お風呂が寒くなる原因とは?おすすめの寒さ対策やグッズを紹介します!
更新日:2023.1.17
「お風呂が寒くて入る気が起きない……」と思ったことがある方は、少なからずいるでしょう。
また、そのまま我慢して入り続けると、ヒートショックを引き起こして命の危険に結びつく可能性もあります。
お風呂の寒さは放っておかずに、早めに対策を取らなければなりません。
今回は、浴室が寒くなる原因やヒートショックが起きる条件、ご自身でできる寒さ対策についてまとめました。
断熱性を高めるリフォームについてもご紹介するので、ご自宅に合う方法でヒートショックのリスクを軽減し、安心して入浴できる浴室にしてくださいね。
1.お風呂が寒い場合の3つの原因
2.お風呂の寒さは危険がいっぱい
3.【場所別】お風呂場の寒さ対策
4.改善しない場合にはリフォームを検討しましょう!
5.お風呂場のリフォーム事例
6.まとめ
1.お風呂が寒い場合の3つの原因
最初にお風呂が寒くなってしまう原因を見てみましょう。
床材の種類や日当たり、通気性による影響が考えられます。
1-1.お風呂場の床材の影響
お風呂場の寒さの感じ方は、床材の種類によって変わります。
タイルは在来工法を中心にお風呂場に使用されることが多く、冷たさを感じる床材のひとつ。
熱が伝わりやすい特徴があるため、特に冬場は外気によって冷やされてしまいます。
お風呂場に入った瞬間、冷たいタイルに素足で触れると、一気に足元から寒さを感じてしまうでしょう。
冷たくなりづらい床材にすることで、改善できるケースが多いです。
1-2.お風呂場の日当たり
お風呂場が寒い原因のひとつに、日当たりの良し悪しも挙げられます。
お風呂場の日当たりが悪いと日中に浴室内の空気が温まらないため、入浴時に寒さを感じやすいのです。
もし、浴室の寒さが気になるなら、北側にお風呂場が配置されている可能性が高いでしょう。
1-3.お風呂場の通気性
お風呂場の通気性がよい場合も、寒さがつらく感じるかもしれません。
カビの発生を防ぐために、24時間換気の機能があるユニットバスや窓が設置された浴室も多数見られます。
空気の出入りが多い分、冷気も入ってきやすいため、冬場はひんやり感じやすいのです。
2.お風呂場の寒さは危険がいっぱい!
お風呂場の寒さを放っておくとヒートショックを引き起こしてしまい、最悪の場合には死に至る可能性もあります。
ここでは、ヒートショックが起きる原因や特に注意すべき人の特徴について解説しました。
2-1.ヒートショックが起きる原因とは?
ヒートショックとは急な温度差により、血圧が大きく変動することで体調不良を引き起こすものです。
たとえば、暖かい部屋から寒い脱衣所・浴室へ入ると体が一気に冷え、血圧が急上昇します。
その状態で熱いシャワーを浴びたり湯船に浸かったりすると、今度は血管が膨張して血圧が急激に下がるのです。
このような急な血圧の変動を短期間に繰り返すと、心臓や血管に大きな負担がかかり、めまいや立ちくらみが起きてしまいます。
また、ヒートショックにより浴室内で転倒や失神を引き起こし、命の危険に結びつくことも。
消費者庁の調査によると、現に2019年には約4,900人もの方が浴槽内で亡くなっているため、ヒートショックは侮れないものです。
2-2.ヒートショックを起こしやすい人とは?
若くてもヒートショックになる可能性は十分にあります。
しかし、特に注意していただきたいのは高齢者や心臓疾患、糖尿病などの持病がある方です。
また、年齢問わずに熱いお風呂や一番風呂がお好きな方、食事や飲酒の後に入浴する方もヒートショックのリスクが高いでしょう。
「高齢者だけが引き起こすもの」と思い込んでしまうのは非常に危険です。
3.【場所別】お風呂場の寒さ対策
ヒートショックのリスクを軽減するためにも、お風呂場の寒さ対策を知っておきましょう。
誰でも簡単に実施できる方法を浴室の場所別にまとめました。
3-1.お風呂場全体での寒さ対策
入浴前のひと手間で、簡単にお風呂場全体を温めることが可能です。
たとえば以下のような方法は、今日から実践できるでしょう。
・お湯が溜まった浴槽のフタを開けて浴室を温める
・入浴前にシャワーでお湯を撒いておく
・浴室の扉を開けて脱衣所と一緒にヒーターや電気ストーブで温める
お風呂場に入る前には、浴槽内のお湯やシャワーの蒸気を利用して温めてみましょう。
脱衣所の寒さが気になる方は、ヒーターや電気ストーブの利用がおすすめ。
また、お風呂全体を温めること以外にも、お風呂の温度は41度以下に設定する・浴槽に入る前にかけ湯をするなども意識して取り入れてみてください。
3-2.お風呂場の床の寒さ対策
「お風呂場の床が冷たい」とお悩みなら、浴室の洗い場用のマットを敷く方法も試してみてください。
畳タイプの浴室マットやたためるマットなど、ホームセンターもしくはネットショッピングで購入できます。
3,000~5,000円と比較的リーズナブルな価格なので、気軽に取り入れやすいでしょう。
ただし、濡れたまま放置するとカビが発生する恐れがあるため、こまめに干す手間はかかります。
できるだけ水はけに優れた商品を選ぶのが理想的です。
3-3.お風呂場の窓の寒さ対策
お風呂の窓からの冷気を防ぐことも効果的な対策です。
たとえば、窓に張る「断熱シート」や「プチプチ」と呼ばれる気泡緩衝材を利用する方法は、手軽に取り入れやすいでしょう。
気泡緩衝材は安価で手に入りますが、ずっと同じものを使いまわすと雑菌やカビが発生する可能性があります。
2週間ごとに新しいものに取り替えるように注意してください。
他にも、窓枠に突っ張り棒を設置してシャワーカーテンを付けるのも、冷気の侵入を抑える効果が期待できます。
4.改善しない場合にはリフォームを検討しましょう!
在来工法などの古いお風呂では、ご紹介した寒さ対策で改善しない場合もあります。
そんなときは、お風呂のリフォームを検討してみましょう。
浴室の壁に断熱材を入れたり、二重窓にしたりするリフォームが効果的です。
4-1.お風呂場の床材リフォーム
お風呂場の床が冷たい場合は、ひんやりとしない床材にするリフォームが有効。
一般的な浴室の広さ0.75坪の場合、工事費を含む費用相場は以下の通りです。
床材 | 費用相場 |
床シート | 5~15万円 |
樹脂床材 | 5万円前後 |
FPR素材 | 10万円前後 |
タイル床材 | 10万円前後 |
木材 | 15万円前後 |
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
浴室用の床シートを用いたリフォームは、上から張り付けるだけと簡単な施工のため、リーズナブルな価格で行えます。
また、冷たい印象の強いタイルですが、保温性があるタイプを選べば、お風呂場の寒さは改善されるでしょう。
扱う床材のグレードや施工範囲、浴室の状況によって価格は左右されるので、目安として参考にしてみてください。
4-2.お風呂場に断熱材を入れるリフォーム
お風呂場の壁や天井、床下に断熱材を入れるリフォームも寒さ対策のひとつです。
断熱材は熱の伝わりを断つ材料のことで、繊維系や発泡プラスチック系などがあります。
住宅の状況次第で断熱材を入れると効果的な箇所は異なりますが、費用相場は以下の通りです。
断熱材を入れる箇所 | 費用相場(1平方メートルあたり) |
天井 | 4,000~8,000円 |
床下 | 7,000円前後 |
外壁 | 1~3万円 |
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
1階建ての戸建て住宅では、お風呂の天井部分が屋根であることが多いため、壁や床だけでなく天井にも断熱材を入れると効果的です。
床や壁など全体が断熱材に包まれると、寒さが感じにくいお風呂場になるでしょう。
4-3.窓の断熱性能を上げる
お風呂場の寒さを改善するためには、窓の断熱性能を上げるリフォームも効果的です。
冷たくなりづらい床に変えたり断熱材を入れたりしても、窓のすき間から冷気が侵入すると、浴室内の気温が下がってしまいます。
その場合は、問題のある窓のリフォームが必要です。
たとえば、内窓を新設して二重窓にする、もしくは複層ガラス(ペアガラス)に交換する方法がおすすめ。
それぞれにかかる費用は以下を参考にしてみてください。
施工方法 | 費用相場 |
二重窓にする | 約4~10万円 |
複層ガラスにする | 約3~15万円 |
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
断熱材を入れるリフォームや、在来工法の浴室からユニットバスへの変更を実施する際に、あわせて行うと寒さ知らずのお風呂場になるでしょう。
4-4.お風呂場全体をフルリフォーム
昔ながらのタイル張り浴室を使っているのなら、ユニットバスへのリフォームがおすすめです。
在来工法の浴室は断熱材が入っていないなど、寒さ対策がとられていないケースも珍しくありません。
ユニットバスであれば、床が温かくなる機能、および浴室全体が保温材に囲まれている設計が採用されているタイプもあります。
また、浴室換気乾燥暖房機が付いている商品もあるため、機能が優れたユニットバスに変更するだけで寒さ対策はばっちりです。
もし、ユニットバスを利用中の方で寒さを感じる場合も、断熱性に優れたタイプに入れ替えてもよいでしょう。
施工方法 | 費用相場 |
在来工法からユニットバス | 65~150万円 |
ユニットバスからユニットバス | 60~110万円 |
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
リフォーム費用の価格はユニットバスのグレードによって変動するので、目安として参考にしてくださいね。
5.お風呂場のリフォーム事例
ここからは、お風呂場の寒さにお悩みのお客様からご依頼いただいた事例をご紹介します。
断熱性を高めるリフォームの詳しい施工方法や費用、工事期間の参考にしてみてください。
事例①タイル張りの在来工法からユニットバスへリフォーム
築50年の住宅にお住いのお客様は、浴室の寒さと入り口の段差に悩んでいらっしゃいました。
タイル張りの在来工法浴室から、TOTOのユニットバス「サザナ」へのリフォームを実施。
浴室換気乾燥暖房機も設置して、寒さ対策を行いました。
また、ユニットバスにすることで段差も解消し、転倒のリスクが軽減されたお風呂場になっています。
価格 | 105万円(税込) |
家屋形態 | 一戸建て |
築年数 | 築50年 |
工事期間 | 5日間 |
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
事例②断熱材を入れて窓も2重サッシに!寒さ対策を徹底
寒さを感じる在来工法浴室のため、ユニットバスへのリフォームを実施。
あわせて天井や壁、床に断熱材を仕込み、窓も2重サッシにしました。
また、窓のサイズも少し小さくしたり浴室換気乾燥暖房機を設置したり、寒さ対策を徹底しました。
価格 | 120万円(税込) |
家屋形態 | 一戸建て |
築年数 | 築25年前後 |
工事期間 | 8日間 |
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
事例③ユニットバスへの変更で足元の冷たさから解放!
大阪府にお住いのお客様からは、50年間使い続けてきたタイル張り浴室のリフォームをご依頼いただきました。
足元の冷たさを改善してほしいとのご要望から、TOTOのユニットバス「サザナ」をご提案。
サザナの「ほっカラリ床」は、2つの層で冷気をシャットダウンするので、足元の冷えは気になりません。
リフォーム完了後、温かくて柔らかい床が気に入ったとコメントをいただいております。
価格 | 98万円(税込) |
家屋形態 | 一戸建て |
築年数 | 築50年 |
工事期間 | 5日間 |
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6.まとめ
今回は、浴室が寒くなる原因やヒートショックが起きる条件、ご自身でできる寒さ対策などについてお伝えしました。
ヒートショックは高齢者に限らず、若い方にも起こる可能性があり、最悪の場合には命の危険に結びつくことも。
早めに寒さ対策を講じて、安心して入浴できるお風呂にしましょう。
水周りリフォーム館ではご紹介した通り、断熱性を高める浴室リフォームの実績もありますので、お気軽にお問い合わせください。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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