水回りリフォームパックとは?費用相場や注意点を紹介!
更新日:2023.5.26
自分が住む家だからこそ、できるだけきれいに使いたいと考えるのが一般的な考え方と言えるでしょう。しかしながら、どれだけ気を付けて、日々掃除を行っていたとしても目に見えて劣化を感じさせる個所も多く出てきます。特に顕著に感じられるのが水回り全般です。
この水回りの劣化を改善させるためにリフォーム業者などがサービスとして用意しているのが「水回りリフォームパック」です。水回りリフォームパックとはどのような代物なのか、その中身や費用、実際に施工事例などをご紹介します。
<目次>
1.水回りリフォームパックとは?
2.水回りリフォームパックの費用相場
3.水回りリフォームパックを利用する際の注意点
4.良心的なリフォーム業者を選ぶコツ
5.水回りリフォームの施工事例
6.まとめ
1.水回りリフォームパックとは?
そもそも水回りリフォームパックとはどのようなものなのか、その内容について詳しくご紹介します。
1-1.水回りリフォームパックの内容
水回りリフォームパックには3点セットもしくは4点セットがあり、3点か4点かに関してリフォーム業者各社で若干の違いはありますが、おおむね4点セットが目立ちます。この場合の4点セットとは、「キッチン」、「お風呂」、「洗面台」、「トイレ」といった水回りの代表的な場所をカバーしたものになっています。
キッチンならキッチン、お風呂ならお風呂と1つ1つでリフォームを行うことも当然できますが、1つ1つでリフォームを行うよりも4点セットにすることでリーズナブルにリフォームが行えます。しかも、一気にリフォームが行えるので煩わしさもなくなります。それもあって、水回りリフォームパックをリフォーム業者各社が用意し、サービスの提供を行っている状況です。
この4点セットはすべて同じメーカーで揃えるタイプがあり、例えば「すべてパナソニックで統一したものでリフォームを行う」ということができます。もちろん値段最優先でバラバラにしているケースも。そして、4点セットで契約をしたら、各設備でランクを高めることができると紹介し、それを売りにする業者もあります。
2-2.水回りリフォームパックが安い理由
品質にこだわりながら4点セットにまとめてリーズナブルを売りにする業者もあれば、とにかく安さだけをピックアップし、本来もっとかかるリフォームが水回りリフォームセットで行えば一気に費用を圧縮できると力強く主張する業者も存在します。気になるのは、なぜそこまで安くすることができるのかです。
1つ目の要因は特定の設備を大量に用意するため、仕入れ値が抑えられる点です。水回りリフォームパックなので常に同じ4点を用意しておけばよく、前もって大量にすれば仕入れ値をある程度抑えられます。仕入れ値が抑えられるということは業者がいつも設定する利益分を反映させたとしても、総額はある程度抑えられるため、安く感じるというわけです。
もう1つの要因は1回でリフォームが終わる点です。例えば、1回1回別の設備でリフォームを行えば、その都度業者が足を運んで工事を行うので、人件費がその時々でかかります。しかし、一気にリフォームを行えば工事はその時限りとなるので、人件費も無駄にかかりません。
もちろん、工事件数を確保するため、業者側が利益を多少削ってサービスしているケースもあります。いずれにしても複合的な要因により、水回りリフォームパックは安い値段で利用することができるのです。
2.水回りリフォームパックの費用相場
水回りリフォームパックは複合的な要因で安いということをご紹介しましたが、ここからは3点セット・4点セット、それぞれ費用はいくらぐらいかかるものなのか、それぞれの費用相場をまとめました。
2-1.3点セットの費用相場
水回りリフォームパックにおける3点セットとは、キッチン・お風呂・洗面台・トイレの内の3点となります。
最も多いセットとしては「キッチン・お風呂・洗面台3点パック」です。
この3点セットのおおまかな費用相場は一戸建てで180万円位から、マンションだと15万円ほど安くなります。
工事費も込みで価格設定している場合が多いのですが、古いお風呂やキッチンの設置状況によって工事費に幅があり、難しい設置状況だと追加料金がかかる場合もあります。
3点セットには他にも組み合わせがありますが、キッチン・お風呂はおおむね高くなりやすく、洗面台やトイレはある程度価格は抑えられています。
2-2.4点セットの費用相場
一方、4点セットの場合はおおむね210万円から見ておいた方がいいでしょう。キッチンとお風呂に費用がかかるため、ベーシックなプランでも200万円前後になってしまいます。グレードを高くすれば300万円を大幅に超えることもありますが、サービスで別の工事もしてくれるなど、サービスで値段をカバーするケースも見られます。
ある業者はお風呂のリフォームのついでに浴室暖房機をプレゼントし、その工事を無料で行うほか、ドア枠や窓枠もこの機会に工事してくれるなど、何かしらの特典を用意している業者もあります。
できる限り安く済ませたいと思う方、そして、どうせリフォームをするなら1度にリフォームを行いたい方、それぞれの思惑を実現させるようなプランを考える業者が多く、これらの費用に関しては複数の業者で比較検討を行うのが理想と言えます。
3.水回りリフォームパックを利用する際の注意点
何かとお得が多いと思われている水回りリフォームパックですが、悪だくみを働く業者がいるように、「安いからすぐにお願いしよう!」と軽はずみに決めるのは良くありません。ここでは実際に水回りリフォームパックを利用する際に気を付けるべきポイントをまとめました。
3-1.リフォーム範囲が事前に決められている
水回りリフォームパックはあくまでも「水回り」に特化したサービスなので、例えば、「水回り以外の場所も困っているので、ついでに見てもらえないか」と注文をしても、リフォームパックの範囲外ということで受け付けてもらえず、別途料金がかかってしまうことがあります。
柔軟性に欠けるという指摘もありますが、一方で水回りに特化するなど企業努力を行って作り出されたサービスであるため、範囲外の工事は受け付けられないのはある種当然の対応と言えます。もしもリフォームパックの範囲外において、少し気になる設備などがある場合はリフォームパックではない形で依頼を出すのが確実です。
また水回りに関してはリフォームパックで工事を行い、それ以外に関して別の業者に依頼を出すというのも1つの考え方です。いずれにしても水回りリフォームパックは水回りに特化しているため、範囲が決まっていることがネックになることもあり得ます。
3-2.メーカーを選ぶことができない
お風呂やキッチン、洗面台、トイレとそれぞれにメーカーがあり、人によってはこれまで使ってきたこだわりなどもあるでしょうから、今更別のメーカーは使えないと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、水回りリフォームパックにおいてはこうしたお客さんの要望は受け入れられないことも多いです。なぜなら業者ごとに得意とするメーカーがあり、つまり安く仕入れるために日頃から特定のメーカーに大量発注をかけているため、他のメーカー商品ではその価格で出すことはできないということがあるからです。特定のメーカーで統一する所が目立つのは、すべてを同じメーカーにして仕入れた方が安くなるからです。
もしも自分でメーカーを選びたい場合は水回りリフォームパックを利用しないか、最初から希望のメーカーを得意としているリフォーム業者を選ぶ方がいいでしょう。いずれにしても、自由にメーカーを選ぶことができないのは時にデメリットになると考えられます。
4.良心的なリフォーム業者を選ぶコツ
水回りリフォームパックを提供するリフォーム業者は、ただ安いだけの業者もいれば、実力を伴った素晴らしい業者も存在します。この両者を見極めるにはどのようなポイントを持ってチェックすればいいのか、大きく分けて3つのコツをご紹介します。
4-1.口コミ評価を確認する
まず1つ目はリフォーム業者の口コミ・評価を確認することです。元々人の噂話は悪い情報程広がりやすく、いい情報はジワジワとしか広がらない傾向にあります。ネット上の口コミはその傾向がかなり強化されており、「あの業者は最悪!」とか「あんな悪徳業者に騙されないで!」など正義感も相まってネガティブな情報が広まりやすいです。
そのため、悪徳業者を見抜くのは意外とわかりやすく、全体的にネガティブな口コミが載っている場合は避けた方がいいでしょう。良心的なリフォーム業者を口コミで見極めるには、より具体的に口コミが書かれているかどうかがポイントになります。
具体性がある口コミは実際にリフォームパックを依頼した人物が書き込んでいる可能性が高く、サクラではなく、実際の意見、感謝の気持ちであると考えられます。特にGoogleアカウントを使って書き込む口コミではその人物が書いた他の口コミもチェックできるので、評価が悪い場合、良い場合の書き込み方で信憑性を判断することもできます。
口コミで判断する場合、表面的な評価の良し悪しを見がちですが、大事なのはどんな人物がどのように書いたかどうか。これを注意深く見ておくだけで工事を頼んでも大丈夫な業者かどうかの判別に役立つことでしょう。
4-2.保証やアフターサービスが充実した業者を選ぶ
とにかく安い値段でリフォームが行えることをアピールした業者は、保証やアフターサービスにあまり熱心でないことが多く、不具合が発生しても保証やアフターサービスを取り扱っていないからと交換に応じないか、一定のお金を払わないと交換しないなど、悪徳業者の振る舞いを見せることがあります。
最初から保証期間やアフターサービスを打ち出している業者は実際にその通りに動いてくれます。ただ、保証をする、アフターサービスも徹底して行うと書いておきながら、注意書きを見るとあやふやに書かれていることもあるため、でかでかと書かれた保証の文字を見ただけでは本当に充実しているかどうかはわからず、文字を見て信じるのはおすすめできません。
例えば、10年保証を謳う業者があった場合、保証料金がいくらなのか、保証対象となる事例はどんな場合なのか、保証対象外の事例は何かなどが書かれているか必ずチェックしましょう。間違った使い方で故障すれば対象外になるため、何でも保証されるとは限りません。
また、この場合の保証はお風呂やキッチンなどを制作したメーカーの保証期間に準じているか、リフォーム業者がサービスで延長しているかも確認することをおすすめします。そこまでしっかりとチェックした上で、保証付き、万全のアフターサービスを行うリフォーム業者に依頼を出しましょう。
4-3.施工実績が豊富な業者を選ぶ
安心できる業者というのは、数々の場数を踏み、色々なトラブルに対応してきた業者であることは間違いありません。施工実績が多ければ、手際のいい工事やアフターケアー、万が一のトラブルなど様々な場面で対応してもらえるほか、後になって別途料金がかかるような事態を事前に避けることもできるようになります。
また水回りに関係なく、リフォーム全体を手掛ける業者によっては、得意な分野が違う場合があります。水回りに関して本当に実績があるのか、事前に確認を行うことをおすすめします。水回りリフォームに関する施工事例はリフォーム業者のホームページに記載されていれば問題ありませんが、できれば具体的な金額や工期など、イメージできる情報が多く載っているのが理想的です。
施工実績が豊富とホームページ上では書いていても、本当に豊富なのかと疑わしいケースもないわけではありません。その場合、見積もりを行う際など、様々な質問をぶつけて納得のいく回答をしてくれるかどうかで判断するのもおすすめです。
5.水回りリフォームの施工事例
ここから水回り全般のリフォームに関する施工事例について詳しくご紹介していきます。
5-1.田舎暮らしに備えた水回りリフォーム
今まで東京に住んできたものの、Iターンによって地方での移住を決断したお客様。お客様が住む地域はいわゆる高冷地と呼ばれる場所で、夏は涼しい一方で冬の寒さが厳しい地域。寒さが厳しい地域の水回り対策はしっかりと万全にしておかないと、後々面倒なことになります。今回は水回り全般をリフォームすることになりました。
お風呂は在来工法のタイル張りでしたが、リフォームではユニットバスに一新し、寒さ対策はもちろんのこと、手すりなどもつけて安全性を確保。トイレは大きな窓などを活かしつつ、トイレを一新し、より使いやすく、明るいイメージのトイレを実現させています。リフォーム前は寒々しさすら感じる中、リフォーム後はとても温かみを感じており、新天地で頑張るにはこれ以上ない環境が整ったと言えるでしょう。
築30年の一戸建てをリフォームするにあたり、全体の工事で30日がかかり、リフォーム費用は税込320万円。担当業者は冬場にアフターサービスを兼ねて訪問することを約束するなど、入念なサービスも特徴的です。
▼施工事例はこちら
※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください
5-2.水回りリフォームでバージョンアップ
築年数が20年を超えてきたことで、水回りを中心に劣化が目立ち始め、古さを感じるようになったお客様。お客様にはお子さんがいるものの、そのお子さんが大きくなってきたことで、現状使っていない部屋をリフォームすることで部屋を確保してあげたいというのがリフォームのきっかけでした。ただ今回は水回りを中心としたリフォームにとどまっています。
お客様のお風呂はいわゆる在来工法で、冬になると窓もあるのでかなり寒いことがうかがえます。これをユニットバスにしたことで、洗面所からお風呂場への動線も段差がなくなって、使いやすくなったほか、寒さも改善。浴槽を断熱タイプにし、サッシの入れ替えも行っています。洗面所は三面鏡へチェンジ。この三面鏡はLEDを使っており、とても明るく、収納力もアップしました。
トイレに関しても節水型に変更。より使いやすく、窓を十分に生かしたリフォームが行われました。水回りを中心に大規模なリフォームを行った結果、リフォーム費用は税込でおよそ398万円。工事期間はおよそ3週間となっています。
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※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください
5-3.マンション4点セットでリフォーム
マンション4点セットの広告を見つけて、連絡を入れたお客様。リフォーム前のお客様のキッチンはごく普通のキッチンですが、年季が入っている様子が見て取れます。このほかにトイレやお風呂、洗面台を一新することになりました。今回利用したのはリクシルで、リクシルですべてを統一しています。
例えば、トイレはリクシル「アメージュ便器」を用いています。アクアセラミックを採用したことで表面がツルツルである分、掃除がしやすく汚れが付着しにくいのが特徴的です。洗面台は「オフト」。オフトは奥行きが500ミリとコンパクトになっているので、マンションのような限られたスペースで効果を発揮します。高さが選べるほか、梁の高さに応じて鏡をアジャストできるのも魅力的です。
すべてリクシルに統一したことでリフォームパックの効果も出やすく、4つの水回り設備を交換しながら、その費用は税込182万円と安く抑えられています。実働12日、2週間足らずで4つの水回り設備の交換を終え、新しい姿に生まれ変わりました。
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※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください
6.まとめ
水回りを中心に一気にリフォームを行いたい場合や、特にメーカーに対するこだわりがない場合、そして、なるべく安くリフォームをしてもらいたい場合は水回りリフォームをパック料金で依頼するのがおすすめです。安い値段で、しかも、一定期間の工事が過ぎれば当面はリフォームの心配がなくなります。
リフォームパックで依頼を行う際は、リフォームパックの中身や保証内容、アフターケアのやり方などを十分吟味し、複数の業者と比較検討を行って選びましょう。値段だけで飛びつくと痛い目を見る可能性もあるので、じっくり検討し、確かなものをチョイスして水回りを一新して気持ちのいい生活が送れれば最高です。
▼▼水まわりリフォームの3点・4点セットの費用はいくら?▼▼
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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