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【完全ガイド】性能向上リノベーションで後悔しない!費用相場から業者選びまで専門家が徹底解説

 

「そろそろ我が家もリフォームを」とお考えのとき、単に内装を綺麗にするだけでなく、住まいの根本的な性能から見直したいと思われたことはありませんか?特に、長年住み慣れた我が家だからこそ、これからも安心して、そして快適に暮らし続けたい。そう願うのは当然のことです。

近年、リフォーム業界で注目を集めているのが**「性能向上リノベーション」**です。これは、築年数が経過した住宅の耐震性や断熱性といった基本性能を、現行の新築住宅の基準以上に引き上げることを目的とした、いわば「家のアンチエイジング」です。

こんにちは。「水周りリフォーム館」の刈田です。以前は不動産営業として多くの中古住宅を見てまいりましたが、現在はリフォームアドバイザーとして、お客様の大切な住まいを未来へとつなぐお手伝いをしています。

この記事では、性能向上リノベーションに関心をお持ちのあなたが、安心して計画を進められるよう、その全体像を網羅的に解説します。大手リフォーム会社の情報だけでなく、多様な選択肢の中からご自身に最適な答えを見つけるための「判断のモノサシ」をご提供できれば幸いです。高額な投資だからこそ、失敗は許されません。この記事を最後までお読みいただければ、性能向上リノベーションに関する不安や疑問が解消され、具体的な次の一歩を踏み出せるはずです。

 


第1章:性能向上リノベーションの基礎知識 – なぜ今、選ばれるのか

第1章:性能向上リノベーションの基礎知識 - なぜ今、選ばれるのかのイメージ画像

リフォームを検討し始めると、「リノベーション」や「フルリフォーム」など、様々な言葉を目にするかと思います。まずは、性能向上リノベーションがこれらとどう違うのか、そして、なぜ今これほどまでに注目されているのか、その本質から理解を深めていきましょう。

1.1:性能向上リノベーションとは?従来のリフォームとの決定的な違い

性能向上リノベーションとは、単に古くなった内外装を新しくするだけのリフォームとは一線を画します。その核心は、

住まいの「基本性能」を、現在の新築住宅の基準、あるいはそれ以上に高めることにあります。

1.1.1:見た目の刷新が目的の「リフォーム」との違い

一般的なリフォームは、古くなったキッチンや浴室を最新の設備に交換したり、壁紙や床材を張り替えたりといった、いわゆる「化粧直し」が中心です。もちろん、これによって住まいは美しくなり、日々の暮らしの満足度は向上します。しかし、家の骨格である構造体や、壁の内部にある断熱材など、目に見えない部分には手が加えられないことがほとんどです。

一方で、性能向上リノベーションは、建物を一度骨組みだけの「スケルトン状態」に戻し、普段は見えない構造部分から徹底的に見直します。この過程で、シロアリの被害にあった柱、雨漏りで劣化した断熱材、ひび割れた基礎など、長年の間に蓄積された問題点が明らかになることも少なくありません。これらの根本的な問題を解決し、耐震性や断熱性といった家の器(ハコ)としての性能そのものを刷新するのが、性能向上リノベーションの最大の特徴です。

 

1.1.2:「フルリフォーム」と「性能向上リノベーション」の目的の違い

「家をまるごとリフォームするなら、フルリフォームと同じでは?」と思われるかもしれません。確かに、工事の規模としては近いものがあります。しかし、その目的が大きく異なります。

フルリフォームの多くは、内装や外装の見た目を全面的に新しくすることが主目的です。 もちろん、その過程で部分的な補強や断熱材の追加が行われることもありますが、性能向上を最優先の目標としているわけではありません。

 

対して、性能向上リノベーションは、**「耐震性能を国の新築の最低基準の1.5倍以上(耐震等級3相当)」「断熱性能も国の新築の推奨基準の1.5倍以上(HEAT20 G2グレード相当)」**といった、具体的な数値目標を掲げて性能を飛躍的に向上させることを目的とします。 デザインや間取りの変更は、この強固な土台の上で実現されるのです。言わば、フルリフォームが「見た目の若返り」だとすれば、性能向上リノベーションは「健康診断と精密な外科手術を経て、アスリート並みの肉体を手に入れる」ようなもの、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

 

1.1.3:なぜ今、性能向上リノベーションが求められるのか

性能向上リノベーションが注目される背景には、いくつかの社会的な要因があります。

第一に、住宅ストックの高齢化です。日本には築40年を超えるような旧耐震基準の木造住宅が数多く存在します。これらの住宅は、現代の基準で見ると耐震性や断熱性が著しく低い場合が多く、大きな地震への備えや、健康的な室内環境の維持が喫緊の課題となっています。

第二に、健康志向の高まりです。近年の研究で、室内の温度差が引き起こす「ヒートショック」が心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることや、結露によるカビ・ダニがアレルギーの原因となることが広く知られるようになりました。断熱性能の向上は、こうした健康リスクを低減し、快適な暮らしを守るために不可欠です。

第三に、サステナビリティ(持続可能性)への関心です。既存の住宅を解体して新築するのではなく、使える構造体は活かしながら再生させる性能向上リノベーションは、建設廃棄物の削減につながり、環境負荷の低い選択肢として評価されています。

そして最後に、資産価値の維持・向上という視点です。単に見た目が綺麗なだけでなく、耐震性や断熱性といった「性能」が客観的な数値で証明された住宅は、中古住宅市場においても高く評価される傾向にあります。大切な資産である住まいの価値を、未来にわたって守り、高めていく。性能向上リノベーションは、そのための最も確実な投資の一つと言えるでしょう。


第2章:住まいの生命線を強化する – 耐震と断熱の核心技術

住まいの生命線を強化する - 耐震と断熱の核心技術のイメージ画像

性能向上リノベーションの二大柱は「耐震改修」と「断熱改修」です。この章では、具体的にどのような工事が行われ、それによって私たちの暮らしがどのように変わるのか、専門的な視点から詳しく解説します。完成後には見えなくなってしまう部分だからこそ、ここでしっかりと知識を深めておくことが重要です。

2.1:【耐震改修】大地震から家族と資産を守るための絶対条件

日本に住む以上、地震への備えは避けては通れません。「耐震リフォーム」という言葉はよく聞かれますが、性能向上リノベーションにおける耐震改修は、より体系的で、科学的な根拠に基づいています。目標は、建築基準法で定められた最低限の基準(耐震等級1)を大きく上回る「耐震等級3」の実現です。これは、消防署や警察署など、地域の防災拠点となる建物に求められるレベルと同じ強度であり、万が一の大地震の後でも、大きな補修をすることなく住み続けられることを目指します。

 
 

2.1.1:最重要課題「基礎補強」- なぜこれがなければ始まらないのか

特に1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅の多くは、基礎に鉄筋が入っていない**「無筋基礎」**である可能性が高いです。 地面と建物を繋ぐ最も重要な部分である基礎が弱ければ、どんなに壁や柱を補強しても、地震の強大なエネルギーを受け止めることはできません。

性能向上リノベーションでは、この無筋基礎の内側と外側を掘り下げ、新たに鉄筋を組み、コンクリートを流し込む「抱き合わせ補強」を行います。これは、単なるひび割れの補修とは全く異なる「補強」工事であり、これだけで耐震性能が約30%も向上するというデータもあります。多くのリフォーム会社が見過ごしがちなこの基礎補強を標準仕様としているかどうかは、業者選定における極めて重要なチェックポイントです。

2.1.2:建物の“体幹”を鍛える「上部構造の補強」

強固な基礎の上に、バランスの取れた強い上部構造を構築します。その鍵となるのが「壁量の確保」「接合部の強化」です。

まず、地震の横揺れに抵抗する「耐力壁」を、建物のバランスを見ながら適切に配置します。どこか一方向に壁が偏っていると、地震時に建物がねじれるように倒壊する危険性があります。そこで、専門家が構造計算を行い、建物の強さのバランスを示す「偏心率」をチェックしながら、最適な壁の配置を計画します。

次に、柱と梁、土台と柱といった接合部を、専用の「補強金物」で緊結します。地震の揺れによって柱が土台から引き抜かれるのを防ぐためです。これも「N値計算」という専門的な計算に基づいて、必要な箇所に必要な強度の金物を取り付けます。

これらの補強により、家全体が一体となって地震の力に抵抗する、強靭なモノコック構造へと生まれ変わります。

2.1.3:耐震性能の「見える化」- 上部構造評点(Iw値)とは

「本当に強くなったの?」という不安を解消するために、性能向上リノベーションでは耐震性能を客観的な数値で示します。それが上部構造評点(Iw値)です。

  • Iw値1.0未満: 倒壊する可能性がある

  • Iw値1.0以上1.5未満: 一応倒壊しない(耐震等級1相当)

  • Iw値1.5以上: 倒壊しない(耐震等級3相当)

改修前の診断で現在のIw値を算出し、改修計画によってIw値がいくつまで向上するのかをシミュレーションします。 これにより、工事の効果が「見える化」され、お客様は納得して工事を進めることができます。漠然とした安心ではなく、数値的根拠に基づいた確かな安全を手に入れる。これも性能向上リノベーションの大きな価値です。

2.2:【断熱改修】健康・快適・省エネを実現する現代住宅の必須科目

「日本の家は夏暑く、冬寒いのが当たり前」と思っていませんか?実は、日本の住宅の断熱性能は、先進国の中で大きく遅れをとっているのが現状です。断熱性能の低い家は、光熱費がかさむだけでなく、ヒートショックや結露による健康被害のリスクも高めます。 性能向上リノベーションにおける断熱改修は、これらの問題を根本から解決し、一年中快適で健康的な暮らしを実現します。

2.2.1:熱の出入り口を塞ぐ -「窓」の断熱が最優先

家の中で最も熱の出入りが激しい場所、それは「窓」です。 冬には室内の暖かい熱の約50%が窓から逃げ、夏には外の暑い熱の約70%が窓から侵入すると言われています。

断熱改修では、この最大の弱点を徹底的に強化します。具体的には、既存の単板ガラスのアルミサッシを、**「樹脂サッシ」

「複合サッシ」と、2枚もしくは3枚のガラスの間に空気層やアルゴンガスを封入した「Low-E複層ガラス」「トリプルガラス」**の組み合わせに交換します。これにより、窓の断熱性能は劇的に向上し、不快な結露の発生も大幅に抑制できます。内窓を追加する「二重窓」も有効な手段です。

2.2.2:家を魔法瓶のように包み込む「壁・床・天井」の断熱

窓の次に、外気に接する「壁・床・天井(屋根)」の断熱を強化します。建物をスケルトン状態にすることで、壁の内部や床下、小屋裏に、高性能な断熱材を隙間なく充填することが可能になります。

断熱材には、繊維系のグラスウールやセルロースファイバー、発泡プラスチック系のフェノールフォームなど、様々な種類があります。それぞれの特性(断熱性能、防音性、耐火性、コストなど)を理解した上で、建物の構造や地域の気候、ご予算に応じて最適なものを選択します。

重要なのは、「隙間なく施工すること」です。どんなに高性能な断熱材を使っても、施工に隙間があればそこから熱が逃げ、壁内結露の原因にもなります。経験豊富な職人による丁寧な施工が、断熱性能を最大限に引き出す鍵となります。

2.2.3:断熱性能の「見える化」- Ua値とHEAT20

耐震性能と同様に、断熱性能も数値で評価することができます。その代表的な指標が**外皮平均熱貫流率(Ua値)**です。これは、建物全体からどれくらい熱が逃げやすいかを示す数値で、値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。

国が定める省エネ基準では、東京などの地域(6地域)のUa値は0.87以下とされています。しかし、性能向上リノベーションでは、さらにその上を目指します。目標となるのが、**「HEAT20」**という民間団体が定めた断熱グレードです。

  • G1グレード (Ua値 0.56以下): 冬、最低体感温度がおおむね10℃を下回らない

  • G2グレード (Ua値 0.46以下): 冬、最低体感温度がおおむね13℃を下回らない

  • G3グレード (Ua値 0.26以下): 冬、最低体感温度がおおむね15℃を下回らない

増改築.comなど専門性の高い会社では、G2グレード以上を標準仕様とし、暖房を止めた翌朝でも室温が下がりにくい、健康的で快適な温熱環境を実現しています。 このように断熱性能を「見える化」することで、リノベーション後の快適な暮らしを具体的にイメージすることができるのです。

 

第3章:計画から完成まで – メリット・デメリットと費用・流れの全貌

計画から完成まで - メリット・デメリットと費用・流れの全貌のイメージが画像

性能向上リノベーションの技術的な側面をご理解いただいたところで、次はいよいよ具体的な計画段階に進むための実践的な情報です。メリットだけでなくデメリットも正しく理解し、どのくらいの費用と期間がかかるのかを把握することが、後悔しないリノベーション計画の第一歩です。

3.1:性能向上リノベーションのメリット – 新築を超える価値とは

性能向上リノベーションには、多くの魅力的なメリットがあります。これらを理解することで、ご自身の希望と照らし合わせ、計画の方向性を固めることができます。

3.1.1:新築の約2/3の費用で、新築以上の性能を実現

最大のメリットは、

コストパフォーマンスの高さです。同じ立地で同規模の家を新築する場合と比較して、性能向上リノベーションは

約3分の2程度の費用で実現可能なケースが多く見られます。これは、既存の基礎や構造体を最大限活用するため、解体費用や産業廃棄物処理費用、そして新たな構造材の費用を抑えられるからです。それでいて、耐震性や断熱性といった基本性能は、一般的な新築(建売住宅など)の最低基準を大きく上回るレベルにまで引き上げることが可能です。 「費用を抑えつつ、性能には妥協したくない」という、賢明な選択をされる方に最適な方法と言えるでしょう。

3.1.2:間取りの自由度が格段に向上

建物をスケルトン状態にまで解体するため、既存の間取りの制約から解放され、

極めて自由な空間設計が可能になります。例えば、細かく仕切られた部屋を繋げて広々としたLDKを実現したり、吹き抜けを設けて開放感を演出したり。あるいは、ライフスタイルの変化に合わせて子供部屋を2つに分けたり、ご両親との同居を見据えて二世帯住宅に改修したりすることも容易です。

特に、耐震補強で適切な梁補強を行えば、従来は抜けなかった柱を取り除くことも可能になり、デザインの可能性はさらに広がります。これは、壁の移動に制限が多い一般的なリフォームでは決して得られない、性能向上リノベーションならではの大きな魅力です。

3.1.3:健康で快適な暮らしと、光熱費の削減

第2章で詳しく解説した通り、断熱性能の劇的な向上は、日々の暮らしに計り知れない恩恵をもたらします。家中の温度差が少なくなることで、冬場のヒートショックのリスクを大幅に低減。結露がなくなることで、アレルギーの原因となるカビやダニの発生を抑制します。夏はエアコンがすぐに効き、冬は暖房の熱が逃げにくくなるため、

光熱費の大幅な削減も期待できます。 これは、エネルギー価格が高騰する現代において、非常に大きな経済的メリットと言えるでしょう。単なる快適性を超え、家族の健康と家計を守る。これも性能向上リノベーションの重要な役割です。

 

3.2:知っておくべきデメリットと注意点

一方で、性能向上リノベーションにはデメリットや注意すべき点も存在します。これらを事前に把握し、対策を検討しておくことが、計画をスムーズに進める上で不可欠です。

3.2.1:地盤の問題 – 改良が必要な場合のコスト増

性能向上リノベーションは、既存の基礎を補強することはできますが、その下の地盤自体を改良する工事は基本的には含まれませんもし、敷地が軟弱地盤であったり、不同沈下を起こしていたりする場合、地盤改良工事が別途必要になる可能性があります。地盤改良は技術的には可能ですが、数百万円単位の追加費用がかかることもあり、そうなると新築との費用的なメリットが薄れてしまうケースもあります。 中古物件を購入してリノベーションを計画する場合は特に、土地の履歴や地盤の状態を事前に確認しておくことが重要です。

 

3.2.2:工期の長さと仮住まいの必要性

建物を一度スケルトンにする大規模な工事となるため、

工期は一般的なリフォームに比べて長くなります解体から構造補強、断熱工事、内外装仕上げまで、規模にもよりますが

 

半年から1年近くかかることも珍しくありません。その間は当然ながら自宅に住むことはできないため、

 

仮住まいへの引っ越しが必要になります。仮住まいの家賃や、2回の引っ越し費用など、リノベーション本体の工事費以外にも諸経費が発生することを、資金計画の段階で忘れずに見込んでおく必要があります。

 

3.2.3:建物の構造による制約

どのような建物でも自由にリノベーションできるわけではありません。特に注意が必要なのが、

ツーバイフォー(2×4)工法の住宅です。この工法は、壁で建物を支える「壁式構造」のため、構造上重要な壁を取り払うことができず、間取り変更の自由度が大きく制限されます。また、

 

マンションの場合も、共有部分である躯体(コンクリートの壁や床、天井)に手を入れることはできないため、間取り変更には制約が伴います。 ご自宅がどのような工法で建てられているか(在来軸組工法か、ツーバイフォー工法かなど)を事前に確認しておくことが大切です。

 

3.3:【費用相場】一体いくらかかる?リアルな金額と内訳

最も気になるのが費用についてでしょう。性能向上リノベーションは、工事内容が多岐にわたるため一概には言えませんが、ここでは一つの目安となる費用相場と、その内訳について解説します。

3.3.1:延床面積で見る費用相場の目安

性能向上リノベーションの費用は、建物の大きさ(延床面積)に比例して変動します。専門サイト「増改築.com」が公開している過去の平均データに基づくと、坪単価70万円~100万円程度が一つの目安となります。

  • 延床面積 20坪(約66㎡):1,400万円 ~ 2,000万円

  • 延床面積 30坪(約99㎡):2,100万円 ~ 3,000万円

  • 延床面積 40坪(約132㎡):2,800万円 ~ 4,000万円

これは、建物をスケルトン状態にし、耐震・断熱改修から内外装、水回り設備の交換まで含んだ、包括的なリノベーションの費用相場です。 もちろん、これはあくまで目安であり、建物の劣化状況、導入する設備のグレード、間取り変更の規模などによって金額は大きく変動します。

 

3.3.2:費用の内訳 – 何にどれくらいかかるのか

上記の総額費用は、主に以下の項目で構成されています。

  1. 解体工事費(5%~10%): 内装、外装、時には構造の一部を慎重に手作業で解体します。

  2. 仮設工事費(3%~5%): 工事用の足場や養生シート、仮設トイレなどを設置します。

  3. 構造補強工事費(15%~25%): 基礎補強、耐力壁の設置、金物補強など、耐震性能を高めるための工事です。

  4. 断熱工事費(5%~10%): 壁・床・天井への断熱材充填や、高性能な窓への交換などです。

  5. 外装工事費(10%~15%): 屋根の葺き替えや外壁の張り替え、塗装などです。

  6. 内装工事費(15%~20%): 床・壁・天井の仕上げ、建具の設置などです。

  7. 設備工事費(15%~20%): キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備の交換、電気配線、給排水管の更新などです。

  8. 諸経費・設計料(10%~15%): 現場管理費、設計料、確認申請費用などです。

特に「構造補強工事費」は、建物の安全性を担保する上で最も重要な部分であり、見積書を比較検討する際には、この項目が安易に削られていないかを注意深くチェックする必要があります。

3.3.3:費用を賢く抑えるポイントと補助金の活用

高額な費用だからこそ、少しでも賢く抑えたいものです。まず、設備のグレードを見直すことで、コスト調整が可能です。キッチンやユニットバスは、メーカーやグレードによって価格が大きく異なります。こだわりたい部分には予算をかけ、それ以外の部分は標準的なグレードにするなど、メリハリをつけることが大切です。

また、

国や地方自治体が実施している補助金・助成金制度を最大限に活用しましょう。 耐震改修や省エネ(断熱)改修、長期優良住宅化リフォームなど、性能向上リノベーションに関連する補助金は数多く存在します。制度は年度ごとに変わるため、最新の情報を自治体のホームページなどで確認するか、リフォーム会社に相談してみましょう。これらの制度をうまく活用すれば、数十万円から、場合によっては百万円以上の補助を受けられる可能性もあります。

 

3.4:工事の流れと進め方 – 相談から完成までのロードマップ

性能向上リノベーションは長期にわたるプロジェクトです。全体像を把握しておくことで、各段階で何をすべきかが明確になり、安心して進めることができます。

3.4.1:【STEP1】情報収集~相談・現場調査

まずは、この記事のようなWebサイトや専門書籍で情報収集を行い、性能向上リノベーションの基本的な知識を身につけましょう。その上で、気になるリフォーム会社をいくつかピックアップし、相談を申し込みます。

相談の際には、現在の住まいの悩みや、リノベーションで実現したい暮らしのイメージを具体的に伝えます。その後、担当者が実際に自宅を訪問し、**現場調査(現地調査)**を行います。 図面だけでは分からない建物の状態(劣化状況、構造、周辺環境など)をプロの目で確認する、非常に重要なステップです。

 

3.4.2:【STEP2】プランニング~見積もり・契約

現場調査の結果とヒアリング内容をもとに、リフォーム会社が

プラン(設計図面)と概算見積書を提出します。 ここで重要なのは、複数の会社から提案を受け、比較検討することです。プランの魅力だけでなく、なぜその補強が必要なのか、断熱性能はどのレベルを目指すのかといった、性能に関する説明が明確で、納得できる会社を選びましょう。

 

プランと見積もりの内容に納得し、この会社に任せたいと決まったら、

工事請負契約を締結します。 契約書の内容(工事範囲、金額、工期、支払い条件、保証など)は隅々まで確認し、疑問点は必ず解消してから署名・捺印してください。

 

3.4.3:【STEP3】着工~工事完了・引き渡し

契約後は、詳細な仕様(壁紙の色、床材、キッチン扉の面材など)を決定し、工事の準備に入ります。仮住まいへの引っ越しを済ませ、近隣への挨拶が終わると、いよいよ

 

着工です。

 

工事中は、定期的に現場を訪れ、進捗状況を確認することをおすすめします。職人さんたちの仕事ぶりを直接見ることで、安心感も増すでしょう。工事が完了すると、リフォーム会社の担当者、そして施主であるあなたが立ち会いのもと、図面通りに仕上がっているか、傷や汚れはないかなどをチェックする「竣工検査」が行われます。すべての確認が終わり、手直しが完了したら、鍵と保証書を受け取り、

 

引き渡しとなります。

 

第4章:成功の鍵を握るパートナー選び – 最適なリフォーム会社の選び方

成功の鍵を握るパートナー選び - 最適なリフォーム会社の選び方のイメージ画像

性能向上リノベーションの成否は、どの会社に依頼するかで9割が決まると言っても過言ではありません。見た目をきれいにするリフォームとは異なり、建物の構造を根本から見直すには、高度な専門知識と豊富な経験が不可欠だからです。この章では、後悔しないパートナー選びのための具体的な基準を解説します。

4.1:依頼先の種類と特徴 – 大手、工務店、設計事務所の違い

リフォームの依頼先は、大きく分けて「大手ハウスメーカー/リフォーム会社」「地域の工務店」「設計事務所」の3つがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の考えに合ったタイプの会社を見極めましょう。

4.1.1:大手ハウスメーカー・リフォーム会社のメリット・デメリット

【メリット】

  • ブランド力と安心感: 社会的な信用度が高く、倒産のリスクが低いという安心感があります。

  • 充実した保証制度: 長期の保証や定期点検など、アフターサービスが手厚い傾向にあります。

  • パッケージ化された商品: デザインや仕様がある程度決まっているパッケージ商品が多く、選びやすい。

  • 総合的な提案力: インテリアコーディネーターや資金計画の専門家など、各分野のプロが揃っています。

【デメリット】

  • 費用が高め: 広告宣伝費やモデルハウス維持費、本社経費などが価格に上乗せされるため、工事費は割高になる傾向があります。

  • 柔軟性の低さ: 仕様がある程度規格化されており、細かな要望に対応しきれない場合があります。

  • 実際の施工は下請け業者: 契約は大手でも、実際の工事は下請けの工務店が行うため、現場の品質管理が重要になります。特に、木造の複雑な改修に慣れていない下請け業者に当たるリスクも考慮する必要があります。

     
     

4.1.2:地域密着型工務店のメリット・デメリット

【メリット】

  • 費用の適正さ: 大手に比べて経費が少ないため、同じ仕様なら比較的安価に施工できる可能性があります。

  • 柔軟な対応力: 経営者との距離が近く、細かな要望や仕様変更にも柔軟に対応してくれることが多いです。

  • 地域の特性に精通: その土地の気候や風土を理解しており、地域に適した材料選びや工法を提案してくれます。

  • 施工技術の高さ: 自社で腕の良い職人を抱えている場合が多く、特に木造建築に関する高い技術力を持つ会社が多いです。

     

【デメリット】

  • 品質や技術力のばらつき: 会社によって技術力や得意分野に大きな差があります。デザイン提案力が乏しい会社もあります。

  • 倒産のリスク: 経営規模が小さいため、大手と比べると倒産のリスクは相対的に高くなります。

  • 保証内容の確認が必要: 保証制度が会社独自のものであることが多く、契約前に内容をしっかり確認する必要があります。

4.1.3:設計事務所のメリット・デメリット

【メリット】

  • 高いデザイン性: 施主のこだわりやライフスタイルを深く理解し、独創的でデザイン性の高い空間を提案してくれます。

  • 中立的な立場: 施工会社とは独立した立場で、施主の代理人として工事を厳しく監理(監理)してくれます。

  • 複雑な条件への対応力: 変形地や狭小地、法規制が厳しい土地など、難しい条件の家づくりを得意とします。

【デメリット】

  • 設計料が別途必要: 工事費とは別に、工事費の10%~15%程度の設計・監理料がかかります。

  • 完成までの時間が長い: 施主との対話を重視し、じっくりと設計を進めるため、トータルの期間が長くなる傾向があります。

  • 施工会社探しが必要: 設計と施工が分離しているため、設計後に施工してくれる工務店を別途探す必要があります(紹介してくれる場合がほとんどです)。

4.2:性能向上リノベーションを任せるべき会社の見極め方

性能向上リノベーションは、一般的なリフォームとは求められるスキルセットが全く異なります。ここでは、本当に信頼できる会社を見極めるための、9つのチェックリストをご紹介します。

4.2.1:【重要】木構造を熟知しているか

性能向上リノベーションの核心は、

木造の軸組を深く理解していることに尽きます。築40年以上の住宅は、現在のプレカット工法とは異なり、大工(棟梁)が木材を手で刻み、木組みによって建てられています。このような建物の構造を正しく見抜き、どこを残し、どこを補強すべきかを判断するには、新築の設計経験だけでは不十分です。

担当者(営業、設計、現場監督)全員が、木構造に関する深い知識と豊富な経験を持っているかは、必ず確認すべき最重要ポイントです。例えば、「増改築.com」の運営会社では、担当するプランナーも20年以上の現場経験者に限定し、現場監督は棟梁経験者のみという徹底した体制を敷いています。 このレベルの専門性こそが、難易度の高い工事を成功に導くのです。

4.2.2:実績の公開方法 – 完成写真だけでなく「工事過程」を見せているか

多くのリフォーム会社のウェブサイトには、美しいビフォーアフター写真が並んでいます。しかし、性能向上リノベーションで本当に重要なのは、

完成後には見えなくなってしまう壁の中や床下の工事過程です。

信頼できる会社は、解体後の建物の状態、基礎補強の様子、耐震金物の設置状況、断熱材の施工精度など、

工事のプロセスを写真付きで詳細に公開しています。これは、自社の技術力に対する自信の表れに他なりません。「どのような工事をすることが必要なのか」というプロセスを正直に見せてくれる会社を選びましょう。

4.2.3:性能を数値で語れるか -「耐震等級」「Ua値」への言及

「地震に強くします」「暖かくします」といった曖昧な言葉だけでなく、「耐震等級3(上部構造評点1.5以上)を目指します」「断熱性能はHEAT20 G2グレード(Ua値0.46以下)を確保します」というように、

具体的な性能目標を数値で示してくれるかを確認しましょう。

これらの数値を達成するために、どのような構造計算や温熱計算を行い、どのような根拠でその補強計画や断熱仕様を提案しているのか。専門的な内容であっても、素人にも分かるように丁寧に説明してくれる会社は信頼できます。性能の「見える化」に積極的に取り組んでいるかが、技術力と思慮深さを測るバロメーターとなります。

 

4.2.4:9つの最終チェックリスト

  1. □ 会社のウェブサイトに、性能向上リノベーションの専門ページや詳細な解説があるか?

  2. □ 施工事例で、解体から構造補強、断熱工事までの「工事過程」を公開しているか?

     
  3. □ 担当者(営業、設計、監督)は、木造の構造に関する専門知識を持っているか?

     
  4. □ 耐震性能について「耐震等級3」「上部構造評点1.5」といった具体的な数値目標を提示してくれるか?

     
     
  5. □ 断熱性能について「HEAT20 G2」「Ua値」といった具体的な数値目標を提示してくれるか?

     
  6. □ 見積書に「基礎補強工事」が明確に記載されているか?(特に旧耐震の場合)

     
  7. □ こちらの不安や疑問に対し、専門用語を避け、分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか?

  8. □ メリットだけでなく、デメリットやリスクについても正直に話してくれるか?

  9. □ アフターサービスや保証の内容が明確で、書面で提示されるか?

これらの項目を一つひとつ確認することで、技術力と誠実さを兼ね備えた、真のプロフェッショナルを見極めることができるはずです。


第5章:一歩先の安心と満足を得るために

一歩先の安心と満足を得るためにのイメージ画像

契約前の最終段階、そして完成後も長く安心して暮らすために、知っておきたいサービスや考え方があります。ここでは、より満足度の高いリノベーションを実現するためのヒントをご紹介します。

5.1:施工事例の賢い見方 – あなたの家に近いケースを探す

施工事例は、その会社のデザインセンスや技術力を知るための宝庫です。ただ漠然と眺めるのではなく、ご自身の状況に近い事例を探してみましょう。

5.1.1:築年数や構造、立地条件で絞り込む

例えば、ご自宅が築50年の木造住宅であれば、同じような築年数の家のリノベーション事例を探します。基礎が無筋コンクリートだったり、壁が土壁だったりする古い家を、どのように再生させているかを見ることで、その会社の技術的な引き出しの多さが分かります。

また、東京のような都市部であれば、「狭小地」「隣家との距離が近い」「ビルトインガレージ」といった、特有の課題を克服した事例は非常に参考になります。例えば、隣家との距離がわずかしかなく、外壁工事が困難な状況を「裏打ち工法」という内部からの施工で解決した事例など、難易度の高い工事の実績は、その会社の対応力の高さを証明しています。

5.1.2:課題と解決策のストーリーを読む

優れた事例紹介は、単にビフォーアフターの写真が並んでいるだけではありません。「お客様は当初、家の傾きに悩んでいた」「セットバックが必要で建て替えを諦めていた」といった**当初の課題(Why)

に対し、会社が「ジャッキアップ工事で傾きを修正した」「基礎を新設することで、建築確認申請を回避しつつ構造を強化した」といった専門的な解決策(How)をどのように提案・実行し、その結果どのような暮らしが実現したか(Result)**というストーリーが語られています。 このストーリーに共感できるかどうかも、会社との相性を見る上で大切なポイントです。

5.2:セカンドオピニオンの重要性 – 契約前の最終確認

医療の世界では一般的になったセカンドオピニオンですが、これは高額な費用がかかるリノベーションにおいても非常に有効です。

5.2.1:なぜセカンドオピニオンが必要なのか

1社の提案だけでは、そのプランや見積もりが本当に最適なのかを客観的に判断するのは困難です。 特に性能向上リノベーションは専門性が高いため、提示された耐震補強計画が過剰(あるいは不足)ではないか、断熱仕様は費用対効果に見合っているかなどを、施主自身が見抜くのは至難の業です。

 

他の専門家の意見を聞くことで、提案内容を多角的に検証でき、より納得して契約に臨むことができます。また、他社の視点が入ることで、思いもよらなかった新しいアイデアや、コストダウンのヒントが得られることもあります。

5.2.2:専門家による図面・見積もりチェックサービス

最近では、「増改築.com」のように、全国対応で

リノベーション専門のセカンドオピニオンサービスを提供する会社も増えてきました。これらのサービスでは、木造改修を熟知した一級建築士などのプロが、現在検討中のプランの図面や見積書を精査し、「この補強計画で本当に耐震等級3が取れるのか」「この断熱仕様で結露は大丈夫か」「見積もりに不要な項目が含まれていないか」などを専門的な視点からチェックし、アドバイスをしてくれます。

 
 

契約という大きな決断を下す前に、一度立ち止まって専門家の第三者的な意見を聞くことは、後悔を防ぐための賢明な投資と言えるでしょう。

5.3:完成後も続く安心 – アフターサービスと保証

リノベーションは、引き渡されたら終わりではありません。そこからが新しい暮らしのスタートであり、長く快適に住み続けるためには、完成後のサポート体制が重要になります。

5.3.1:保証の範囲と期間を確認する

工事に関する保証は、その内容と期間を契約前に必ず書面で確認しましょう。保証には、構造躯体や防水など重要な部分に関する長期の保証と、内装仕上げや設備機器に関する短期の保証があります。会社独自の保証に加えて、「JIOリフォームかし保険」などの第三者機関による保険に加入している会社であれば、万が一その会社が倒産してしまった場合でも保証が受けられるため、より安心です。

5.3.2:定期点検とメンテナンスサポート

完成後、1年、2年、5年、10年といったタイミングで定期点検を実施してくれるかどうかも確認しましょう。専門家の目で定期的にチェックしてもらうことで、不具合の早期発見につながり、住まいの寿命を延ばすことができます。また、急な水漏れや設備の故障といったトラブルの際に、迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかも、会社選びの重要なポイントです。


第6章:予算に応じた賢い選択 – ゾーン断熱改修というアプローチ

第6章:予算に応じた賢い選択 - ゾーン断熱改修というアプローチ

これまで、住まい全体の性能を新築レベル以上に引き上げる、包括的な「性能向上リノベーション」について詳しく解説してまいりました。しかし、「まずは気になる部屋だけでも快適にしたい」「大掛かりな工事は難しいが、ヒートショックのリスクは減らしたい」など、ご予算やライフスタイルに応じて、より柔軟な選択肢を求めるお声も少なくありません。

そのようなニーズにお応えするのが、「ゾーン断熱改修」という考え方です。これは、性能向上リノベーションという大きな枠組みの中の一つの手法であり、生活の中心となるエリアに絞って改修を行う、非常に戦略的なアプローチです。この章では、全体改修との違いを明確にしながら、この賢い選択肢について掘り下げていきます。

6.1:性能向上リノベーション(全体改修)とゾーン断熱改修(部分改修)の比較

家全体の性能を丸ごと向上させるのが「性能向上リノベーション(全体改修)」、一方で、生活の中心となるエリアに絞って、費用を抑えながら快適性を高めるのが「ゾーン断熱改修」です。両者の違いを以下の表にまとめました。

項目 性能向上リノベーション(全体改修) ゾーン断熱改修(部分改修)
目的 家全体の基本性能(断熱・耐震など)を総合的に向上させる 生活の中心エリアの温熱環境を部分的に改善する
施工範囲 家全体(構造躯体から見直すことも多い) 家の一部(LDK、寝室、浴室、1階のみなど)
主な工事 断熱、耐震補強、気密、換気、耐久性向上など 主に断熱、気密(範囲を限定)
コスト 高額になる傾向(1,000万円〜) 比較的安価に抑えられる(数百万円〜)
工期 長期間(数ヶ月〜) 短期間(数週間〜)
メリット ・家中の温度差がなくなり快適 ・高い省エネ効果(光熱費削減) ・ヒートショック等の健康リスク低減 ・耐震性向上による安心感 ・住宅の資産価値向上 ・コストを抑えられる ・工期が短い ・必要な場所から着手できる ・暮らしながらの工事も検討しやすい
デメリット ・コストが高い ・工期が長く、仮住まいが必要な場合も ・非改修部との温度差が残る ・家全体の結露リスクは解消されない ・省エネ効果は限定的

6.2:ゾーン断熱改修が適しているケース

ゾーン断熱改修は、家全体ではなく、生活の中心となる空間(ゾーン)に限定して断熱工事を行うアプローチです。例えば、「日中ほとんどの時間を過ごすLDK」や「ヒートショックが心配な浴室・脱衣所と寝室」など、生活動線を考慮して必要な範囲だけを断熱します。家の中に、まるで魔法瓶のような温かい(または涼しい)空間を作るイメージです。

こんな方におすすめです

  • 💰 予算を抑えて、まずは一部屋から快適にしたい方

  • 🥵 特定の部屋の寒さ・暑さに特に悩んでいる方

  • 👨‍👩‍👧‍👦 両親が住む部屋だけなど、限定的な範囲での改修を考えている方

  • 🏗️ 大掛かりな工事は避け、短期間で効果を実感したい方

6.3:どちらを選ぶべきか?ライフプランに合わせた最適な選択

「全体改修」と「ゾーン断熱改修」、どちらの手法がご自身に適しているかは、あなたのライフスタイル、ご予算、そして住まいの現状によって決まります。

総合的な快適性、家族全員の健康、将来の資産価値までを重視し、ご予算的にも余裕があるのであれば、家全体の性能向上リノベーションが最も満足度の高い選択となるでしょう。

一方で、特定の悩みを低コストかつ短期間で解決したい場合や、将来的に段階的なリフォームを考えている場合には、性能向上リノベーションの一環として「ゾーン断熱改修」から始めるのが、非常に現実的で賢明な選択肢となります。

最も大切なのは、まず専門家にご自宅の状態を正確に診断してもらうことです。どこに断熱上の弱点があるのか、耐震性に問題はないのかをプロの目で確認し、「どのような暮らしを実現したいのか」というご自身の希望を伝える。その上で、最適な改修方法を一緒に見つけていくことが、後悔しないリフォームへの第一歩です。

ゾーン断熱改修について詳しく知りたい方はコチラの下記をクリックしてください。

おわりに

性能向上リノベーションは、単に家を新しくするだけではありません。それは、耐震性という「安心」と、断熱性という「健康・快適」を手に入れ、大切な資産である住まいの価値を未来へと高めていく、極めて戦略的な選択です。

この記事では、その基礎知識から、耐震・断熱の核心技術、費用や流れ、そして最も重要なパートナー選びの基準まで、網羅的に解説してまいりました。情報量が多く、専門的な内容もあったかと存じますが、ここまでお読みいただいたあなたなら、きっとご自身の家づくりにおける「正しいモノサシ」を持つことができたのではないでしょうか。

リフォームは、決して安い買い物ではありません。だからこそ、私たちは、お客様一人ひとりが抱える不安や疑問に真摯に寄り添い、専門家として、そして同じ生活者として、最適な解決策をご提案したいと考えています。

もし、あなたが性能向上リノベーションについて、さらに詳しく知りたい、あるいはご自宅の状況について具体的な相談をしてみたいと思われたなら、ぜひ一度、私たち「水周りリフォーム館」にお声がけください。この記事でご紹介したような、専門知識と豊富な経験を持つスタッフが、あなたの理想の住まいづくりを全力でサポートさせていただきます。

あなたの、そしてご家族の未来が、より安全で、より快適で、より豊かなものになる。その一助となれたなら、これに勝る喜びはありません。


よくある質問(Q&A)

Q1. 築60年以上の古い家でも、性能向上リノベーションは可能ですか?

A1. はい、可能です。むしろ、築年数が経過した旧耐震基準の住宅こそ、性能向上リノベーションの効果を最も実感いただけます。実際に、築60年以上の住宅で、基礎がない状態から新たに基礎を新設し、現行の新築基準を大きく上回る性能へと再生させた事例も数多くあります。 ただし、建物の劣化状況によっては想定以上の補修が必要になる場合もありますので、まずは専門家による詳細な現場調査(インスペクション)を受けることをお勧めします。

 

Q2. 建て替えと性能向上リノベーション、どちらが良いか迷っています。

A2. これは非常に多くの方が悩まれる点です。判断のポイントはいくつかあります。 まず**「法規制」

です。現在の建築基準法では、敷地が接する道路の幅が4m未満の場合、道路の中心線から2m後退(セットバック)して家を建てなければなりません。建て替えの場合、この規制により現在の家より建築面積が狭くなってしまうことがありますが、リノベーションであれば既存の面積を維持できます。

次に

「費用」です。前述の通り、一般的には新築の約2/3の費用で同等以上の性能が実現できるリノベーションの方がコストメリットは高い傾向にあります。

最後に「想い」です。ご家族が長年暮らしてきた家の柱や梁を残したい、という想いも大切な判断基準です。 これらの要素を総合的に考慮し、専門家と相談しながら、ご自身にとって最適な選択をされるのが良いでしょう。

Q3. ローンは利用できますか?

A3. はい、利用可能です。リフォーム専用の「リフォームローン」のほか、条件によっては住宅ローンを利用できる場合もあります。特に、中古物件を購入してリノベーションを行う「一体型ローン」は、住宅購入費用とリノベーション費用をまとめて低い金利で借り入れできるメリットがあります。金融機関によって商品内容や審査基準が異なりますので、リフォーム会社や金融機関にご相談ください。

Q4. 東京都在住ですが、利用できる補助金制度はありますか?

A4. はい、東京都では耐震化や省エネ化を促進するため、様々な補助金・助成金制度が用意されています。例えば、旧耐震基準の木造住宅に対する耐震改修費用の助成や、高性能な断熱材や窓の導入に対する補助などがあります。これらの制度は、お住まいの区市町村によって内容が異なる場合や、年度ごとに予算が設けられているため、計画の早い段階で自治体の担当窓口やリフォーム会社に確認することをお勧めします。

補助金について詳しく知りた方はコチラをご覧ください。

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