで想定できます。そのため、浴室のドア交換は定期的に検討し、違和感があった時点で交換を視野に動くことがおすすめです。
実際にドアを交換する場合には、ドアだけを交換するやり方や外枠を含めてドア交換を行うケース、今までの外枠にさらに新しい外枠をつけるケースもあります。外枠の上に新しい外枠をつけるやり方をカバー工法と言います。ドアだけを交換したくてもそのドアが既に製造を終えているケースがあるため交換できず、かといって、外枠を含めて工事を行うとお金がかかる場合、その折衷案としてカバー工法が存在します。
またドアの形態でも費用が異なり、一般的な開き戸がオーソドックスですが、ドアが折りたたむ折れ戸や横にスライドさせる引き戸があり、特に引き戸は値段が高めです。ただ引き戸の場合、出入りがスムーズで年齢に関係なく誰でも簡単に開けられるのが大きなメリットであり、何より掃除のしやすさが魅力的です。
全てを交換する場合、引き戸ですら20万円を切る費用でリフォームが行える傾向にあり、開き戸ですべてリフォームする場合と比べても数万円程度しか変わらないため、お掃除のしやすさなどを考えると引き戸にしてリフォームを行うのも有力な案と言えるでしょう。
1-4.浴室暖房機の設置
高層マンションの場合、常に風が強いため、ベランダに干さずに浴室内の浴室暖房機で洗濯物を干すことがあります。また事前に温めておくことでヒートショックを防ぐ狙いもあり、高齢者がいるご家庭は浴室暖房機の設置をおすすめします。
浴室暖房機に関しては後付けでの設置が可能で、本体を含めればだいたい10万円程度で収まり、工事だけの費用は数万円程度と意外とリーズナブルです。もちろん性能次第では高くなりやすく、浴室暖房機だけで20万円を超えるケースも出てきます。その分、電気代がかからないなどのメリットもあるため、結局のところ、機能などで選ぶのが確実です。
在来工法の場合は設置の際に天井の補強が必要となるケースがあり、その場合は補強工事の費用もかかります。その他配線や配管などの工事がかかることもあり、最終的に50万円に迫ることも十分に考えられます。あとは業者によって浴室暖房機の本体の割引を行ってくれるところがあるため、複数の業者に相談していくことがおすすめです。
1-5.浴室内の手すり設置
ケガをした時に危険性を減らしながらお風呂に浸かったり、お風呂から出る際に無理な体制にならずに済む手すりの設置も50万円で出来るお風呂リフォームの中に入ります。バリアフリー対策として、高齢者がいるご家庭で設置をすることでお風呂での事故を防げるため、必ず設置しておきたい1つの装備と言えるでしょう。
お風呂の手すりに関しては簡易的なものが各地のホームセンターで安く売られているほか、材質や握りやすさにこだわった手すりを注文したとしてもそれ単体では大きな費用とはなりません。設置費用に関しても同じで、1日程度で設置できる手軽さもあります。
DIYとして自分たちで手すりを設置するケースもありますが、正しく設置しないとせっかく手すりを握っていたのに手すりが取れて大惨事になる危険性もないわけではありません。よほどDIY経験がある人であれば別ですが、DIY経験がほとんどない人は自分たちで設置しようとはせず、業者に依頼しましょう。
1-6.シャワーユニットの設置
お風呂は入らないがシャワーには入る、サッとシャワーを浴びたいなど様々な理由からシャワーユニットを設置したい方がいます。この場合、お風呂場からシャワールームへ切り替えると配管などの工事がかかるため、50万円では済まない可能性が高いです。
50万円で収まるケースとしては、元々使っていない空間にシャワールームを新設するようなケースで基礎工事や配管工事などで50万円を割り込むことができます。ユニット工法であれば簡単なもので30万円程度で収まりますが、すべては設置場所の状況次第です。
これが在来工法でシャワールームを設置するとなると最低で50万円程度となるため、予算が50万円しかない場合は簡易的なものしか作れない可能性も出てきます。
お風呂リフォームを行う際には補助金を活用することで負担軽減につなげることができます。ここではお風呂リフォームで実際に使える補助金についてご紹介します。
2-1.国の補助金
国ではここ数年省エネ関連の補助金を出しています。2022年の「こどもみらい住宅支援事業」、2023年の「こどもエコ住まい支援事業」は、浴室リフォームでも使えます。
「こどもエコ住まい支援事業」の浴室リフォーム関連では以下の補助金額となります。
・高断熱浴槽に27,000円
・節湯水栓に5,000円
・高効率給湯器に27,000円
・バリアフリー改修(段差解消)に6,000円
補助金を受けるには、「こどもエコ住まい支援事業」の事業者登録をした工事会社に工事を依頼する必要があります。どの会社でも補助金申請ができるわけではないので注意しましょう。
水周りリフォーム館の運営会社ハイウィル株式会社は登録事業者です。
補助金の詳しい内容については以下のページでも解説しています。
2-2.各自治体の補助金
国の補助金だけでなく、各自治体でも補助金が出されることがあります。「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度」というページでは、お住いの自治体に補助金制度があるかどうかを調べられます。例えば東京都全体の中からバリアフリー化・省エネルギー化・同居対応の支援について調べてみると、東京23区など各地方公共団体の補助金制度が出てきます。
例えば、品川区では「住宅改善工事助成事業」というものを展開し、浴室改修工事にも対応し、工事費用の10分の1を補助してくれます。このような事業は財政が豊かな地域などで充実するほか、その地域ならではの事情でユニークなものが出てくるため、お住いの地域や周辺のエリアの情報は逐一チェックすることをおすすめします。
2-3.介護保険
介護保険受給者の高齢者がいて、お風呂に手すりなどバリアフリー化の工事を行う場合は介護保険の活用も視野に入れましょう。要支援もしくは要介護認定を受けていることが条件で、20万円までの工事を行えば、1割から3割の負担で済みます。例えば手すりを設置するなど20万円に満たない工事であれば、介護保険を使った方が負担度合いは少なめです。
ただ20万円が上限のため、50万円レベルとなると適用されず、全額自己負担となります。また償還払いと呼ばれ、先に利用者が工事費用を全額負担し、その後申請を受けて自己負担分以外の費用が戻ってくる方式で運用されており、一時的な全額負担ができない場合に注意が必要です。
ここからは実際に50万円までで行うことができたお風呂リフォームについてご紹介していきます。3-1.在来工法の浴槽を広めに
築年数20年で浴槽的には寿命を迎える時期です。古くなった浴槽を新しいものに変えたいというお客様。浴槽の底がひび割れを起こしており、補修を行っていたものの、リフォームで一新したいとのこと。浴槽のひび割れは様々なトラブルを誘発するほか、何より安心してお風呂に浸かれないという問題点を抱えています。
在来工法の浴室はリフォーム前は110センチと小さめな浴槽でしたが、スペースを考慮し、140センチとワイドにしました。深さが浅くなった分、浴槽を下げるようにして高さを調整するなど、在来工法でも浴槽の交換が行えています。リフォーム費用は税込23万円と安く、工事期間は6日間です。
施工事例はこちら▼▼
3-2.滑りにくいタイルへの交換
出典元:https://rehome-navi.com/shops/135/cases/4902
在来工法の浴室は床や壁がタイルになっており、濡れていると転びやすくなります。転んで頭を打ち、命にかかわる事態に発展することも十分に考えられます。ユニットバスであれば、転びにくい、滑りにくいといった性質を持つ床が様々なメーカーで出されていますが、浴室のタイルに関しても滑りにくいタイルが登場しています。
TOTOから発売されている「グリップフロア」は形状に排水性を持たせることで乾きやすく、雑菌などを減らす工夫が施されています。普通のタイルと比べても滑りにくいため、お風呂の際にも安心です。グリップフロアを使ったリフォームではリフォーム費用がわずか8万円で済んでおり、工事期間も2日間と短めです。3-3.換気乾燥機への交換
出典元:https://rehome-navi.com/shops/159/cases/5937
どこの家にもある浴室の換気扇。多くの家は天井に換気扇がついており、これを回すことでしっかりと換気を行うことができます。一方で換気扇の要素だけでなく、衣類を乾燥させるようなタイプにすることで、雨の日でもしっかりと服を乾かせる場所を作り出せます。
換気乾燥機の設置に関してはわずか1日で行うことができ、設置費用もさほどかからず、おおよそ12万円ほどです。今までよりも換気扇は大きめになりますが、その性能は以前よりも上がっているほか、冬場も暖房として使えるため、浴室に入った時から暖かい状態です。3-4.汚れた床を新しい床に一新
出典元:https://rehome-navi.com/shops/2258/cases/12537
長年住み、お風呂を使っていく中でどうしても落とせない汚れがついたり、なかなか落ちないカビなどが出てきます。一生懸命掃除を行ってもいつまで経っても汚れが落ちないようでは、精神的に萎え気味に。このような汚れた床を、安い値段で新しい床に一新することが可能です。
お風呂の床だけを交換、リフォームを行う場合、部分的に補修を行うケースや床の上から新しいものを張り付けるケース、改めて塗装を行うなど、実は汚れた床を一新することにはいくつかの方法が存在します。タイルの場合はタイルを壊して張り直すことも可能ですが、今回はユニットバスとあって、大規模な工事も必要なし。
床の改修に関する工事費用はわずか6万円と大変安く、工事期間もわずか1日で簡単に終えることができました。お風呂の床が汚い、気持ちいい気分になりたいという場合は安い値段で回収できるのでおすすめです。3-5.タイル貼りでも暖かいお風呂へ
出典元:https://rehome-navi.com/shops/1835/cases/15491
お風呂が寒い場合は在来工法の浴室でタイル貼りになっていることがほとんどです。ユニットバスの場合はユニットバス全体に断熱材が使われているため、暖かさが逃げにくく、浴槽なども湯冷めをしないように対応するなど、お風呂が寒い場合にはユニットバスに切り替えることで解決することができます。しかし、ユニットバスへの交換にはお金がかかります。ユニットバスへのリフォームは難しくても、浴室暖房機を設置することでこの寒さは改善可能です。
浴室暖房機を設置することでタイル貼りであっても浴室内を温めることができます。冬だとタイルのひんやり加減でヒートショックを誘発することがありますが、浴室暖房機を活用することで温度差が小さくなります。いつでも衣類の乾燥が行えるのは精神的にはうれしいものであり、頼りになりやすいです。設置費用は15万円で、設置に要した期間はたった1日でした。
4.まとめ
50万でできるお風呂リフォームには色々なパターンがある一方、20万円程度でもより快適に過ごせるアイテムを導入したり、交換したりすることができるため、まずはどのようなアイテムがあるのかをチェックしましょう。在来工法からユニットバスへ変更しなくても、できることはたくさんあります。
高齢者などがいる場合は介護保険の活用などを視野に入れ、よりお得に、負担をかけずにお風呂リフォームを行っていきましょう。何もしないと命の危険につながりやすい部分が意外にも多かったので、安全なお風呂にしていくためにも、少しだけお金をかけて安全性を高めることをおすすめします。
▼▼【2023】浴室リフォームで使える補助金・助成金とは?▼▼
▼▼10~30万円でできるお風呂リフォーム!▼▼
<著者情報> 大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。 現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。
仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
関連コンテンツ
-
浴室リフォーム
在来工法の浴室リフォームとは?種類や費用、メリット・デメリットを解説!
更新日:2023.5.29 築年数が経過した一戸建てもしくはアパート、マン……
-
キッチンリフォーム浴室リフォーム洗面所リフォームトイレリフォーム
水回りリフォームパックとは?費用相場や注意点を紹介!
更新日:2023.5.26 自分が住む家だからこそ、できるだけきれいに使い……
-
浴室リフォーム
LIXIL(リクシル)のリデア(アライズ後継)の特徴や機能、価格についてくわしく解説!
更新日:2023.5.17 キッチンやトイレなど水周りに関する製品を多……
-
浴室リフォーム
お風呂(浴室)の寿命はどのくらい?交換目安やリフォーム費用を解説!
更新日:2023.4.28 築年数が経つごとに劣化が目立ち始める場所はいく……