お風呂(浴室)の寿命はどのくらい?交換目安やリフォーム費用を解説!
更新日:2023.4.28
築年数が経つごとに劣化が目立ち始める場所はいくつかありますが、その代表的な存在が水回り全般です。日々使うところほど経年劣化が進みやすく、特に水回りはその影響を受けやすい場所となっています。
その中でもお風呂は日々使う場所であり、衛生的でないといけないため、劣化を感じやすく精神衛生上、できるだけきれいにしておきたい場所です。今回はお風呂(浴室)の寿命や交換目安などをご紹介します。
<目次>
1.お風呂(浴室)の寿命はどのくらい?
2.お風呂(浴室)の寿命を延ばすポイント
3.お風呂の交換費用や施工期間
4.お風呂のリフォームをする際の注意点
5.お風呂のリフォーム事例
6.まとめ1.お風呂(浴室)の寿命はどのくらい?
お風呂の寿命はだいたいどのくらいなのか、寿命の理由などを含めてご紹介していきます。
1-1.お風呂(浴槽)の寿命は20年程度!
そもそもお風呂の寿命について、何をもって寿命とするかを最初に説明しなければなりません。この場合の寿命は「耐用年数」と同じ意味合いとなります。お風呂の場合は浴槽が該当し、浴槽の寿命が何年ぐらいかという話につながるのです。
結論から申し上げますと、おおよそ20年程度、場合によっては30年が寿命となります。ただし、あくまでも平均的な利用による寿命であって、浴槽を酷使するような使い方の場合、20年の寿命よりも短くなることも十分に考えられます。
この場合の浴槽の酷使というのは、家族以外にも使うようなケースなどが想定されるので、普通に使っている分には20~30年が寿命ということになるでしょう。
1-2.ユニットバスの寿命は15年程度!
一方、ユニットバスの場合は浴槽の寿命よりも短くなりやすく、だいたい15年程度とされ、場合によっては10年程度で寿命を迎えてしまうケースもあります。これはユニットバスの設備の問題が大きく、例えばカビが目立ち始める、ユニットバス内部の匂いがこびりついているなどの事例です。
ユニットバスに関しても日々の利用頻度が大きく左右しており、平均的に利用した場合の寿命が15年ということに過ぎず、過度に利用すれば10年程度になってしまうこともあります。
これらの寿命はあくまでも目安であり、この年数を迎えたから必ず交換すべき!という話ではなく、不具合が起こりやすくなり、今後交換を視野に入れるべきタイミングと捉えて問題ありません。
1-3.お風呂(浴室)の寿命を見極めるポイント
では、浴槽やユニットバスの寿命はどこでチェックしていくべきかですが、まずコーキングの確認です。コーキングはつなぎ目部分をカバーする、ゴムなどでできた部分で、ここがひび割れを起こしてしまうと水が入りやすくなり、カビができやすく、腐食などの原因にもなってしまいます。
コーキングのひび割れ、そこから派生するカビやサビの存在も寿命と大きく関係します。いくら掃除をしてもカビが取り除けないような場合は何かしらの対策を立てないと浴室内が悲惨なことになりかねません。
後はシャワーを利用して水漏れが目立ち始める、ドアが閉まりにくい、換気扇の働きが悪いなど設備的に納得のいく状態ではない場合に寿命を迎えたという判断になります。1か所程度の交換であればその部位だけの交換で大丈夫ですが、複数の個所で問題が生じている場合は全体のリフォームも検討した方がいいでしょう。
お風呂の寿命はちょっとしたことで延ばすことが可能です。主なポイントについてまとめました。
2-1.こまめな換気
寿命を大きく左右するのはカビの存在です。お風呂は本来清潔な場でないといけないのに、カビがあることで様々な面で不快に感じやすく、満足度を落とします。カビは湿気、水分がとどまり続けることで発生しやすく、空気の流れがないと生じやすくなります。
湿気を飛ばす意味合い、そして、空気の流れをつけるためにも、こまめな換気は必要です。家族が全員お風呂から出たら朝と夜に窓を開けて換気することでカビの発生を食い止めることができます。
窓がついていないケースでは換気扇を作動させ、ドアを開けた状態にしてサーキュレーターなどを活用していくことで換気につながります。
2-2.こまめな掃除
水回り全般に言えることですが、寿命を迎えたと感じさせるのは日々の使用によって生じる汚れです。この汚れがたまっていくことで汚さを感じ、不潔な印象を与えるほか、臭いも出てくるため、ますます嫌な印象につながっていきます。
これらを食い止めるには、こまめな掃除を行うことです。毎日ではなくても何日か起きに掃除を行い、お風呂であれば髪の毛を取り除く、水滴をふき取るなどちょっとしたことを重ねていくことで何年経過しても最大限きれいに利用していくことが可能です。
もちろん、掃除をしても防ぎきれないため、寿命をより延ばせるわけではないものの、平均的な寿命よりも大きく下回るようなことは防ぐことは十分にできます。
2-3.定期的にコーキングやパッキンを交換する
お風呂の寿命を途絶えさせる要因はカビなので、このカビを防ぐことができれば寿命を延ばせます。そこで定期的にコーキングやパッキンの交換をすることをおすすめします。これを行うことでコーキングやパッキンのひび割れから水が入り込むことを防ぐことができ、カビの繁殖、腐食などを避けられます。
コーキングはだいたい10年前後で劣化を感じやすくなり、放置すればいくらこまめに掃除をしたとしてもカビは発生しやすく、腐食も起こりやすくなります。
一方で、定期的にコーキングやパッキンの交換を行っておけば少なくとも大がかりなリフォームを要するタイミングを遅らせることができるので、ちょっとした手間・費用はかかりますが、やっておいて損はありません。
3.お風呂の交換費用や施工期間
実際にお風呂の交換を行う場合、交換、施工に関する費用や期間についてもご紹介していきます。
3-1.在来工法からシステムバスにリフォーム
まず在来工法で作られた浴室からシステムバスにリフォームする場合にかかる交換費用や施工期間ですが、おおよそ100万円はかかり、場合によってはそれ以上かかるほか、施工期間も数日~1週間とやや費用を要します。
在来工法の場合は部屋に浴室を作るようなものなので、すべてがオーダーメイド、手作りで作っていきます。ところが、システムバスは工場で資材を作り、それを組み合わせるだけなので、サイズや形は決まっています。元々在来工法で作られた浴室に当てはまるサイズのシステムバスでなければならず、デッドスペースなども生じやすく、調整が必要です。
3-2.システムバスからシステムバスにリフォーム
在来工法からシステムバスへの移行に費用も期間もかかる一方、既にシステムバスを導入していた場合、同じサイズのシステムバスへリフォームすればいいだけなので、費用はグッと下がり、ローグレードのものなら50万円程度でも交換が行えます。そして、施工期間に関しても長くて3日程度で完了するため、全てにおいて先ほどよりも半減していることがわかります。
結局のところ、この2つのケースで費用や期間に大きな影響を与えるのは工事費です。特に在来工法からのリフォームでは、床や壁の補強を要する場合や大きめなシステムバスを導入するために壁を少しでも削るといった工事が出てくることも。工事を行う際には業者との話し合いをしっかりと行い、どんな工事を行うか確かめておきましょう。
4.お風呂のリフォームをする際の注意点
実際にお風呂のリフォームを行う場合、リフォームを行う前に色々と気を付けておかないと取り返しのつかない事態を招くこともあります。どんな点に注意をしないといけないのか、ご紹介します。
4-1.浴室となるスペースを確保する
まずシステムバスを導入するにあたり、そもそもシステムバスを設置するだけのスペースがあるのかを確認し、確保しましょう。既にシステムバスを導入している場合には何ら問題はありませんが、在来工法からシステムバスへの切り替えの場合は元々のお風呂のスペース自体が狭く、場合によっては設置が難しいケースが考えられます。
狭くて入らない場合、土地に余裕があれば浴室のスペースを増築によって確保するという手段もあります。しかし、増築となると普通のお風呂リフォームと比べてより費用や期間がかかるだけでなく、増築などに伴う知識も必要なため、業者のスキルが問われやすくなるので、どこでもやってもらえるような工事ではなくなるでしょう。
その場合は、増築に長けて浴室の構造部分から工事を行っていけるような業者を探し、そこに依頼を行うことがおすすめです。
4-2.マンションの場合は規約を確認する
一戸建ての場合は自分の土地・家屋なので何も気にせずにリフォームを行えますが、マンションの場合は色々と注意すべきことがあります。マンションには基本的に規約が存在し、そのルールの中でリフォームなどを行わないと問題になってしまいます。
規約に書かれていることはそのマンションでの法律のようなもので、例えば、この材料は使ってはいけないというものから、水回りに関するリフォーム自体をしてはいけないという、非常に厳しいルールまであります。どうしても水回りのリフォームを行う場合は管理会社に一任するような方法をとらざるを得ないケースもあるため、注意が必要です。
リフォーム工事は黙ってやってどうにかなる代物ではなく、黙ってやっても必ずバレます。その場合、工事のストップを求められるほか、原状回復を要求される可能性まであります。もし原状回復を要求されて裁判沙汰となり、仮に管理会社の訴えが認められた場合、今度は原状回復工事の費用まで出さなくてはならず、取り返しのつかない事態に。
後になってトラブルになるのは避けなければならないため、まずは管理会社にお風呂リフォームに関するお伺いを立てるのが無難です。その際に規約を教えてもらい、その規約の中でお風呂リフォームを行ってくれる業者を探し、ご近所さんへのあいさつ回りを行うなどして、工事にこぎつけることができれば、あとは完成を待つのみです。
4-3.費用を抑える方法を事前に調べておく
在来工法からシステムバスへ、もしくはシステムバスからシステムバスへという2つのパターンでは、費用面と期間面で大きな違いがあることは間違いありません。ただ、いずれのパターンにおいても、工事費用を抑える方法はいくつも存在します。
まず1つ目は相見積もりです。システムバスは取り扱う業者次第で主力が異なっていることがあり、値段にバラつきがあります。いくつかの業者に見積もりを出し、その見積もりの内訳を聞くことで、値段も手ごろで品質も問題ないところで工事を行ってもらうことができ、費用を抑えることが可能です。
2つ目は補助金や助成金を受け取ることです。近年はリフォームを行うことで補助金や助成金がもらえるケースがあり、自治体によっては制度が充実しており、よりお得にリフォームを行えます。
例えば、お風呂のリフォームを行うにあたり、バリアフリー化を行う場合はバリアフリーに関連した補助金の利用が行えます。札幌市では、「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」が用意され、在来工法からシステムバス、システムバスの入れ替えなどケースによって補助金の額こそ変わるものの、費用の軽減が行えます。
2つの費用軽減の方法を併用することも当然でき、いくつかの業者に見積もりを出してもらい、手ごろな費用の業者を選んだ上で補助金をもらいつつ工事を行えば、何もしないケースと比べてかなりの費用軽減につながります。
5.お風呂のリフォーム事例
ここからは築年数が経過し、お風呂のリフォームを行って劇的に変化した実例についてご紹介していきます。
5-1.築年数40年のお風呂リフォーム
在来工法で、浴室がタイルということもあって冬になるととても寒く、洗い場で体を洗うと寒さで震えるというお客様のお風呂。築40年ということもあり、脱衣所の床もやや傾いているなど、寒さ対策を含め、リフォームを行いたいというご要望です。築年数が経過しているせいか、シロアリによる影響が凄まじく、土台などもないような状態。脱衣所の床に傾きが見られた理由もうなずけます。
TOTOのユニットバス「サザナ」を用いて、土台の補強などのリフォームを行い、浴室内の寒さ対策は万全に。シロアリの影響がないように万全の体制を整え、温かいお風呂を作り上げていきました。リフォーム費用は税込150万円、工事期間は20日間とややかかったものの、寒さに強いお風呂にお客様も大満足です。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-2.先手を打つ形でリフォーム
バスタブとタイルのところに隙間が出来てしまったので、この機会にユニットバスへのリフォームをしたいというお客様。築年数は17年と耐用年数を考えれば平均的な年数である一方、隙間の中に水が入り込んで腐食していくと、だましだまし使っていく中で後々とんでもない事態を招く可能性も否定できず、先手を打ってリフォームをしたのは大変な英断です。
リクシル「キレイユ」を用いてユニットバスへフルモデルチェンジを果たしたほか、以前使っていた浴室暖房乾燥機を再度利用できるようにメンテナンスを行うなど、仕上がりも上々。お客様も大満足の出来となっています。リフォーム費用は税込75万円と安く、工事期間は7日間でした。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-3.給湯器と一緒にリフォーム
マンションの築年数と同時期に設置された給湯器を使っていたというお客様。給湯器の寿命は長くても15年の中で、耐用年数以上に使っていたものの、ついに調子が悪くなってしまったとのこと。給湯器だけでなく浴室も一緒にリフォームをしたいと考え、複数の業者と話し合いを行う中で、リフォームを決断されました。
ユニットバスはリクシル「リノビオV」を使用。リノビオVはマンション用のユニットバスで、ショールームで実際にお客様がチェックして選んでいただいた形です。また洗面化粧台もこの機会に取り換えることに。元々の洗面化粧台が特殊なサイズだった中で、一回り小さいサイズにして、余ったスペースをカウンターにすることでドライヤーなどを置けるような場所を作り出しました。
リフォーム費用は税込で105万円、工事期間は4日間でした。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6.まとめ
お風呂の寿命はだいたい20年ほどですが、その間、ひび割れの個所から水が入り込むことでリフォームを行う段階でシロアリなどで土台がほとんどないような状態になっていることもあります。
そうならないためにも、早めの補修やちょっとした不具合の段階でリフォームを検討するなどの対策をおすすめします。大幅な改修を行えば、費用も期間もかかりますが、改善すべきポイントが少ない段階であれば費用も工期もある程度抑えられるでしょう。日ごろから換気や掃除を心がけ、常にお風呂をきれいにしつつ、長く使い続けていくのが理想的で、その後、システムバス・ユニットバスへの交換をおすすめします。
▼▼【2023】浴室リフォームで使える補助金・助成金とは?▼▼
<著者情報> 大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。 現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。
仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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