キッチンを無垢材(ウッドワン)でリフォームするメリットや施工事例を紹介!
更新日:2023.1.17
自然であることにこだわりを持ち、自然な空間を善とする考え方が広まっています。無機質な家から自然の温かみを感じさせる家にすることは、お子さんがいる家庭においては情操教育にもつながります。
今回ご紹介するのはキッチンを無垢材でリフォームするケースについて。ウッドワンなどに代表される無垢材を活用したキッチンのリフォームにおけるメリットや注意点、そしてウッドワンのキッチンシリーズの特徴をまとめました。
1.キッチンを無垢材(ウッドワン)にするメリット
2.キッチンを無垢材(ウッドワン)にした際の注意点
3.WOODONEキッチンシリーズの特徴
4.WOODONEキッチンへのリフォーム費用や工数
5.WOODONEキッチンのリフォーム事例
6.まとめ
1.キッチンを無垢材(ウッドワン)にするメリット
キッチンを無垢材にする場合、どんなメリットを得ることができるのか、無垢材のメリットをご紹介します。
1-1.木材ならではの経年変化
木材は太陽光からの日焼けや酸化などを理由とし、最初の色から変化していきます。日焼けでの変色は一見するとネガティブな出来事ですが、木材に関してはむしろ日焼けなどでの変色はより味わいを引き立たせるという点でプラスです。
元々の無垢材が持っていた味わいが経年変化で渋くなり、よりシックに。イメージとしては世間に揉まれた若い男性が段々と渋い大人の男に変化するようなイメージ。この色合いの変化が長い時間をかけて行われるため、よりキッチンをかっこいいものへとさせるでしょう。
1-2.無垢材ならではの調湿機能
無垢材には調湿機能があり、湿度が高ければ湿気を吸収する、乾燥していればそれを吐き出すことをしてくれます。水回りはただでさえ湿気が多く、換気をしても残ってしまうこともあります。無垢材があればこれを吸収し、換気を行う日中に吐き出せれば完璧です。
キッチンのスペースにもよりますが、無垢材を多く活用していれば、それだけ多くの湿気を吸収し、時に吐き出してくれます。室内の湿度は常に一定に保たれやすく、乾燥した日が続けば別ですが、おおむね空気が乾燥した状態を避けることが可能です。
1-2.無垢材の肌触り
無垢材をリフォームで導入する際に一番期待されるのは肌触りの部分。無垢材には温度変化が起きにくいという要素があり、冬場でも無垢材の上に足を置いてもヒヤッとしにくく、長い時間同じ場所に滞在し続ければ、ほんのりと温かくなります。肌触りの良さにも通じる部分です。
また靴下を履かずに歩いてもペタペタとした感覚になりにくいのも無垢材のいいところ。ゆえにお子さんが地べたに座るところを無垢材にして、無垢材の温かみを感じ取ってもらうことを考えて、フローリングを無垢材にするケースも見られます。
こうした肌触りはキッチンに置き換えても同じで、見た目の温かみ、実際に触って感じる温度など無機質なキッチンでは到底感じることのできない癒しにつながるでしょう。
2.キッチンを無垢材(ウッドワン)にした際の注意点
さて、キッチンを無垢材にするメリットも色々ありましたが、導入した際に注意しなければならないポイントもいくつかあります。
ここではキッチンを無垢材にした場合の注意点についてご紹介します。
2-1.基本的には乾拭きをする
いくら無垢材に調湿機能があるとはいえ、水をこぼしたらそれを吸収してくれるから問題ない!というわけにはいきません。確かに無垢材は水分を吸収します。しかし、吸収するといっても限度があるため、あまりにもたくさんの水をこぼし、それを放置すれば、無垢材にシミができてしまいます。
またさらに放置すれば、無垢材にカビが生えてしまい、経年変化で長年渋くなってきた色味が台無しになります。特にキッチンは何かと水を使い、水がこぼれている、付着していることを気付かないことも。これでは、無垢材に負担をかけます。
もしキッチンを掃除する場合は基本的に乾拭きを行って掃除をしましょう。そして、水をこぼしてもすぐさま乾いたタオルでふき取ることで水ジミをできるだけ作らずに済みます。一番やってはいけないことは水をそのまま放置すること。水を色々使った場合は念入りに乾拭きをしておくのが無難です。
2-2.水拭きする際は固く絞った雑巾
基本的には乾拭きでいいといっても、時に汚れが目立つケースも。その場合では乾拭きではなかなか汚れは落とせません。かといって、水で濡らしてベタベタな状態で拭いても、汚れはとれるでしょうが、先ほどの懸念が浮上します。
水拭きしないといけない場合、できるだけ雑巾や使い古しのタオルを水に濡らして、ギュッと固く絞ってから拭いていきましょう。これなら水分は適度に含まれる程度となり、汚れを落とすだけ落とし、水分の影響を最小限にとどめることができます。
乾拭きだけでは2ヵ月もすれば表面部分がザラつき、肌触りも当初の頃と比べると落ちてきます。そして、換気を行えるような、空気も程ほどに乾いた晴天の日を目安に水拭きを行うことで、上手く水分を飛ばすことができ、水分の影響を最小限に食い止められます。
2-3.隙間に詰まった汚れや埃は爪楊枝で掻き出す
生活をしていく中で汚れを出さないように気を遣っても、どうしても汚れやホコリは避けきれず、無垢材で作られたキッチン、床には隙間に汚れやホコリなどが詰まってしまいます。どれだけ気を配っていても、この手の汚れは決して避けることはできないため、定期的に対処をする必要があるでしょう。
隙間に詰まった汚れやホコリに関しては爪楊枝で掻き出すのがおすすめです。爪楊枝は隙間にも入りやすく、木で出来ているので、無垢材をそこまで傷つけることなく隙間に入れられるでしょう。
最近はロボット掃除機なども登場し、毎日掃除を行うご家庭も少なくありませんが、ロボット掃除機だけでは隅々の汚れは落としきれません。むしろ、無垢材とロボット掃除機は場合によっては相性が合わず、何かしらのトラブルを招くことも。
キッチンを無垢材にする場合、できるだけ汚さないように日々を過ごしたとしても蓄積された汚れは出てくるので、定期的に対応することをおすすめします。
3.WOODONEキッチンシリーズの特徴
ここからはWOODONEキッチンシリーズに名を連ねる商品についてご紹介します。それぞれの商品にどんな特徴があるのか、注目です。
3-1.su:iji
su:iji(スイージー)は、無垢材を使用するほか、キッチンとしての利便性やコーディネートまでを兼ね揃えたキッチンです。
油ハネなど毎日使う上で生じやすい汚れも、乾拭きや水拭きでサッと拭くだけでシミにならずに済むほか、汚れが多少酷かった場合でも、中性洗剤を含ませて拭き取ればきれいに誓い続けることができます。
ラインナップはニュージーパイン、オーク、ウォールナット、メープルの4種類でそれぞれに色味が異なり、それぞれに味わいがあります。また無垢材と組み合わせるカラーバリエーションも5つ用意しているため、部屋の雰囲気に合わせてキッチンをプロデュースできるのが特徴的です。
3-2.FRAME KITCHEN
FRAME KITCHENは、パーツを最小限にしてスッキリさせ、無垢材とステンレス、鉄のみで構成されたキッチンです。
独立ユニットと連結ユニットの組み合わせで作り上げることができ、キッチンの広さや部屋のサイズに応じてお気に入りのキッチンを組み立てていくことが可能です。無垢材をうまく活用しつつ、都会的な暮らしにフィットさせていくスタイルは、無垢材の新しい活用法につながっています。
最大の特徴は、フレームで作られている分、収納スペースを自由に活用できる点です。一般的なキッチンの扉ではなく、その家にとっての効果的な収納が行えるため、より利便性の高いキッチンに仕立てていくこともできます。
3-3.ちっちゃいsu:iji
ちっちゃいsu:ijiは、その名の通り、スモールサイズのキッチンです。システムキッチンなどは広いスペースがあるからできるのであって、狭いマンションではできない…と諦めていた方におすすめです。
築年数が経過し、水回りリフォームが必要なご家庭は多く、マンションや一戸建てだけでなく、魅力ある賃貸物件にしたいマンション・アパートのオーナーの方にもうってつけ。機能性はsu:ijiと同じく、機能性を保ちつつコンパクトにした他、お手入れの手軽さもsu:ijiと変わらず。
サイズごとにおすすめのプランが用意されており、キッチンのスペースに合わせる形で自分たちに見合ったものを設置できるのが一番の特徴です。
3-4.su:iji select pack
su:iji select packは、su:ijiをより特別にさせたタイプのキッチンです。su:ijiは無垢材やコーディネートカラーなど色々な組み合わせができましたが、su:iji select packの場合は扉の色、取っ手の形など、1つ1つのパーツ、カラーを選べるのが大きな特徴と言えます。
シンクに関しても2022年に人工大理石を活用したシンクが新たに登場するなど、それぞれのパーツもバージョンアップ。
食器洗い洗濯機なども取り付けられるほか、su:ijiシリーズのお手入れの簡単さも当然継承され、無垢材のキッチンを徹底的にこだわりたい方におすすめです。
3-5.SA, SA-Light
SA, SA-Lightは、無垢材の色味は欲しいけれど、キッチンの機能性を優先させたい人におすすめのキッチンです。
ウッドワンだからこそ忠実に再現できる無垢材の色味や木目のシートをつけて、無垢材を活用したキッチンのように見せることができます。もちろんキッチンとしての機能が充実しており、開き戸はソフトクローズ機能を使用しているので、勢いよく扉が閉まることがありません。
環境的に無垢材のお手入れが厳しいものの、木目調のシステムキッチンにしたいという方はSA, SA-Lightがぴったりです。
4.WOODONEキッチンへのリフォーム費用や工数
WOODONEのキッチンを使ってリフォームを行う場合、費用や工数はどうなるのか、それぞれのキッチンに関するおおまかな費用や工数をご紹介します。
4-1.su:iji
su:ijiは、キッチンの本体と設備の費用で左右されるため、何を設置するかでキッチン全体のリフォーム費用は変わります。このため、費用は一番安いケースで取り換え工事の費用を含めてだいたい60万円、70万円のレベルで抑えられるケースもあれば100万円を大きく超えて、200万円に迫るケースもあります。
リフォームに必要とする工期はだいたい数日から1週間程度で、こちらもキッチンの規模に応じて変化します。壁を取り払うような工事を行うと全体で数週間に及ぶケースもありますが、壁をさほど壊さずに済むケースであれば1週間もあれば十分です。
4-2.FRAME KITCHEN
FRAME KITCHENはこちらも規模で左右されますが、値段的にはsu:ijとさほど変わらない費用に収まりやすいです。対面タイプだと高くなるのはsu:ijiと同じですが、設備がつかない分、安く抑えられることは可能です。
こちらも工事期間はsu:ijiとあまり変わらず、数日から1週間、場合によってそれ以上といったところで、こだわればこだわるほど長くなるイメージでいいでしょう。特にFRAME KITCHENはこだわりが入りやすいため、何を設置するかで左右しやすいです。
4-3.ちっちゃいsu:iji
ちっちゃいsu:ijiはsu:ijiのコンパクトサイズとなるため、費用的にはsu:ijiよりも安くなりやすく、場合によっては40万円程度で済むほか、100万円でなんとか事足りるような形になりやすいです。スペースが限られるため、設備を詰め込むにも取捨選択があるため、無尽蔵に高くなりにくいのもポイントに。
工期ですが、広さ次第ではわずか2日で終わることもあるなど、su:ijiと比べるとそこまで時間はかかりません。コンパクトなリフォームを考えている人にとって工期も費用もそこまでかからないのは魅力的です。
4-4.su:iji select pack
su:iji select packは色々とチョイスするのが面倒な人向けにも用意されているため、1つのパッケージとして用意されたものから多少アレンジできる形で選ぶことになります。費用的には設置を入れて60万円、70万円に収まることから、そこまでこだわりがない人にとってはこれでも十分です。
一応su:ijiの工事となるため、工期はsu:ijiに準拠し、数日ないしは1週間、場合によってはそれ以上となるでしょう。
4-5.SA, SA-Light
SA, SA-Lightは無垢材そのものを使っているわけではない分、費用は抑えられます。工事費用なども含めればだいたい50万円程度、高くても100万円に届くかどうかという目安でいいでしょう。グレードを落とした分、全体の費用も抑えられます。
工期に関してはこちらも一般的な工期と大きく変わらず、数日ないし1週間といったところになるでしょう。
5.WOODONEキッチンのリフォーム事例
ここからはWOODONEのキッチンを使って実際にリフォームを行った事例について、1つずつご紹介します。
5-1.su:iji
築年数25年、弟さんのリフォームを契機に自分たちもリフォームをしようと決意したお客様。全体的にリフォームを行う中でキッチンもsu:ijiへ切り替え。リビングが閉鎖的だったため、それを開放的にするため、オープンキッチンへ。
部屋全体がフローリングで開放的な空間になるため、それに合わせてsu:ijiもアレンジ。工事期間はおよそ5日間、キッチンに要したリフォーム費用は120万円ですが、部屋全体を大規模にリフォームをすることを考えると妥当な工事期間、費用となります。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-2.FRAME KITCHEN
元々は3LDKだったところを、1LDKにする分、広めのウォークインクローゼットなどを設置するリフォームを行ったお客様。リビングの一角をキッチンとし、FRAME KITCHENを活用することで開放感をそのままにし、無垢材の温かみを利用してキッチンとは思えない雰囲気を醸し出すことに成功します。
全体の工事費用は800万円ですが、かなりのリフォームを行っており、キッチンだけのリフォーム費用はこの1割程度か少し高い程度と予想されます。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-3.ちっちゃいsu:iji
大きいキッチンではなく、使い勝手が良くてコンパクトなものがいいという考えを持っていたお客様。su:ijiの機能を残しつつ、コンパクトバージョンのちっちゃいsu:ijiが最適。タイルに工夫を凝らし、白いタイルと青いドア、無垢材の淡いカラーがマッチしており、おしゃれさが引き立っています。
リフォーム費用は非公開となっていますが、キッチンサイズはW1950となっており、費用的にも十分リーズナブルな形になったのではないでしょうか。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-4.su:iji select pack
自分たちで家を建てた方の事例ですが、本来なら高い無垢材を安く手にできるセレクトパックの良さを知り、購入。多少のアレンジを行い、費用的には高くなったものの、それでも納得のいく仕上がりになっています。
アレンジも多少であればでき、その費用を合わせるとプラス10万円ほど。よりお得に無垢材のキッチンを手にしたい方にはおすすめです。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-5.SA, SA-Light
オープンなキッチンにし、カウンターもこだわりたいというお客様。元々あった6畳の和室を狭くする分、内装にもこだわりを持たせたのが特徴的。見た目にスッキリとしたキッチンはとても開放感があるほか、ウッドワンの集成材を加工して作ったカウンターも見どころです。
全体で170万円ほどのリフォーム費用ですが、壁を壊すなどの工事があったことを考えればリーズナブルと言えるのではないでしょうか。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6.まとめ
今回はキッチンを無垢材のキッチンにリフォームする場合についてメリットなどをご紹介してきました。
無垢材は高いと思われていますが、実際はリーズナブルな値段でリフォームが行えるため、リフォームを検討している方は無垢材のキッチンも候補に入れてみてはいかがでしょうか。
まずはショールームなどに足を運び、無垢材のキッチンに触れてみることをおすすめします。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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