狭い浴室・お風呂のリフォーム方法や費用相場、施工事例を紹介!
更新日:2022.12.15
自分1人だけのプライベート空間、かつ身も心もリラックスできる場所、それがお風呂です。しかし、技術の関係でスペースを有効活用できず、狭い浴室になっているケースも少なくありません。そこで、リフォームを行うことでより快適な空間を作り出すことができます。
今回は狭い浴室から広い浴室へのリフォーム方法やリフォームの注意点、おすすめのユニットバスなどをご紹介します。
1.狭い浴室・お風呂をリフォームする3つの方法
2.浴室をリフォームする流れや工期
3.狭い浴室・お風呂をリフォームする費用
4.狭い浴室・お風呂をリフォームする際の注意点
5.おすすめのユニットバス3選
6.狭い浴室・お風呂のリフォーム事例
7.まとめ
1.狭い浴室・お風呂をリフォームする3つの方法
狭い浴室やお風呂から広くて快適な浴室・お風呂にリフォームするための方法を3つご紹介します。
1-1.ユニットバスを交換する
まず浴室のリフォームで必要不可欠なのが、ユニットバスの交換です。ユニットバスには規格が存在しており、ユニットバスを製造するメーカーは同じ規格を用いています。例えば一般的なサイズとして「1216」があります。これは幅が120センチ、奥行き160センチを1216と表しており、10センチ刻みでサイズを調整できます。
平均的な身長の方が利用する場合には奥行きがだいたい130センチ、1317サイズが目安となり、身長が高い方の場合は奥行きが160センチが理想となり、1616サイズや1717サイズなどが該当します。そして、家族で複数人同時に利用することを想定する場合は奥行き180センチ、いわゆる1818サイズが目安になるでしょう。
浴室が狭いと感じた場合、奥行きもしくは幅が原因の可能性があるため、身長などを考慮してユニットバスのサイズを選ぶことをおすすめします。
1-2.在来工法の浴室をユニットバスに変更する
元々ユニットバスではなく、在来工法の浴室だった場合はユニットバスへ変更する必要があります。そもそも在来工法の浴室とは、モルタルで作られた浴室で壁にタイルが貼られているような浴室が在来工法の浴室です。築年数が経過した一軒家で見かけることが多いですが、機能性が芳しくなく、掃除に手間がかかるため、汚れが目立ちやすくなるのも在来工法のデメリットです。
ユニットバスへの交換はそこまで難しいものではありません。ユニットバスは工場で作られたパーツを元々の浴室のサイズに合わせて組み立てていけばいいだけなので、交換だけでは大きな日数はかかりません。最近のユニットバスは保温性の高い床、浴槽を採用しており、温度差で体への負担がかかるヒートショックにも対応します。
掃除の手間などを考えればユニットバスへの変更はおすすめであり、工事期間の影響も最小限で食い止められる点もメリットと言えるでしょう。
1-3.配管スペースを小さくする
ユニットバスを交換する際に、配管スペースを小さくしてより大きなユニットバスへ切り替えることも可能です。自宅に給湯器や浴室暖房乾燥機などがあると、その配管などを考慮しなければならず、大きくしたくてもできない場合があります。浴室暖房乾燥機がある場合は、お風呂だけ換気するタイプやトイレや洗面所まで一緒に換気するタイプがあり、配管にも影響を与えます。
配管スペースをまとめることができれば、スペースをより有効活用でき、いわゆるデッドスペースをなくすことができます。ユニットバスのように10センチ刻みの調整しかできないため、デッドスペースは発生しやすいですが、配管スペースの工夫を行うことで、ユニットバスのサイズアップにつなげられます。
これら3つの方法の他には、間取りのみを変更することでよりゆったりとしたユニットバスを採用することが可能です。どの方法をとるかはリフォームの予算次第であり、大掛かりなものにするのか、できるだけ予算を抑えた形にするかで方向性は大きく変わるでしょう。
2.浴室をリフォームする流れや工期
実際に浴室をリフォームする流れがどのようなものなのか、複数のケースを想定した上で流れや工期をご紹介します。
2-1.ユニットバスを交換する場合
ユニットバスを交換する場合はまず浴室の内寸を計測します。この場合は幅と奥行きだけでなく、天井までの高さも計測します。これで現状のユニットバスの大きさを把握します。より確実なのがユニットバスの点検口からサイズを確認すること。実際に点検口からチェックすることでかなりのデッドスペースがあり、かなり余裕があることを把握できます。
中には、梁があることでサイズを見誤るケースも。この場合は梁を切ることで対応できることもあるため、ユニットバス交換に長けた業者に依頼を出すことで対応できます。
元々ユニットバスだったため、同じサイズのものであればそこまで時間をかけずに交換できるほか、仮に大きめのサイズに変更する場合もやるべき作業はほぼ変わらないため、工事期間としてはだいたい数日程度にとどまります。
2-2.在来工法の浴室をユニットバスに変更する場合
在来工法の浴室はモルタルで塗って、その上にタイルを貼るため、モルタルまでを加えた厚みがそれなりにあり、数センチ程度は確実にサイズアップができます。実際に何センチあるかは一部を壊さなければわからないため、業者の腕の見せ所になります。今までよりより大きな浴室になるか、サイズの関係で同じようなサイズか若干小さいサイズになるか、大きな分岐点となりやすいのです。浴室で最低でも数センチの余裕が生まれることはかなり大きいです。
在来工法の浴室では解体作業にそれなりの時間を要し、ユニットバスを入れられるように整えていく期間が必要です。そこまでできればあとはユニットバス交換とやることは同じですが、実際に必要な期間、工期は最低でも1週間程度で若干ユニットバス交換よりも日数がかかるので、銭湯などの確認はしておくべきです。
2-3.配管スペースを小さくする場合
配管スペースを小さくする場合ですが、これはユニットバスによって配管に工夫を凝らした製品が出ており、そのユニットバスに交換することで配管スペースを小さくすることができます。薄型にして壁の裏に配管を行うことでスペースが小さくなります。これだけで浴室に余裕が生まれます。
壁裏に配管が行えるユニットバスを導入すればいいだけなので、以前からユニットバスを利用していた場合、在来工法の浴室を使用していた場合、それぞれの工期に準拠することになります。
2-4.間取りを変更する(お風呂の移設等の)場合
間取りを変更して、もっと広さが取れそうな場所にお風呂を移動する場合、基本的にはユニットバスの再利用はお勧めできません。
ユニットバスの部材自体は再利用可能であっても、メーカー側では推奨しておらず、保証もきかなくなってしまうからです。
再利用せずに新しくユニットバスを設置する、既存が在来工法のお風呂の場合は、それぞれ上の解説に準拠します。
ただしマンションにお住いの場合は、そもそも移動が可能なのかを管理会社に確認する必要がありますのでご注意ください。
間取りの変更には工事する場所が増えるため、1週間以上は確実にかかります。戸建ての場合ではお風呂場を増築するという手もありますが、この場合はさらに大掛かりとなり、1カ月ほどかかるケースもあるので要注意です。
3.狭い浴室・お風呂をリフォームする費用
おおよその方法や工期を理解したところで、一番肝心なリフォーム費用についてご紹介していきます。
3-1.ユニットバスを交換する場合の費用
ユニットバスを交換する費用はこの中であれば一番負担が軽く済みます。最低でも50万円ほどで行えるほか、高い場合でも150万円程度とされています。この費用の違いは早い話がユニットバスそのものの費用の違いであり、グレードが高ければ費用は当然高くなり、オプションをつければそれなりの値段になります。
3-2.在来工法の浴室をユニットバスに変更する場合の費用
在来工法の浴室からユニットバスへの変更は、解体工事の費用と撤去費用、配管スペースの関係で床の高さを調整することがあり、その費用もかかります。これにユニットバスそのものの費用が重なるため、最低でも100万円はかかるでしょう。在来工法から在来工法への費用はこれよりも安くなるものの、掃除の手間やヒートショック対策を考えるのであれば、長い目で見て費用対効果は高く、この後再びユニットバス交換をする場合も費用が抑えられるので費用をかける意義はあります。
3-3.配管スペースを小さくする場合の費用
古いユニットバスでは配管スペースがかなりとられており、ユニットバス交換で配管スペースがコンパクトになったものへ交換するだけで対応は可能になります。ユニットバス交換で小さく済む場合は薄型の配管を導入しているユニットバスの費用に準じた費用となるため、ユニットバスからユニットバスへの交換費用と差がない形になるでしょう。
3-4.間取りを変更する場合の費用
この中で一番費用がかかりやすいのが間取りを変更する場合です。間取りを変更する分、解体工事は必ず発生し、配管工事などが必要になる場合もあります。また洗面所を小さくして浴室を拡張する場合など、色々なケースが想定でき、費用的には100万円から200万円、場合によっては300万円近くになることも。大掛かりなリフォームになることは確かです。
4.狭い浴室・お風呂をリフォームする際の注意点
狭い浴室・お風呂をリフォームする際には気を付けるべき点がいくつもあります。ここではリフォームを行う際の注意点をまとめました。
4-1.ユニットバスのサイズをしっかり計測する
最初に注意しておきたいのがユニットバスのサイズです。再三ご紹介している通り、ユニットバスは基本的に10センチ刻みで工場で作られており、1センチも無駄にしないでユニットバスを設置するというのはかなり大変です。ギリギリ入らず、1サイズ小さくしたものを入れることになれば本来の意図から逸脱した結果を生み出します。
そのため、現場を調査する営業マンなどは点検口から採寸を行います。外から見ても、それだけ余裕があるかはわかりにくいですが、点検口から見れば、元々小さめのものを入れていた場合に明らかに小さいことがわかるので、1サイズ大きくできると担当者は確信します。この計測は依頼者側が行うよりもプロに任せた方が確実でしょう。
4-2.ショールームで実物を確認する
ユニットバスの導入。交換を行う際、カタログだけで判断しようとしがちです。しかし、保温性の高い床とはどういうものかを始め、実際に自分の目で色味や触感などを感じなければ、イメージがわかないものです。すべてカタログだけで判断し、工事が完了していざ利用しようという時に、「思っていたものと違う…」となるのが一番最悪です。
ユニットバスを製造するメーカーには必ずショールームがあります。ショールームに行けば、実物を確認できるほか、浴槽のサイズを実際に体感できます。そして、ショールームの担当者と話をしていく中で、よりよいものを提供されることもあるため、カタログだけで判断しようとせず、複数のメーカーのショールームに足を運んでみることをおすすめします。
4-3.工期期間中のお風呂を確保する
工事中は銭湯などでお風呂を確保しなければならず、一時的に不便な思いをします。近くに実家がある場合はさほど問題は生じないでしょうが、問題は近くに銭湯がなかった場合です。1日程度であれば多少遠めのところでも銭湯に通う、スーパー銭湯に足を運ぶ、スポーツジムを利用するといった手が使えます。
大掛かりなリフォームの場合は、ウィークリーマンションでの仮住まいなどで対応するのも1つの手です。人によってはお風呂に入らないという人もいますが、これだと衛生的な問題だけでなく、精神的な負担が大きいのであまりおすすめできません。
5.おすすめのユニットバス3選
ここからは実際にユニットバスを導入、もしくは交換する際に候補になりやすいおすすめのユニットバスを3つご紹介します。
5-1.TOTO「サザナ」
サザナは頭と首を支える「ゆるリラ浴槽」が特徴的で、お風呂でリラックスをしやすい姿勢にさせてくれます。使いやすさと安全性にこだわり、ヒートショックを防ぐ「ほっカラリ床」から「魔法びん浴槽」などユニットバス全体が温度を保てるようになっており、冬場も安心です。お風呂を出てからも自動洗浄で全体のお掃除もしてくれるほか、オプションによってはお風呂にお湯を張る作業までスマートフォンで行えるなど、非常に便利なユニットバスです。
5-2.リクシル「リデア」(「アライズ」の後継)
「私らしさが見つかるバスルーム」をコンセプトとして掲げるリクシルのリデア。使いやすさとお求めやすさで多くの支持を得ていた「アライズ」の後継として2022年4月に新登場しました。
バスタブ派・シャワー浴派・どちらも派というようにライフスタイルに応じて選びやすいラインナップが用意されています。
5-3.パナソニック「オフローラ」
オフローラもきれいに使えるように設計されたユニットバスで、汚れをはじきやすい浴槽「スゴピカ浴槽」を採用するほか、浴槽も4種類あり、肩までつかりたい人、半身浴を想定する人など色々な使い道に応じた浴槽が用意され、選ぶことができます。「スゴピカ水栓」
は掃除のしやすさはもちろんのこと、ハンドルがとても握りやすいため、入浴中でもしっかりとつかんで利用できるのが特徴的です。「スキットドア」は換気口を上部にしたことで、より掃除をしやすく、カビができにくい状況にしています。
6.狭い浴室・お風呂のリフォーム事例
ここからは浴室、お風呂に関するリフォーム事例についてご紹介していきます。
6-1.在来工法のお風呂からユニットバスヘ
築45年で、浴室は在来工法のお風呂だったというお客様。タイル張りだったせいで、冬はとても寒かったとのこと。ヒートショックの可能性も想定されるような浴室でしたが、断熱効果が期待できるリクシルのアライズへ。浴室を解体して跡形もないような状態にしてからアライズを導入。タイル張りからパネルになったことで、全体的に熱が逃げていく状況から一転して、熱を逃がさない状況に早変わり。
これまで冬は寒くて寒くてしょうがなかったお客様も、アライズに切り替えてから今までと全く違うくらいに寒さを感じなくなったとか。ヒヤッとする体験が少なくなり、安心して冬でもお風呂に入れるほか、浴室換気乾燥暖房機で事前に温めることができるようになったのもポイントです。工事期間は9日間、リフォーム費用は130万円でした。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6-2.間取りなどの見直しでリフォーム
築年数が35年、浴室だけでなく脱衣所やトイレなど水回り全体を間取りから見直していきたいと考えたお客様。今までのお風呂はいわゆるタイル張りの一般的なお風呂。しかも、リフォーム前はお風呂に勝手口がついており、屋外からも入れた様子。こうした状況を間取りから抜本的に見直し、まず元々あった壁をふさぎ、勝手口も壁にしてそこに小窓をつけることで、お風呂の向きからフルモデルチェンジ。
勝手口がありながらも暗さが見られた以前のお風呂から明るさを感じられるパナソニックのオフローラを導入して雰囲気は一新。工事期間は10日間、間取り・レイアウトの見直しを行ったことで197万円と金額はかかりましたが、十分にきれいさを感じさせます。
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
7.まとめ
今回は狭い浴室・お風呂のリフォームに関する情報をご紹介してきました。水回りは使用を重ねると自然と汚れていき、清潔感がなくなりつつあります。これをユニットバスの交換によって一新できます。
それぞれのメーカーが出すユニットバスは同じような装備が導入される一方、細かなところで違いがあり、人によっては魅力的なものも。これ以上サイズが大きくできるのか、まずは業者に依頼を出してみるとともに、どんなお風呂にしたいのかを複数の条件を出していき、理想的なお風呂を作り上げていきましょう。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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