オール電化へのリフォーム費用はいくら?メリット・デメリットや施工事例を紹介!
更新日:2023.1.18
オール電化の住宅は年々増えていますが、リフォームするなら費用はいくらになるか気になる方も多いのではないでしょうか。
人気のオール電化は光熱費の安さや安全性の高さなど、豊富なメリットがあります。
しかし、かかる費用や特徴を十分に理解していないと、高い値段を払ったのにイメージしていたものと違って後悔するかもしれません。
本記事では、オール電化のリフォーム費用やメリット・デメリットについて解説します。
最後まで読めば、実際の施工事例や費用を抑えるコツについても理解できるので、オール電化のリフォームを検討中の方はぜひご覧ください。
1.オール電化住宅で使用される製品
2.住宅をオール電化にリフォームするメリット
3.住宅をオール電化にリフォームするメリット
4.オール電化へのリフォーム費用相場
5.オール電化へのリフォーム費用を抑えるコツ
6.オール電化へのリフォーム事例
7.まとめ
1.オール電化住宅で使用される製品
オール電化とは、住宅のエネルギー源をすべて電気に揃え、電力会社から供給される電気や太陽光発電によってまかなうことです。
ガスを使わずエネルギーを電気で揃えると多くのメリットがあります。
ここでは、主にオール電化住宅で使われる製品について見ていきましょう。
1-1.太陽光発電
オール電化とあわせて導入すると、電気代を削減できるのが太陽光発電です。
住宅のエネルギーがすべて電気となるので、オール電化は電気が大量に必要ですが、太陽光発電を導入して電気をまかなうと、電力会社から電気を一部しか買わずに済みます。
停電時にも電気を使用できるので、災害時の備えになるのも特徴です。
電気の供給状況に依存するオール電化と相性がよく、オール電化へのリフォームの際は太陽光発電を合わせて導入すると、一般に電気代が安くなります。
1-2.IHクッキングヒーター
ガスコンロに代わってキッチンで使用する製品で、電磁波で発生させた熱で調理を行います。
ガスコンロと比べると、主な特徴は2つ。
● 熱効率がよい・・・光熱費を削減できる
● お鍋やフライパンを乗せる部分が平ら・・・お手入れが簡単
ガスを使わないので、安全性の面で優れているのも嬉しいところです。
ただし、IHクッキングヒーターの導入には多くの電力が必要なので、リフォームの際は工事をして、ブレーカーを変更しなければなりません。
それでもIHクッキングヒーターは、ガスコンロと比べると安全性・メンテナンス性など多くの面で優れています。
1-3.エコキュート
エコキュートは、「ヒートポンプ」という装置を利用してお湯を作る給湯器です。
再生可能な大気の熱を使ってお湯を作り出すので環境にもやさしく、電気代が安くなる効果が期待できます。
周りの電力の使用量が少ない夜間に稼働して、昼間の電気使用量を少なくすることで、価格が安い時間帯の電力を使用可能です。
環境にやさしいエコキュートは、電気代の節約にも貢献してくれます。
1-4.床暖房
電気式の床暖房には、以下の2タイプがあります。
● 温水式床暖房・・・床下の温水を電気で温めるタイプ
● 電気式床暖房・・・床下の電気ヒーターに電気を流して温めるタイプ
温水式は安全性の高さとランニングコストの安さ、電気式は導入コストの安さで優れています。
温水式の場合は、上述のエコキュートで電気代を削減できるので、何十年も同じ住居で暮らすことを想定しているなら温水式、リフォーム費用を安くしたいなら電気式がおすすめです。
2.住宅をオール電化にリフォームするメリット
「どうしてオール電化にする住宅が増えているのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
オール電化はガス・灯油よりも多くのメリットがあり、近年より一層の普及が進んでいます。
オール電化にリフォームするメリットは以下の3つです。
2-1.光熱費の削減
毎月の固定費として支払う光熱費を、オール電化なら安く抑えられます。
夜間電力を利用してお湯を沸かす・暖房を蓄熱するなどで、電気代を割安にできるのです。
ガス代の料金設定は地域によって異なるので、言われるがまま高いお金を支払っている場合があります。
オール電化であれば、熱伝導率の高い製品で消費電力を抑えやすく、地域に関わらず一定の値段で供給されるため安心です。
また、光熱費の支払いが一元化されるのも大きなメリットと言えます。
電気・ガス・灯油と幅広く使っていると管理が面倒ですが、電気にまとめることで料金を把握しやすくなり、電気代が高い原因に気づきやすく、節約効果も期待できます。
「光熱費が高い!」「オール電化にリフォームしたい!」などと考えている人は、一度自分の地域のガス代を調べてみてはいかがでしょうか?
調べてみた結果、オール電化の方がお得と感じたら、思い切ってリフォームしてみましょう。
2-2.災害時に対する対策
災害が起こった際にも、オール電化にはメリットがあります。それは以下の4点です。
● 災害時のガス漏れのリスクを減らせる
● オール電化の導入住居は火災保険料が割引になる可能性がある
● 電気がとまってもしばらくお湯を使える場合がある
● ガスより復旧が早い傾向にある
まず、電気であればガスに比べて安全性が高く、災害時に発生するガス中毒やガス爆発の心配が減ります。
また、災害時に不安なのがお手洗いですが、オール電化の熱を溜めておくシステムなら、断水時でもお湯を使えてトイレにも使用することが可能です。
さらに、災害時はガスより電気の方が早く復旧する傾向にあるため、生活に不可欠なライフラインが早く復旧する点でも心強い設備と言えます。
地震で揺れが起こると、自動で電源が停止するシステムを導入している場合もあるので、災害に備えた住宅にしておきたい人にはオール電化の導入がおすすめです。
2-3.火事になりにくい
高齢者や小さい子どもがいる家庭では、少しでも火事のリスクを減らしたい方も多いでしょう。
ガスからオール電化に切り替えると火を使う機会が減るため、火災のリスクを自然と減らせます。
夏場にガスを使って暑いと不快に感じることも、オール電化ならありません。
ガスは消し忘れによるガスの充満・引火のリスクがありますが、オール電化製品なら自動で電源が消える機能があり安心です。
老後の生活を考える意味でも、今から安全性の高いオール電化に変えるメリットは多くあります。
3.住宅をオール電化にリフォームするデメリット
オール電化へのリフォームはメリットが多いものの、デメリットも存在します。
あとで「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、デメリットについても知っておきましょう。
3-1.停電時には熱源が使用できない
エネルギーを一元化できるオール電化ですが、電気に依存する管理方法はデメリットにもなります。
熱源がすべて電気だと、停電時に家の中の設備が使えなくなってしまうからです。
一方、電気・ガス・灯油と使い分けている家庭であれば、いずれか1つでも使える設備がある場合、災害時でも何とか生活していくことは可能です。
オール電化でも、太陽光発電などを導入すれば停電の対策になりますが、導入コストは大きく、すべての家庭で設置するのは難しいでしょう。
オール電化は停電時にすべての設備が使えなくなるリスクがあるので、電気が使えなくても動く器具(カセットコンロ・カセットボンベ等)の用意が必要です。
3-2.設備費用が高くなる
オール電化は光熱費の削減により長い目で見ると安くつきますが、短期的には多額の初期費用がかかります。
ガスを使う製品と比べると、電化製品の本体代に加えて工事費用もかかり、決して安くはない金額です。
何十年も同じ家に住み続けるなら、電化製品の交換も考えておかなければなりません。
オール電化は、同じ家に住み続けるつもりがない人にとって、設備費用が高くつくためおすすめしにくいと言えます。
4.オール電化へのリフォーム費用相場
次に、ガス設備からオール電化のリフォームにかかる費用の相場について解説します。
オール電化で最も多く、一般的な工事は「IHクッキングヒーター+エコキュート」です。
これにかかる費用と、製品ごとにかかる費用について見ていきましょう。
製品 | 費用 |
---|---|
IHクッキングヒーター+エコキュート | 60万~100万円 |
太陽光発電 | 100万~200万円 |
IHクッキングヒーター | 20万~45万円 (本体:15万~35万円) (工事費:5万~10万円) |
エコキュート | 40万~80万円 (本体:30万~70万円) (工事費:10万~15万円) |
床暖房 | 50万~80万円 (本体:40万~65万円) (工事費:10万~15万円) |
それぞれの費用について、詳しく解説します。
4-1.太陽光発電へのリフォーム費用相場
太陽光発電の導入にかかる費用の相場は100万〜200万円ほどです。
設置する太陽電池の大きさで費用は大きく変わります。
高額な費用がかかりますが、何十年も使用することを考えれば、光熱費をまかなえてお得になるリフォームです。
停電時の対策にもなるので、オール電化と合わせて導入を検討してみましょう。
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
4-2.IHクッキングヒーターへのリフォーム費用相場
IHクッキングヒーターのリフォーム費用の相場は20万〜40万円程度です。
オール電化に切り替えるならば、IHクッキングヒーターの導入は外せません。
配線の取り替えや取付・撤去など、工事にもお金がかかるので、見積もりの際は本体代だけでなく工事費もチェックしましょう。
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
4-3.エコキュートへのリフォーム費用相場
エコキュートはIHクッキングヒーターと同様、オール電化へのリフォームの際は欠かせない製品で、費用は40万〜80万円ほどです。
リフォームの際は、取付・古い機器の処分などの費用がかかります。
IHクッキングヒーターよりも本体代が高額になる場合が多いので、複数の会社に見積もりをして、欲しい機能がついた製品の相場を調べておくと費用を抑えられます。
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
4-4.床暖房へのリフォーム費用相場
床暖房はタイプと部屋の面積によって費用が大きく変わりますが、工事費もあわせて50万〜80万円程度かかります。
大きい部屋に設置して費用が高くなる場合は導入コストの安い電気式床暖房、本体は高くてもいいからランニングコストを安くしたい場合は温水式床暖房がおすすめです。
※現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5.オール電化へのリフォーム費用を抑えるコツ
「リフォーム費用はわかったけど高い!なにか安く済む方法はないの?」と思う人のために、ここではオール電化のリフォーム費用を抑えるためのポイントを紹介します。
5-1.複数の業者に相見積もりをとる
同じ条件の製品・工事内容で複数の業者に見積もりをとれば、リフォーム費用を抑えられます。
それぞれの業者のリフォーム費用を比較することで、相場を知り、最適な価格の業者に依頼できるからです。
特にオール電化のリフォームの実績が豊富な会社であれば、ノウハウもあり費用を抑えられ、アフターサービスもきちんとしている場合が多いため、公式サイトなどで実績も合わせて確認してみましょう。
5-2.製品は販売価格を確認する
メーカーの希望小売価格は値引きが前提であることが多いため、販売価格の方を確認するべきです。
希望小売価格と実際の販売価格は大きな差があるので、相見積もりをして相場を確認してから、お得なものを選びましょう。
メーカーの公式サイトなどに記載されている希望小売価格はあまり参考にしないことを推奨します。
5-3.補助金を利用する
住んでいる地域によっては、オール電化へのリフォームに補助金を出しているところがあります。
オール電化の基本となるIHクッキングヒーター・エコキュートの導入に関する国の補助金は、今のところありません。
しかし、地域によっては補助金が出る可能性があるため、オール電化のリフォームを考えている人は近くの窓口で確認してみましょう。
6.オール電化へのリフォーム事例
次に、オール電化へのリフォーム事例を3件紹介します。
リフォーム費用も合わせて紹介するので、ぜひオール電化リフォームを検討する際の参考にしてください。
事例①オール電化に伴うキッチンリフォーム
冷蔵庫や家電の位置を使いやすい場所に変えて、いつまでもきれいに長く使いたいというお客様の願いを受け、リフォームを承りました。
出窓部分のスペースを有効に使いたいということで、キッチンや家電の配置にもこだわって台所をデザインさせていただきました。
長持ちしやすい高品位ホーローのタカラシステムキッチン「エマージュ」をご提案しました。
また、IHクッキングヒーターと同時に、エコキュートの取り替えもさせていただき、オール電化住宅へと生まれ変わっています。
リフォーム費用 | 175万円(税込) |
工事内容 | キッチンリフォーム |
家屋形態 | 一戸建て |
築年数 | 築35年 |
工事期間 | 約2週間(台所全体) |
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
事例②オール電化に伴う水まわり改修工事
離れて暮らす息子さんからお母さまへのプレゼントとして、水まわりリフォームを実施されました。
タイル張りの在来浴室から断熱効果の高いユニットバスに取り替え、キッチンもガスからIHクッキングヒーターのシステムキッチンに替えさせていただきました。
キッチンには汚れや傷に強く、お手入れも簡単なタカラスタンダードの「エマージュ」を採用しています。
給湯器もエコキュートに変更したほか、洗面台や換気扇など水まわりを一通りリフォームされたおかげで、快適かつ省エネで過ごせる素敵なご自宅になりました。
リフォーム費用 | 300万円(税込) |
工事内容 | オール電化・水周り改修工事 |
家屋形態 | 一戸建て |
築年数 | – |
工事期間 | 10日間 |
施工事例出典▼▼
https://www.atelier-smile.net/seko/27533.html
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
事例③オール電化に伴うキッチンメンテナンス工事
今回は将来の安全のことを考えて、ガスキッチンからIHクッキングヒーターへのキッチンリフォームを実施されたいとのご要望を受けました。
工事に伴い、オール電化への変更をおすすめして、エコキュートの設置も行っています。
以前は4口のガスキッチンでお手入れも大変でしたが、2口+ラジエントヒーター付きのIHクッキングヒーターになったことで、これまで通りの調理器具で料理も可能です。
また、エコキュートの設置により、夜間電力を利用することで電気代の節約にもつながるようにしました。
本来の目的でもあったガスの消し忘れや引火、ガス漏れ等による事故を未然に防ぎ、安心して使えるキッチンに変わりました。
リフォーム費用 | 77万円(税込) |
工事内容 | オール電化・メンテナンス工事 |
家屋形態 | 戸建て |
築年数 | – |
工事期間 | 2日間 |
施工事例はこちら▼▼
https://www.atelier-smile.net/seko/22437.html
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
7.まとめ
本記事では、オール電化へのリフォーム費用を中心に、事例を交えながら解説してきました。
住宅をオール電化にすることで、光熱費の削減や常時の安全性の確保が可能になるメリットがあります。
他方、停電時に不便になるリスクや初期投資の大きな負担というデメリットも見られました。
そして、オール電化へのリフォームにあたってかかる費用は決して小さくありません。
リフォーム後の理想の生活を予算で実現できそうか、しっかり検討されることをおすすめします。
もしオール電化へリフォームすべきか、自分の住宅はどんなリフォームが合っているのかなど、気になることがありましたら、お気軽に相談してください。
私たち「水周りリフォーム館」のスタッフが丁寧にお答えいたします。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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