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【完全ガイド】失敗しない水回りリフォームの全知識|費用から業者選び、場所別のポイントまで

 

はじめに

はじめまして。「水周りリフォーム館」でリフォームアドバイザー兼ライターを務めております、刈田と申します。前職の不動産営業の経験も活かし、お客様の住まいに関するお悩みに、資産価値の維持・向上という視点も加えて、最適なご提案をさせていただいております。

さて、キッチン、浴室、トイレ、洗面所といった「水回り」は、私たちの暮らしに欠かせない、まさに生活の心臓部です。毎日使う場所だからこそ、老朽化や使い勝手の悪さが気になり始め、「そろそろリフォームを」とお考えになる方も多いのではないでしょうか。特に40代から60代を迎え、ご自身のライフスタイルの変化や将来を見据えた住まいづくりへの関心が高まる時期かと存じます。

しかし、いざリフォームを検討し始めると、「費用は一体いくらかかるのだろう?」「どんな会社に頼めば安心なのだろうか?」「リフォームで失敗したくないけれど、何に気をつければ良いのだろう?」といった、たくさんの疑問や不安に直面するものです。リフォームは決して安い買い物ではありません。だからこそ、正しい知識を身につけ、信頼できるパートナーと共に計画を進めることが、成功への唯一の道と言えるでしょう。

本ガイドは、そんな皆様の不安を解消し、後悔のない水回りリフォームを実現するための一助となることを目指して執筆いたしました。費用相場から信頼できる業者の選び方、場所別の成功ポイント、計画の進め方、そしてお得な補助金制度まで、水回りリフォームに関するあらゆる情報を網羅しています。

この記事を読み終える頃には、ご自身のリフォーム計画に明確な指針が見え、自信を持って第一歩を踏み出せる状態になっているはずです。それでは、さっそく見ていきましょう。

 


<目次>
第1章:水回りリフォームの費用相場の全体像
第2章:信頼できるリフォーム会社の選び方
第3章:【場所別】キッチンリフォーム成功のポイント
第4章:【場所別】浴室リフォーム成功のポイント
第5章:【場所別】トイレリフォーム成功のポイント
第6章:【場所別】洗面所リフォーム成功のポイント
第7章:リフォームの計画から完成までの流れ
第8章:使える補助金やローンについて
第9章:【コストを抑えて快適に】ゾーン断熱改修という選択肢
第10章:【実践編】築45年の浴室が見違える!ゾーン断熱リフォーム施工事例
第11章:【場所別】リフォームのヒントが見つかる!その他の施工事例ご紹介
第12章:【賢い選択】「3点・4点セット」リフォームの費用とメリット・デメリット
おわりに:未来の快適な暮らしを実現するために
よくある質問(Q&A)

第1章:水回りリフォームの費用相場の全体像

リフォームを考える上で、まず最も気になるのが「費用」ではないでしょうか。この章では、水回りリフォームにかかる費用の全体像を掴んでいただくため、場所別の相場から費用を左右する要因、そしてコストを賢く抑えるためのポイントまで、詳しく解説していきます。

1.1 【場所別】リフォーム費用の相場と工事内容

水回りリフォームの費用は、場所や工事の規模、導入する設備のグレードによって大きく変動します。ここでは、一般的な目安となる費用相場を「価格帯別」にご紹介します。ご自身の予算感と照らし合わせながら、どのようなリフォームが可能かイメージを膨らませてみてください。

1.1.1 キッチンリフォームの費用相場

キッチンは、設備のグレードやレイアウト変更の有無によって費用が大きく変わる場所です。

  • 50万円~100万円(ボリュームゾーン):

    • 主な工事内容: 同じ位置でのシステムキッチンの交換が中心です。基本的なグレードのシステムキッチンを選び、内装(壁紙・床)の張り替えも部分的に行うことが可能です。

    • ポイント: レイアウトの変更を伴わないため、工期も比較的短く、コストを抑えたい場合に最適なプランです。最新のキッチンは収納力や清掃性が格段に向上しているため、これだけでも満足度は大きく向上します。

  • 100万円~150万円:

    • 主な工事内容: 人気のある中級グレードのシステムキッチンへの交換に加え、壁付けキッチンから対面式へのレイアウト変更も視野に入ります。食洗機の追加、収納力のあるカップボードの設置、周辺の内装工事も全体的に行えます。

    • ポイント: 使い勝手やデザイン性にこだわりたい方におすすめの価格帯です。特に、対面式キッチンへの変更は、家族とのコミュニケーションが取りやすくなるなど、ライフスタイルを大きく変えるきっかけにもなります。

  • 150万円以上:

    • 主な工事内容: ハイグレードなシステムキッチン(セラミックトップ、海外製食洗機など)の導入や、間取り変更を伴う大規模なリノベーションが可能です。例えば、隣接する部屋とつなげて開放的なLDK空間を創り出すこともできます。

    • ポイント: デザイン、機能、空間設計のすべてにおいて、理想を追求したい方向けです。ただし、構造壁の移動などが必要な場合は、建物の構造を熟知した専門家による詳細な診断が不可欠です

       

1.1.2 浴室リフォームの費用相場

浴室は、ユニットバスからユニットバスへの交換が主流ですが、在来工法からのリフォームは費用が上がる傾向にあります。

  • 80万円~120万円(ボリュームゾーン):

    • 主な工事内容: 標準グレードのユニットバスへの交換が中心です。断熱性、清掃性、安全性など、現在のユニットバスは基本性能が非常に高いため、交換するだけでも快適性は劇的に改善されます。

    • ポイント: 給湯器の交換や洗面所との同時リフォームも検討しやすい価格帯です。特に古いお住まいでは、断熱性能の向上がヒートショック対策に直結するため、非常に重要です

       
  • 120万円~180万円:

    • 主な工事内容: 中級からハイグレードのユニットバスが選択可能です。肩湯やジェットバス、調光機能付き照明、高音質スピーカーといった、リラックス機能を充実させることができます。また、浴室暖房乾燥機の設置も一般的です。

    • ポイント: 「一日の疲れを癒す特別な空間」として、浴室の快適性を最大限に高めたい方におすすめです。在来工法の浴室からユニットバスへのリフォームも、この価格帯が目安となります。

  • 180万円以上:

    • 主な工事内容: オーダーメイドの在来工法による浴室づくりや、最高級グレードのユニットバスの導入が可能です。窓の大きさや位置の変更、浴室の拡張など、間取りに関わる工事も含まれます。

    • ポイント: デザインや素材に徹底的にこだわり、世界に一つだけのバスルームを実現したい場合に検討します。ただし、防水工事などが複雑になるため、施工実績が豊富な業者選びが極めて重要です。

1.1.3 トイレリフォームの費用相場

トイレは、便器の交換のみか、内装工事まで行うかで費用が変わります。

  • 20万円~40万円(ボリュームゾーン):

    • 主な工事内容: 節水型の新しいトイレへの交換と、壁紙・床(クッションフロア)の張り替えが含まれます。手洗いカウンター付きのトイレや、タンクレストイレも選択肢に入ります。

    • ポイント: 工期が1日~2日で済むことが多く、手軽にできる満足度の高いリフォームです。最新のトイレは節水性能が高いため、水道代の節約にも繋がります。

  • 40万円~60万円:

    • 主な工事内容: ハイグレードなトイレの設置に加え、手洗いカウンターの新設、収納棚の造作などが可能です。和式トイレから洋式トイレへの変更もこの価格帯が目安となります。

    • ポイント: 機能性だけでなく、収納力やデザイン性を高めたい場合におすすめです。将来を見据えた手すりの設置など、バリアフリー化も同時に検討すると良いでしょう。

1.1.4 洗面所リフォームの費用相場

洗面所は、洗面化粧台の交換が中心ですが、内装や収納を含めて空間全体を改修するケースも増えています。

  • 20万円~50万円(ボリュームゾーン):

    • 主な工事内容: 洗面化粧台の交換と、壁紙・床の張り替えが中心です。収納力の高い三面鏡タイプや、清掃性の良いボウル一体型カウンターなどが人気です。

    • ポイント: 洗面化粧台の幅やグレードによって費用が変わります。既存の給排水管の位置を動かさなければ、工事は比較的シンプルに進みます。

  • 50万円以上:

    • 主な工事内容: 洗面化粧台のサイズアップや位置変更、収納スペースの増設、洗濯機パンの位置変更など、より大掛かりな工事が可能です。脱衣所や家事室としての機能を強化するリフォームも人気があります。

    • ポイント: 浴室リフォームと同時に行うことで、動線がスムーズになり、統一感のある空間を創りやすくなります。また、工事も効率的に進められるメリットがあります。


第2章:信頼できるリフォーム会社の選び方

リフォームの成否は、業者選びで9割決まると言っても過言ではありません。しかし、世の中には数多くのリフォーム会社が存在し、どこに頼めば良いのか迷ってしまうのが実情です。この章では、後悔しない業者選びのための具体的な方法とチェックポイントを、プロの視点から徹底解説します。

2.1 リフォーム業者の種類とそれぞれの特徴

まずは、どのような種類の業者がいるのかを知ることから始めましょう。それぞれに得意・不得意があり、ご自身のリフォーム内容によって最適な選択肢は異なります。

2.1.1 地元の工務店

  • 特徴: 地域に根ざした経営で、新築からリフォームまで幅広く手掛けています。社長自らが打ち合わせから現場管理まで行うケースも多く、融通が利きやすいのが特徴です。特に、建物の構造を熟知している会社が多く、大規模なリノベーションにも対応できる技術力を持っている場合があります

     
     
  • メリット:

    • 担当者との距離が近く、細かな要望を伝えやすい。

    • 地域の特性(気候や条例など)を理解している。

    • 何かあった時にすぐに駆けつけてくれるフットワークの軽さ。

    • 広告費などが少ない分、比較的費用を抑えられる可能性がある。

  • デメリット:

    • デザイン提案や最新設備に関する情報収集力が会社によって差がある。

    • 保証やアフターサービスの体制が大手ほど整っていない場合がある。

    • 職人の技術力が会社の評価に直結するため、見極めが重要

       

2.1.2 リフォーム専門会社

  • 特徴: その名の通り、リフォームを専門に扱っている会社です。水回り専門、外壁専門、あるいは性能向上リノベーション専門 など、特定の分野に特化している会社と、総合的に手掛ける会社があります。

     
  • メリット:

    • リフォームに関する知識や経験が豊富で、提案力が高い。

    • 特定の分野に特化した会社は、専門的な技術力やノウハウを持っている。

    • 各メーカーの設備に関する知識が豊富で、比較検討しやすい。

    • 施工事例が多く、リフォーム後のイメージが掴みやすい。

  • デメリット:

    • 会社によって得意な工事の規模や価格帯が異なるため、見極めが必要。

    • 営業担当と現場管理者が分かれている場合、情報伝達がスムーズに行われるか確認が必要。

2.1.3 大手ハウスメーカーのリフォーム部門

  • 特徴: 自社で建てた住宅のアフターサービスの一環として、あるいは新規顧客獲得のためにリフォーム部門を設けています。ブランド力による安心感が最大の武器です。

  • メリット:

    • 会社としての信頼性が高く、倒産のリスクが低い。

    • 保証制度やアフターサービスが充実している。

    • 品質管理のマニュアルが整備されており、施工品質が安定している。

    • 自社製品(住宅)に関する知識が深く、最適なリフォームを提案できる。

  • デメリット:

    • 広告宣伝費や人件費などが価格に反映されるため、費用は高めになる傾向がある。

    • 実際の工事は下請けの工務店が行うため、担当する職人の顔が見えにくいことがある

       
    • 仕様がある程度パッケージ化されており、細かな要望への対応は苦手な場合がある。特に木造の複雑な改修は不得意なケースも見られます

       

2.2 失敗しない!優良業者を見極める9つのチェックリスト

業者の種類を理解したら、次は個別の会社を評価する段階です。以下の9つのポイントを参考に、複数の会社を比較検討してみてください。

  1. 建設業許可や各種登録はされているか?

    • 500万円以上の工事を請け負うには「建設業許可」が必要です。許可番号などを確認し、信頼性の指標としましょう。また、「住宅リフォーム事業者団体登録制度」に登録しているかも参考になります。

  2. 水回りリフォームの実績は豊富か?

    • 会社のウェブサイトなどで、ご自身が希望するリフォームに近い施工事例を確認しましょう 。特に、完成後の写真だけでなく、工事中の様子を公開している会社は、施工品質に自信がある証拠と言えます

  3. 担当者の専門知識と対応は信頼できるか?

    • あなたの要望を丁寧にヒアリングし、メリットだけでなくデメリットもきちんと説明してくれるか。専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で説明してくれるか。建築士やインテリアコーディネーターなどの資格の有無も参考になります。何より、担当者が木構造や建物の性能について深い知識を持っているかは極めて重要です

  4. 見積書の内容は詳細で明確か?

    • 「水回り工事一式」といった曖昧な表記ではなく、使用する製品の型番、数量、単価、工事内容などが詳細に記載されているかを確認します。不明な点があれば、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。

  5. 保証・アフターサービス体制は整っているか?

    • 工事内容に応じた保証書が発行されるか 、工事後の定期点検など、アフターサービスの具体的な内容を確認します。リフォーム瑕疵保険への加入の有無も重要なポイントです。

  6. 近隣への配慮はしっかりしているか?

    • 工事前には、騒音や車両の出入りなどで近隣に迷惑をかける可能性があります。着工前に担当者が近隣へ挨拶回りをしてくれるかなど、配慮の姿勢を確認しましょう

  7. 相見積もりを快く受けてくれるか?

    • 適正な価格と提案内容を見極めるために、2~3社から相見積もりを取ることは必須です。これを嫌がるような業者は避けましょう。

  8. 会社の評判や口コミはどうか?

    • インターネット上の口コミサイトや、知人からの評判も参考にしましょう。ただし、ネットの情報は玉石混交ですので、あくまで参考程度と捉えるのが賢明です。

  9. セカンドオピニオンに対応しているか?

    • 他社の提案内容に疑問がある場合、専門的な第三者の視点からアドバイスをくれる「セカンドオピニオンサービス」 を提供している会社は、自社の技術力に自信があり、顧客志向である証拠と言えます。

これらのチェックリストを活用し、ご自身にとって最高のパートナーとなるリフォーム会社を見つけてください。


第3章:【場所別】キッチンリフォーム成功のポイント

キッチンは、毎日の食事を支える家の中心的な場所です。リフォームによって家事効率が劇的に向上し、家族団らんの時間をより豊かにすることも可能です。この章では、キッチンリフォームを成功に導くための具体的なポイントを解説します。

3.1 まずは理想のキッチンスタイルを明確に

リフォーム計画の第一歩は、どのようなキッチンにしたいのか、具体的なイメージを固めることです。現在のキッチンの不満点を洗い出し、新しいキッチンで何を叶えたいのかを整理してみましょう。

  • 収納が少ない、ごちゃごちゃしている → パントリーの新設、吊戸棚の活用、引き出し式のシステムキッチン

  • 作業スペースが狭い → L型やU型のキッチン、作業台付きのアイランドキッチン

  • 掃除が大変 → 継ぎ目のないワークトップ、汚れがつきにくい素材、レンジフードの自動洗浄機能

  • 孤立感があり、家族と会話しにくい → 壁を取り払い、対面式のオープンキッチンへ

     
  • 二人で料理するには狭い → 通路幅を広く確保できるレイアウト、セパレートタイプのキッチン

これらの要望をリストアップし、優先順位をつけておくことで、リフォーム会社との打ち合わせがスムーズに進みます。

3.2 レイアウト選びで使い勝手は大きく変わる

キッチンのレイアウトは、作業動線(ワークトライアングル)と家事効率に直結します。代表的なレイアウトの特徴を理解し、ご自宅の間取りやライフスタイルに合ったものを選びましょう。

3.2.1 I型キッチン

  • 特徴: シンク、コンロ、作業スペースが一直線に並んだ最もシンプルなレイアウト。

  • メリット: 省スペースで、比較的狭い空間にも設置可能。リフォーム費用も抑えやすい。

  • デメリット: 横の移動距離が長くなりがちで、作業効率が落ちることがある。

3.2.2 L型キッチン

  • 特徴: キッチンがL字型に配置されており、シンクとコンロを分けて設置できる。

  • メリット: 作業動線が短く、効率的に調理ができる。コーナー部分を収納に活用できる。

  • デメリット: コーナー部分がデッドスペースになりやすい。設置にはある程度の広さが必要。

3.2.3 対面式キッチン(アイランド・ペニンシュラ)

  • 特徴: リビングやダイニングに対面して設置される人気のレイアウト。壁から独立しているのが「アイランド」、片側が壁に接しているのが「ペニンシュラ」。

  • メリット: 開放感があり、家族とコミュニケーションを取りながら作業ができる 。複数人での作業もしやすい。

     
  • デメリット: 油はねや臭いがリビングに広がりやすい。常にキッチンが目に入るため、整理整頓が必要。設置には広いスペースと、それに伴う高めの費用が必要。

3.3 設備・素材選びで失敗しないためのポイント

毎日使うものだからこそ、キッチン設備や素材選びは慎重に行いたいものです。見た目のデザインだけでなく、機能性、清掃性、耐久性を総合的に比較検討しましょう。

  • ワークトップ(天板):

    • ステンレス: 耐熱性・耐久性に優れ、衛生的。プロの厨房でも使われる定番素材。傷がつきやすいのが難点。

    • 人工(人造)大理石: デザインやカラーが豊富で、インテリアに合わせやすい。熱や衝撃に弱いものもあるため、製品選びは慎重に。

    • セラミック: 近年人気の高級素材。熱、傷、汚れに非常に強く、美しさが長持ちする。価格が高いのがデメリット。

  • シンク:

    • 広さや深さだけでなく、静音性もチェック。水はね音が響きにくいシンクは、リビングとの一体型キッチンで特に重宝します。

  • 収納:

    • 主流は、奥の物まで取り出しやすい「引き出し式(スライド)収納」です。デッドスペースになりがちな足元の収納(巾木収納)や、昇降式の吊戸棚など、工夫次第で収納量は格段にアップします。

  • 食洗機:

    • 家事の負担を大幅に軽減してくれる人気設備。フロントオープン型(海外製に多い)とスライドオープン型があります。家族の人数や食器の量に合わせてサイズを選びましょう。

  • レンジフード(換気扇):

    • フィルターの掃除が不要なタイプや、自動洗浄機能付きのものが人気です。静音性も重要なチェックポイントです。

これらのポイントを踏まえ、ショールームで実際に見て、触れて、使い勝手を確かめることを強くお勧めします。ご自身の身長に合ったワークトップの高さを見つけるだけでも、日々の調理の負担は大きく軽減されます。


第4章:【場所別】浴室リフォーム成功のポイント

浴室は、一日の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュするための大切な空間です。しかし、古い浴室は冬場の寒さや滑りやすい床、掃除のしにくさなど、多くの悩みを抱えがちです。この章では、安全で快適、そして健康的なバスルームを実現するためのリフォームのポイントを解説します。

4.1 浴室リフォームで解決したい課題を整理する

まず、現在の浴室にどのような不満や不安があるのかを具体的に洗い出すことから始めましょう。これがリフォームの目的となり、製品選びの軸となります。

  • 冬場、浴室が寒くてつらい(ヒートショックが心配) → 浴室暖房乾燥機の設置、断熱性の高いユニットバスへの交換

     
  • 床が滑りやすく、転倒が怖い → 滑りにくい素材の床材、手すりの設置

  • カビや水垢の掃除が大変 → 水はけの良い床、防カビ仕様の壁パネル、掃除しやすいドア

  • 浴槽が狭くて足が伸ばせない、またぎにくい → 広々とした浴槽、またぎの高さを抑えた浴槽

  • もっとリラックスできる空間にしたい → 肩湯やジェットバス機能、調光機能付き照明、防水スピーカー

  • 光熱費を節約したい → 高断熱浴槽、節水シャワー

これらの課題を解決することが、リフォームの満足度を大きく左右します。

4.2 安全性と快適性を高める機能と設備

近年のユニットバスは、安全性と快適性を高めるための様々な機能が標準装備、あるいはオプションで選択できるようになっています。特に、ご高齢のご家族がいらっしゃる場合や、ご自身の将来を見据える上で、以下の機能は積極的に検討する価値があります。

4.2.1 ヒートショック対策

ヒートショックは、暖かいリビングと寒い浴室との急激な温度差によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険な現象です 。これを防ぐためには、浴室全体の断熱性を高めることが最も重要です。

 
  • 浴室暖房乾燥機: 入浴前に浴室全体を暖めておくことができます。冬場の寒い一番風呂も快適になり、ヒートショックのリスクを大幅に軽減します。洗濯物の乾燥にも使えるため、非常に人気の高い設備です。

  • 高断熱ユニットバス: 壁、天井、床、そして浴槽自体が断熱材で覆われており、魔法瓶のように熱を逃がしにくい構造になっています 。これにより、浴室内の温度が下がりにくく、お湯も冷めにくいため、追い焚きの回数が減り光熱費の節約にも繋がります。性能向上リノベーションの観点からも、断熱改修は住まい全体の快適性と健康を守る上で極めて重要です

4.2.2 バリアフリー設計

年齢を重ねても安心して入浴できるよう、バリアフリーの視点を取り入れることが大切です。

  • 手すりの設置: 浴槽の出入り、洗い場での立ち座りをサポートするために、適切な位置に手すりを設置します。後から付けることも可能ですが、リフォーム時に壁に下地を入れて補強しておくと、より頑丈に取り付けられます。

  • 滑りにくい床: 表面に細かな凹凸があり、濡れていても滑りにくい加工が施された床材が主流です。同時に、水はけが良く、乾きやすい素材を選ぶとカビの発生も抑制できます。

  • 段差の解消: 浴室の出入り口の段差をなくすことで、つまずきによる転倒を防ぎます。

  • 引き戸タイプのドア: 開閉時にスペースを取らず、体の動きも少ないため、車椅子を使用する場合でもスムーズに出入りができます。

4.3 掃除のしやすさ(清掃性)も重要な選択基準

日々の掃除の手間を少しでも減らすことは、快適な暮らしに繋がります。製品選びの際は、清掃性を高める工夫がされているかもしっかりとチェックしましょう。

  • 床: 水はけが良く、乾きやすい素材。特殊なコーティングで汚れがつきにくいものも登場しています。

  • 排水口: 髪の毛やゴミがまとまりやすく、捨てやすい形状になっているか。抗菌・防カビ効果のある素材か。

  • 壁パネル: 汚れが拭き取りやすく、カビが生えにくい素材。目地が少ない大きなパネルがおすすめです。

  • ドア: 換気口(ガラリ)やパッキンなど、ホコリがたまりやすい部分が掃除しやすい構造になっているか。

これらの機能は、各メーカーが競って開発を進めている分野です。ショールームで実際に確認し、ご自身が「これなら掃除が楽そうだ」と感じるものを選ぶことが、後悔しないための秘訣です。


第5章:【場所別】トイレリフォーム成功のポイント

トイレは、家の中で最もプライベートな空間であり、清潔さや快適性が直接心地よさに繋がる場所です。リフォームによって、節水や清掃性の向上はもちろん、収納を増やしてすっきりとした空間に生まれ変わらせることも可能です。この章では、トイレリフォームを成功させるためのポイントを見ていきましょう。

5.1 トイレの種類と特徴を理解する

まずは、現在主流となっているトイレの種類と、それぞれのメリット・デメリットを把握することが大切です。

5.1.1 組み合わせトイレ

  • 特徴: 便器、タンク、便座(ウォシュレット)をそれぞれ自由に組み合わせることができるタイプ。

  • メリット:

    • 価格が比較的リーズナブル。

    • 便座部分が故障した場合でも、その部分だけを交換できる。

    • 様々なメーカーの便座を組み合わせることが可能。

  • デメリット:

    • タンクがあるため、タンクレストイレに比べてスペースが必要。

    • パーツの組み合わせによっては、デザインに一体感が出にくい場合がある。

    • 凹凸が多く、掃除に手間がかかることがある。

5.1.2 一体型トイレ

  • 特徴: 便器、タンク、便座が一体となっているタイプ。

  • メリット:

    • 凹凸が少なく、滑らかなデザインで掃除がしやすい。

    • デザインに統一感があり、すっきりとした印象を与える。

  • デメリット:

    • 便座部分が故障した場合、トイレ全体を交換しなければならないケースがある。

    • 組み合わせトイレに比べて、価格は高めになる傾向がある。

5.1.3 タンクレストイレ

  • 特徴: 水を貯めるタンクがなく、水道から直接水を流すタイプのトイレ。

  • メリット:

    • タンクがない分、コンパクトで空間を広く見せることができる。

    • デザイン性が高く、非常にすっきりとした見た目。

    • 連続して水を流すことができる。

  • デメリット:

    • 基本的に手洗い器が付いていないため、別途手洗いカウンターを設置する必要がある。

    • 水圧が低い場所では設置できない場合があるため、事前の確認が必須。

    • 停電時に水を流すのに工夫が必要なモデルがある。

    • 価格帯は最も高くなる。

5.2 機能性と清掃性で選ぶ

最新のトイレには、快適性を高め、日々の掃除を楽にするための様々な機能が搭載されています。ご自身のライフスタイルに必要な機能を見極めましょう。

  • 節水機能: 20年前のトイレと比較すると、1回あたりの洗浄水量は3分の1以下になっています。毎日使う場所だからこそ、高い節水性能は水道代の節約に直結します。

  • 自動開閉・自動洗浄: 便器に近づくとフタが自動で開き、離れると自動で洗浄・閉まる機能。腰への負担が少なく衛生的で、流し忘れも防げます。

  • フチなし形状・リフトアップ機能: 便器のフチ裏の凹凸をなくしたり、便座がリフトアップすることで、汚れがたまりやすく掃除がしにくかった場所もサッと一拭きでキレイにできます。

  • 除菌機能: きれいな状態を長持ちさせるため、除菌効果のある水やイオンを自動で吹き付ける機能も人気です。

  • 温風乾燥・脱臭機能: より快適な使い心地を求める方に。強力な脱臭機能は、ニオイが気になる方におすすめです。

5.3 空間全体で考える「プラスワン」のリフォーム

トイレリフォームは、便器を交換するだけでなく、空間全体をどう使うかを考える絶好の機会です。

  • 収納の確保: トイレットペーパーや掃除用品などをすっきりと隠すために、収納は不可欠です。壁に埋め込むタイプの収納棚であれば、空間を圧迫せずに収納量を確保できます。タンクレストイレと合わせて手洗いカウンターを設置する場合、その下を収納スペースとして活用するのも良いでしょう。

  • 内装(壁紙・床): 限られた空間だからこそ、壁紙や床材で個性を演出しやすい場所でもあります。消臭や防カビ、汚れ防止機能のある壁紙や、アンモニア臭に強く掃除がしやすい床材(クッションフロアやフローリング調の塩ビタイルなど)を選ぶと、より快適で清潔な空間を保てます。

  • 手すりの設置とバリアフリー化: 将来を見据えて、立ち座りを補助する手すりを設置することも検討しましょう。リフォーム時に壁に下地を入れておけば、後からでも安心して取り付けられます。また、入り口の段差解消や引き戸への変更も、安全性を高める上で有効です。

トイレは小さな空間ですが、これらのポイントを押さえることで、家族みんなが毎日気持ちよく使える、満足度の高い空間へと生まれ変わらせることができます。


第6章:【場所別】洗面所リフォーム成功のポイント

洗面所は、歯磨きや洗顔、身支度、そして脱衣や洗濯など、家族が様々な目的で一日に何度も利用する多機能な空間です。だからこそ、使い勝手や収納力、掃除のしやすさが暮らしの快適さを大きく左右します。この章では、洗面所リフォームを成功させるためのポイントを解説します。

6.1 洗面化粧台選びの3つのポイント

リフォームの主役となる洗面化粧台。デザインだけでなく、以下の3つのポイントを基準に選びましょう。

  1. 間口(横幅)とサイズ:

    • 現在使用している洗面化粧台のサイズを基準に、広くできるか、あるいはコンパクトにするかを検討します。デッドスペースがあるなら、間口を広げることで作業スペースや収納力が格段にアップします。逆に、洗濯機を大きいサイズにしたい、収納棚を置きたいといった場合は、あえてコンパクトなものを選ぶという選択肢もあります。

  2. 収納力:

    • 洗面所は、化粧品や洗剤、タオルなど、物が多くなりがちな場所です。これらをいかにすっきりと収納できるかが、快適な空間を保つカギとなります。

    • ミラーキャビネット: 鏡の裏がすべて収納になっているタイプが主流です。三面鏡タイプは、合わせ鏡として使えるだけでなく、収納力も抜群です。鏡の内部にコンセントがあると、電動歯ブラシやシェーバーを充電しながら収納できて便利です。

    • ベースキャビネット(本体下部): 従来の開き戸タイプに比べ、奥の物まで取り出しやすい引き出しタイプが人気です。何をどこに収納したいかイメージしながら、レイアウトを選びましょう。

  3. 清掃性と機能性:

    • 洗面ボウル: ボウルとカウンターの間に継ぎ目がない一体型タイプは、汚れが溜まりにくく掃除が非常に楽です。素材は、陶器、ホーロー、人工大理石などがあり、それぞれデザイン性や耐久性が異なります。

    • 水栓金具: 蛇口の根元に水が溜まりにくい「壁付けタイプ」や、ホースを引き出して使える「シャワー水栓」が人気です。タッチレス水栓を選べば、手が汚れていてもハンドルを汚さずに使えて衛生的です。

    • 照明・コンセント: 顔に影ができにくい縦型のLED照明や、曇り止めヒーター付きの鏡は、朝の身支度を快適にしてくれます。コンセントの数や位置も、ドライヤーや美容家電を使う上で重要なポイントです。

6.2 「洗面所+α」の空間活用術

洗面所は単に顔を洗う場所だけではありません。家事動線のハブとして、あるいはリラックス空間として、その可能性を広げることができます。

  • 家事室としての機能強化:

    • 洗濯機の上部に「ランドリーラック」や「吊戸棚」を設置すれば、洗剤やタオルを効率よく収納できます。室内干し用の物干しユニットを天井に取り付ければ、雨の日や花粉の季節も安心です。カウンターを広く設けて、洗濯物をたたんだりアイロンがけをしたりする「家事スペース」を作るのも良いでしょう。

  • 脱衣所としての快適性向上:

    • 冬場のヒートショック対策として、小型の暖房機を設置することをおすすめします。浴室リフォームと同時に行う場合は、洗面所暖房機も検討しましょう。また、脱衣スペースに椅子やベンチを置くと、高齢の方も安心して着替えができます。

  • 収納の工夫:

    • 洗面化粧台だけでは収納が足りない場合、壁の厚みを活かした「ニッチ(壁面収納)」や、洗濯機と壁の隙間などにぴったり収まる「トールキャビネット」を設置することで、収納量を大幅に増やすことができます。

6.3 内装材選びで清潔・快適な空間に

湿気がこもりやすい洗面所では、内装材の選び方も重要です。

  • 床材:

    • 耐水性に優れ、掃除がしやすい「クッションフロア」や「塩ビタイル」が一般的です。滑りにくい素材を選ぶと、安全性も高まります。最近では、デザイン性の高い製品も多く、空間のアクセントになります。

  • 壁材:

    • 湿気に強い「耐水性・防カビ性」のある壁紙(ビニールクロス)を選びましょう。調湿効果や消臭効果のある「エコカラット」などの機能性タイルを一面に貼るのも、デザイン性と快適性を両立させる人気の方法です。

浴室やトイレとの位置関係、そしてリビングからの動線を考慮しながら、家族みんなが毎日快適に使える、機能的で美しい洗面空間を目指しましょう。


第7章:リフォームの計画から完成までの流れ

思い描いたリフォームを現実のものにするためには、計画から完成まで、正しいステップを踏んで進めることが大切です。この章では、お問い合わせからお引き渡しまでの一般的な流れと、各段階での重要なポイントを解説します。全体像を把握しておくことで、不安なくスムーズにリフォームを進めることができます。

ステップ1:情報収集・イメージ固め(工事開始の3~6ヶ月前)

  • 行動: まずは、インターネットや雑誌、カタログなどで、どのようなリフォームがしたいのか、具体的なイメージを集めます。本ガイドのような情報を参考に、リフォームの目的(不満の解消)と要望(実現したいこと)を家族で話し合い、リストアップしておきましょう。

  • ポイント: この段階では、大まかな予算感も掴んでおくと良いでしょう。施工事例をたくさん見ることで、自分たちの好みのデザインや必要な機能が見えてきます

     

ステップ2:リフォーム会社探し・相談(工事開始の2~4ヶ月前)

  • 行動: 第2章で解説したポイントを参考に、相談するリフォーム会社を2~3社に絞り込みます。ウェブサイトから問い合わせをしたり、相談会に参加したりして、会社の雰囲気や担当者の対応を確認します

  • ポイント: これまでの検討でまとめた要望リストを持参すると、話が具体的に進みます。この会社に任せたいと思えるか、信頼関係を築けそうかという視点で判断しましょう。

ステップ3:現地調査・ヒアリング(工事開始の2~3ヶ月前)

  • 行動: 相談した会社に、実際に家に来てもらい、リフォーム希望箇所の状況を確認してもらいます(現地調査)。採寸や構造の確認、設備の状況などをプロの目でチェックしてもらう重要なステップです 。同時に、より詳細な要望のヒアリングが行われます。

  • ポイント: 現状の不満点や、リフォームで実現したいことを、できるだけ具体的に伝えましょう。見えない部分の問題点(例えば、床下の湿気や壁内部の劣化など)についても、専門家の意見を聞くことができます

     

ステップ4:プラン提案・見積もり提示(工事開始の1~2ヶ月前)

  • 行動: 現地調査とヒアリングの内容を基に、リフォーム会社から具体的なプランと見積書が提出されます 。プランには、図面や使用する設備のカタログなどが含まれます。

  • ポイント: 見積書は、項目が詳細に記載されているか、不明な点はないかをしっかりチェックします。「一式」というような曖昧な表現が多い場合は注意が必要です。複数の会社から見積もりを取り、内容と金額を比較検討します。ただし、単純な金額の安さだけで判断せず、提案内容や担当者の対応、保証体制などを総合的に評価することが成功のカギです。

ステップ5:契約(工事開始の1ヶ月前)

  • 行動: プランと見積もりに納得したら、工事請負契約を結びます 。契約書には、工事内容、金額、工期、支払い条件、保証内容などが明記されています。

  • ポイント: 契約書の内容を隅々まで確認し、少しでも疑問があれば必ず質問して解消しておきましょう。契約後の仕様変更は、追加費用や工期の延長に繋がる可能性があるため、最終確認は慎重に行います。

ステップ6:工事準備・着工

  • 行動: 契約後、仕様の最終決定やカラーコーディネートなど、詳細な打ち合わせを行います。工事が始まると、騒音や人の出入りがあるため、リフォーム会社が近隣への挨拶回りを行います 。マンションの場合は、管理組合への届け出も必要です。

  • ポイント: 水回りリフォームの場合、工事期間中はキッチンやお風呂が使えなくなることがあります。その間の生活をどうするか(外食、銭湯の利用など)を事前に計画しておきましょう。大規模なリノベーションの場合は、仮住まいを手配する必要があります

ステップ7:工事完了・引き渡し

  • 行動: 工事が完了したら、担当者と一緒に仕上がりをチェックします(完了検査)。図面や仕様書通りに工事が行われているか、傷や汚れはないか、設備は正常に作動するかなどを確認します。問題がなければ、引き渡しとなり、保証書が発行されます

  • ポイント: 気になる点があれば、遠慮なく指摘し、手直しを依頼しましょう。すべての確認が終わってから、最終金の支払いや書類の取り交わしを行います。

ステップ8:アフターサービス

  • 行動: 引き渡し後も、定期的な点検など、アフターサービスが始まります 。実際に暮らしてみて気づいた不具合や、メンテナンスに関する相談など、末永く付き合える関係を築くことが大切です。

この一連の流れを理解し、計画的に進めることが、満足のいくリフォームへの近道です。


第8章:使える補助金やローンについて

水回りリフォームは、一定の条件を満たすことで、国や自治体の補助金・助成金制度を利用できる場合があります。また、自己資金だけでは足りない場合には、リフォームローンを活用することも可能です。この章では、賢くリフォーム費用を工面するための制度についてご紹介します。

8.1 リフォームで活用できる補助金・助成金制度

補助金制度は、省エネ性能の向上やバリアフリー化、耐震性の向上など、国が推進する政策に合致したリフォームを対象とすることが多いです。制度は年度ごとに内容が変わったり、予算に達し次第終了したりするため、常に最新の情報を確認することが重要です。

8.1.1 国の主な補助金制度

  • 子育てエコホーム支援事業(後継事業): 省エネ改修や、それに伴う子育て対応改修、バリアフリー改修などが対象となることが多い制度です。高断熱浴槽や節水型トイレ、エコキュートの設置などが補助対象になる可能性があります。

  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業: 住宅の性能を向上させ、長く良好な状態で使用するためのリフォーム(耐震改修、省エネ改修など)を支援する制度です。水回り設備だけでなく、建物全体の性能向上を目指す場合に活用できます

     
  • 介護保険による住宅改修費の支給: 要支援・要介護認定を受けている方が、手すりの設置や段差の解消といったバリアフリーリフォームを行う場合に、費用の一部(上限あり)が支給されます。

8.1.2 自治体の補助金・助成金制度

国だけでなく、お住まいの市区町村でも独自のリフォーム補助金制度を設けている場合があります。

  • 東京都の例:

    • 各区市町村で、省エネ設備(高断熱浴槽など)の導入支援や、バリアフリーリフォーム、三世代同居・近居支援などを目的とした助成制度が実施されています。例えば、「エコ住宅設備設置助成金」や「高齢者住宅改修費助成」といった名称で募集されています。

  • ポイント:

    • お住まいの自治体のウェブサイトで「リフォーム 補助金」「住宅改修 助成」といったキーワードで検索するか、リフォーム会社に相談してみましょう。地域に詳しい業者であれば、利用可能な制度を教えてくれるはずです。

【補助金利用の注意点】

  • 申請期間と予算: 募集期間が限られており、先着順で予算がなくなり次第終了することがほとんどです。

  • 着工前の申請が原則: 多くの制度では、工事を始める前に申請が必要です。契約後に制度を知っても利用できないケースがあるため、計画段階での情報収集が不可欠です。

  • 条件の確認: 対象となる工事内容や製品のグレード、施工業者の要件などが細かく定められています。

8.2 無理なく支払うためのリフォームローン

リフォーム費用は高額になるため、計画的に資金を準備することが大切ですが、ローンを利用するのも賢い選択肢の一つです。リフォームローンには、大きく分けて「無担保型」と「有担保型」があります。

8.2.1 無担保型リフォームローン

  • 特徴: 自宅などを担保にする必要がなく、手続きが比較的簡単なローンです。金融機関(銀行、信用金庫など)や信販会社が取り扱っています。

  • メリット:

    • 審査がスピーディー。

    • 必要な書類が少ない。

    • 保証人や担保が不要。

  • デメリット:

    • 有担保型に比べて金利は高め。

    • 借入可能額が比較的少額(一般的に500万円~1,000万円程度)。

    • 返済期間が短い(10年~15年程度)。

  • 向いているケース: 比較的規模の小さい水回りリフォームなど。

8.2.2 有担保型リフォームローン

  • 特徴: 自宅とその土地を担保にして借り入れるローンです。住宅ローンの一種として扱われることが多いです。

  • メリット:

    • 無担保型に比べて金利が低い。

    • 高額な借入が可能。

    • 返済期間を長く設定できる(最長35年など)。

  • デメリット:

    • 担保設定のための登記費用など、諸経費がかかる。

    • 審査に時間がかかり、手続きも複雑。

  • 向いているケース: 間取り変更を伴う大規模なリノベーションや、建て替えに近いフルリフォームなど

ローンを選ぶ際は、複数の金融機関を比較し、金利だけでなく、手数料や繰り上げ返済の条件なども含めて総合的に判断しましょう。リフォーム会社が提携しているローンを利用するのも一つの方法です。

第9章:【コストを抑えて快適に】ゾーン断熱改修という選択肢

これまでの章では、水回りという生活に不可欠な空間のリフォームについて解説してきました。しかし、住まいの快適さを考える上で、「室内の温度」は極めて重要な要素です。特に日本では、住宅の断熱性能が諸外国に比べて遅れており、冬の寒さや夏の暑さが健康にまで影響を及ぼすことが問題視されています

理想は家全体を高性能な断熱材ですっぽりと覆う「性能向上リノベーション」ですが、費用や工期の面で大掛かりになることも事実です 。そこで、より現実的で効果的な選択肢として注目されているのが**「ゾーン断熱改修」**です。この章では、コストを抑えながら、日々の暮らしの快適性を格段に向上させるゾーン断熱について詳しく解説します。

9.1 ゾーン断熱改修とは?家全体の断熱との違い

ゾーン断熱改修とは、その名の通り、家全体ではなく、生活の中心となる特定の部屋や空間(ゾーン)を区切って、その範囲の断熱性能を集中的に高めるリフォーム手法です。

例えば、「一日の大半を過ごすリビング」「寝室」「ヒートショックが心配な浴室・洗面所」など、使用頻度の高い場所を優先的に改修します。家全体をスケルトン状態にして施工する大規模な断熱改修とは異なり、必要な場所に必要な分だけ工事を行うため、費用と工期を大幅に抑えることが可能です。

日本の住宅は、断熱に関する法的な義務付けがないまま建てられてきた歴史があり、特に古いお住まいでは、冬場の底冷えや部屋ごとの極端な温度差に悩まされている方が多くいらっしゃいます 。ゾーン断熱は、そうした既存住宅の快適性を、現実的な予算で、かつ効果的に改善するための非常に有効なアプローチと言えるでしょう。

 

9.2 どこを優先すべき?ゾーン断熱の考え方と効果

ゾーン断熱を計画する上で最も重要なのは、「どの部屋を優先するか」を決めることです。ご自身のライフスタイルを振り返り、最も長く過ごす場所、そして最も温度差による健康リスクが高い場所から手をつけるのがセオリーです。

9.2.1 リビング・ダイニング

家族が集まり、最も長い時間を過ごす空間です。ここの断熱性を高めることは、日中の快適性に直結します。特に、熱の出入りが最も大きい窓の断熱強化は必須です 。既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓(二重窓)」の設置や、断熱性の高い複層ガラスへの交換は、比較的簡単な工事で高い効果が得られます。さらに、冷気が伝わりやすい床下に断熱材を入れることで、足元からの冷えを大幅に軽減できます

9.2.2 寝室

質の高い睡眠は、健康の基本です。冬の夜中に寒さで目が覚めたり、朝方の冷え込みで布団から出られなかったりといった経験はございませんか。寝室の断熱性を高めることで、就寝中の体温低下を防ぎ、朝までぐっすりと眠ることができます。暖房を止めても室温が急激に下がりにくくなるため、快適な目覚めにも繋がります 。窓の改修に加え、外気に接する壁に断熱材を充填することも効果的です

9.2.3 浴室・洗面所・トイレ

暖かいリビングから寒い浴室へ移動した際に起こる**「ヒートショック」**は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす非常に危険な現象です 。特に冬場は、この温度差をなくすことが命を守ることに繋がります。浴室をユニットバスにリフォームする際は、壁・天井・床が断熱仕様になっている「高断熱浴槽」を選ぶことが重要です。また、洗面所やトイレの窓を断熱化し、壁や床にも断熱材を入れることで、水回り空間全体の温度を安定させ、ヒートショックのリスクを大幅に低減できます。

9.3 ゾーン断熱のメリットと注意点

コストを抑えつつ快適性を向上できるゾーン断熱ですが、メリットだけでなく注意点も理解した上で計画を進めることが大切です。

9.3.1 メリット

  • 費用の抑制: 工事範囲を限定するため、家全体を改修するよりも費用を大幅に抑えることができます。

  • 工期の短縮: 一部屋単位での工事が中心となるため、住みながらのリフォームも可能です。仮住まいの必要がないケースも多く、負担が少なくて済みます。

  • 効果を実感しやすい: 最も長く過ごす場所から手をつけるため、リフォームによる快適性の向上をすぐに、そして強く実感できます。

  • 段階的なリフォームが可能: 「今年はリビング、数年後に寝室」というように、ライフプランや予算に合わせて段階的に工事を進めることができます。

9.3.2 注意点

  • 家の中の温度差は残る: あくまで部分的な改修のため、断熱した部屋としていない部屋との間には温度差が残ります。ヒートショックのリスクを完全にゼロにするものではないことを理解しておく必要があります。

  • 結露のリスク: 断熱した部屋とそうでない部屋の境界部分(壁の中など)で、温度差による「内部結露」が発生する可能性があります 。結露はカビやダニの発生、さらには建物の構造材を腐らせる原因にもなります 。これを防ぐためには、断熱だけでなく、空気の流れをコントロールする「気密」や「換気」に関する正しい知識と施工技術が不可欠です

  • 業者選びが重要: 上記の結露リスクを回避するためにも、ゾーン断熱を行う際は、建物の構造や断熱・気密の知識が豊富な専門業者に依頼することが絶対条件です。目に見えない部分の施工が、住まいの寿命を左右することを忘れてはなりません。

ゾーン断熱は、賢くコストを管理しながら、現在の住まいの快適性と安全性を高めるための有効な手段です。まずは専門家にご自宅の状況を診断してもらい、どこから手をつけるのが最も効果的か、相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

 

第10章:【実践編】築45年の浴室が見違える!ゾーン断熱リフォーム施工事例

これまでの章では、水回りリフォームの費用や業者選び、場所別の成功ポイント、そしてコストを抑えつつ快適性を高める「ゾーン断熱」について解説してきました。しかし、理論だけでは具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。

そこでこの章では、私たちが実際に手掛けたリフォームの中から、特に築年数が経過した戸建て住宅の浴室リフォームに焦点を当て、具体的な施工事例をご紹介します。理論が実践となって、お客様の課題をどのように解決していったのか。そのプロセスを通じて、皆様のリフォーム計画のヒントを見つけていただければ幸いです。

10.1 東京都台東区A様邸に見る、旧耐震住宅の浴室リフォーム

今回ご紹介するのは、東京都台東区にお住まいのA様邸の事例です。築45年の一戸建てで、長年使用されてきた浴室に様々な課題を抱えていらっしゃいました。

項目 内容
価格 200万円(税込)
施工地

東京都台東区 1

 
ご家族構成

ご夫婦二人 2

 
家屋形態

一戸建て 3

 
築年数

45年 4

 
リフォーム部位

浴室(お風呂) 5

 
工事期間

3週間 6

 
採用機器

TOTO システムバス「サザナ」 7

 

(Before)

古いタイル張りの浴室は、冬場の寒さが厳しく、経年劣化も目立つ状態でした。

(After)

最新のシステムバスを導入し、見えない部分の断熱と補強を徹底。安全で暖かい、快適なバスルームへと生まれ変わりました。

10.2 リフォーム前の課題:「冬の寒さ」と「経年劣化への不安」

A様がリフォームを決意された背景には、切実な悩みが2つありました。これらは、築年数が経過した多くのお住まいに共通する課題でもあります。

課題① 寒さを解消し快適な浴室環境にしたい

築45年以上が経過したA様邸の浴室は、現在の住宅のような断熱対策がされておらず、特に冬場の凍えるような寒さが一番の悩みでした 8。壁や床、窓から容赦なく侵入する冷気は、快適な入浴を妨げるだけでなく、急激な温度変化による「ヒートショック」のリスクを高めます 9。A様は、この健康リスクをなくし、安心して心からリラックスできる暖かい浴室を強く望んでいらっしゃいました 10。

課題② 経年劣化の問題を根本から解決したい

長年の使用により、浴室は目に見える部分だけでなく、内部にも劣化が進行していました。タイルのひび割れや、壁の内部にある防水層が劣化し、水漏れの危険性がありました 11。さらに、見えない部分の配管も詰まりや腐食の可能性があり、いつトラブルが発生してもおかしくない状態でした 12。A様は、こうした経年劣化の問題を表面的に取り繕うのではなく、基礎からしっかりと見直し、この先何十年も安心して使い続けられる浴室にしたい、とご要望されました 13。

10.3 課題解決へのアプローチ:徹底した基礎補強とゾーン断熱

A様のご要望を受け、私たちは単にシステムバスを入れ替えるだけの「交換リフォーム」ではなく、安全性と快適性を根本から向上させる「性能向上リフォーム」をご提案しました。その具体的なプロセスをご紹介します。

10.3.1 解体して見えた、築45年の現実

リフォームの第一歩は、既存浴室の解体です。周辺の構造に影響を与えないよう慎重に作業を進め、タイル張りの壁やコンクリートの浴槽を撤去しました 

解体して露わになったのは、築45年という歳月が物語る現実でした。特に重要なのが、建物を支える「基礎」の部分です。A様邸は、1981年以前の「旧耐震基準」で建てられたお住まいであったため、浴室の基礎には鉄筋が入っていない「無筋コンクリート」が使われていました 15。これは、大きな地震の揺れに対して強度が不足しており、現代の基準では考えられない構造です。また、配管も経年により一部が腐食している状態が確認できました 

10.3.2 安全性の根幹を担う「基礎補強工事」

無筋基礎のまま新しいシステムバスを設置しても、いわば砂上の楼閣です。地震が起きた際に浴室空間の安全を確保できません。そこで、私たちは建物の安全性を根本から高めるための基礎補強工事を行いました。

  • 鉄筋コンクリートによる補強: 既存の無筋基礎の上に、新たに鉄筋を格子状に組む「配筋」を行い、その上から高強度のコンクリートを打ち込みました 。これにより、地震の引き抜き力や水平の揺れに耐えうる、強固な基礎へと生まれ変わらせました

  • 面材による補強: さらに、浴室を囲う壁面に耐水性の高い構造用合板を設置 19。これにより、浴室空間全体が箱のように一体化し、耐震性が格段に向上しました

多くのリフォームでは省略されがちな工程ですが、この見えない部分への投資こそが、本当の意味での「安心して長く使える住まい」を実現する上で最も重要です。

10.3.3 快適性を左右する「配管更新」と「高気密・高断熱」施工

安全性の確保と並行して、快適性を高めるための工事も徹底して行います。

まず、腐食が見られた既存の配管はすべて撤去し、耐久性の高い新しい配管に交換しました 21。新しい給水・給湯管には断熱材を丁寧に巻き付け、お湯が途中で冷めてしまう「熱損失」を防ぐ処置を施しています

そして、A様の一番の悩みであった「寒さ」を解決するため、第9章で解説した**「ゾーン断熱」**を実践しました。

  • 基礎部分の断熱: 外部の冷気が直接伝わる基礎コンクリートの内側に、板状の断熱材を隙間なく貼り付け、冷気の侵入をシャットアウトしました 23

  • 壁・床の断熱: 壁と床には、高性能な硬質ウレタンフォームを施工しました 24。特に冷えやすい床下には、厚めの断熱材を設置し、足元からの底冷えを徹底的に防ぎます 25

  • 気密処理: 断熱材の効果を最大限に引き出すため、配管が壁を貫通する部分や部材の接合部など、わずかな隙間をすべて気密テープで塞ぎました 26。これにより、冷たい隙間風の侵入を防ぎ、暖かい空気を逃がさない「魔法瓶」のような空間を作り出します 27

10.3.4 快適な入浴を実現するTOTO「サザナ」の魅力

強固な土台と、暖かい魔法瓶のような空間が完成した上で、いよいよ主役であるシステムバスを設置します。今回A様邸で採用したのは、TOTOの人気シリーズ「サザナ」です 28。この製品は、私たちが施した断熱改修の効果をさらに高め、最高のバスタイムを提供してくれます。

  • 高断熱浴槽「魔法びん浴槽」: 浴槽そのものが高い断熱性能を持ち、お湯が長時間冷めにくいのが特徴です。追い焚きの回数が減り、光熱費の節約にも大きく貢献します

  • 滑りにくい床「ほっカラリ床」: まるで畳のような柔らかい踏み心地で、ヒヤッとしないのが特長です 31。水はけが良く、カビの発生を抑える効果もあり、日々の掃除も楽になります 32

  • 浴室暖房乾燥機: 冬場の入浴前に浴室全体を暖めることで、ヒートショックのリスクをさらに低減 33。雨の日の洗濯物乾燥にも活用でき、一年を通して活躍します 34

10.4 リフォーム後の変化:安全で暖かい、理想のバスルームへ

徹底した基礎補強とゾーン断熱、そして最新のシステムバスの導入により、A様邸の浴室は単に新しくなっただけではありません。

「冬でも暖かく、安心して入浴できるようになった」

「地震に対する不安が解消された」

「掃除が楽になり、毎日気持ちよく使える」

A様が抱えていたすべての課題を解決し、デザイン性、快適性、安全性、そして省エネ性すべてを高いレベルで満たす、理想のバスルームが完成しました。この事例は、目に見えない部分の工事がいかに重要であるか、そして適切なリフォームが日々の暮らしの質をいかに向上させるかを示しています。

第11章:【場所別】リフォームのヒントが見つかる!その他の施工事例ご紹介

これまでの章で、水回りリフォームの全体像から、場所別のポイント、そして旧耐震住宅における浴室の性能向上リフォームという具体的な事例までを詳しくご紹介してまいりました。A様邸の事例では、目に見えない基礎や断熱がいかに重要か、お分かりいただけたかと存じます。

リフォーム計画を具体的に進める上で、こうした実際の施工事例は、ご自身の理想の住まいをイメージするための、何よりの道しるべとなります。

この章では、今後ご紹介を予定しているキッチン、トイレ、洗面所のリフォーム事例への入り口として、それぞれの場所でどのようなリフォームが可能になるのか、その魅力の一端をお伝えします。皆様の課題やご要望に近い事例を見つけることで、リフォーム計画はより一層具体的に、そして楽しいものになるはずです。

11.1 キッチンリフォーム施工事例

キッチンは、ただ調理をするだけの場所から、家族が集い、コミュニケーションを楽しむ空間へと進化しています。壁付けの独立キッチンから、リビングを見渡せる開放的な対面キッチンへのレイアウト変更は、暮らしそのものを変える力を持っています。

  • こんな方におすすめ:

    • 収納が少なく、物があふれてしまっている。

    • 調理スペースが狭く、作業効率が悪い。

    • リビングにいる家族と会話しづらく、孤立感がある。

    • 最新の食洗機や掃除しやすいレンジフードで家事の負担を減らしたい。

最新のシステムキッチンへの交換はもちろん、間取り変更を伴う大規模なリノベーションまで、様々な可能性を秘めています。デザイン性と機能性を両立させた理想のLDK空間を実現した事例を、ぜひご覧ください。

➡️【キッチンリフォームの施工事例ページはこちら】 (※現在準備中です。公開まで今しばらくお待ちください。)

11.2 トイレリフォーム施工事例

トイレは、家の中で最も小さな空間の一つですが、リフォームによる満足度が非常に高い場所です。最新のタンクレストイレは、空間を広く見せるだけでなく、高い節水性能で家計にも貢献します。

  • こんな方におすすめ:

    • トイレが狭く、圧迫感がある。

    • 掃除がしにくく、ニオイも気になる。

    • 水道代を節約したい。

    • 手洗いカウンターや収納を設けて、すっきりとした空間にしたい。

便器の交換だけでなく、壁紙や床材、照明にこだわることで、まるでホテルのような上質なプライベート空間を演出することも可能です。限られたスペースを最大限に活用し、清潔で快適な空間へと生まれ変わった事例をご紹介します。

➡️【トイレリフォームの施工事例ページはこちら】 (※現在準備中です。公開まで今しばらくお待ちください。)

11.3 洗面所リフォーム施工事例

洗面所は、身支度、脱衣、洗濯など、多様な役割を担うマルチな空間です。だからこそ、収納力と家事動線が快適さの鍵を握ります。

  • こんな方におすすめ:

    • 洗面台周りに化粧品や歯ブラシなどが出しっぱなしになっている。

    • 洗濯物をたたんだり、アイロンがけをしたりするスペースがない。

    • 脱衣所が狭く、家族の入浴時間が重なると使いにくい。

    • 浴室と合わせて、統一感のあるデザインにしたい。

洗面化粧台の交換に加え、収納棚の造作や室内干しスペースの確保など、「洗面所+α」の機能を持たせるリフォームが人気です。朝の忙しい時間もスムーズに、そして日々の家事を効率化するヒントが詰まった事例をぜひご参考にしてください。

➡️【洗面所リフォームの施工事例ページはこちら】 (※現在準備中です。公開まで今しばらくお待ちください。)

第12章:【賢い選択】「3点・4点セット」リフォームの費用とメリット・デメリット

これまでの章で、キッチン、浴室、トイレ、洗面所といった各所のポイントを個別に解説してまいりました。しかし、リフォームを検討される皆様の中には、「どうせなら、全部まとめて一新したい」「セットでお得になるプランはないの?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

水回り設備は、同じ時期に設置されることが多いため、劣化や故障のタイミングも重なりがちです 1。そこで多くのリフォーム会社が、「3点・4点セット」といったお得なパックプランを提供しています 2

この章では、費用を抑えながら水回り全体をリフレッシュしたい方に向けて、この「セットプラン」の魅力と、知っておくべき注意点について解説します。

12.1 セットプランの費用相場はどれくらい?

最大の関心事は、やはり費用かと存じます。セットプランは、単独で1か所ずつリフォームするよりも、工事費用や商品価格が割安になる傾向があります 3

参考として、単独でリフォームした場合の費用相場は以下の通りです。

  • キッチン(システムキッチン交換):80~150万円

  • 浴室(ユニットバス交換):90~150万円

  • トイレ(洋式から洋式へ交換):10~20万円

  • 洗面所(洗面化粧台交換):20~50万円

これに対し、セットプランの費用相場(戸建て・マンション別)は以下のようになります。

【水まわりリフォーム3点セットの費用相場】

(※商品価格・工事費用の合計)

施工箇所 一戸建て マンション
キッチン・トイレ・浴室 170万円~ 150万円~
トイレ・浴室・洗面所 130万円~ 110万円~
キッチン・浴室・洗面所 130万円~ 110万円~

【水まわりリフォーム4点セットの費用相場】

(※商品価格・工事費用の合計)

施工箇所 一戸建て マンション
キッチン・トイレ・浴室・洗面所 210万円~ 190万円~

単独で4か所をリフォームした場合(例えばキッチン80万+浴室90万+トイレ10万+洗面所20万=合計200万~)と比較しても、4点セット(戸建て210万~、マンション190万~)は、選ぶグレードによっては非常にお得になることがお分かりいただけるかと存じます。

12.2 なぜセットプランは安くなるのか?

セットプランが割安になるのには、大きく分けて2つの理由があります。

1. 工事を一貫して行えるため 10

リフォーム工事は、設備の運搬費、現場の養生費(傷がつかないように保護する費用)、職人の人件費など、様々な諸経費がかかります。

これらを場所ごと・時期ごとにバラバラに行うと、その都度これらの費用が発生してしまいます 11。しかし、セットプランで一度にまとめて工事を行えば、設備の運搬も一度で済み、養生や現場管理の手間も効率化できるため、諸経費や人件費を削減できるのです 12。

2. メーカー卸値が安くなるため 13リフォーム会社は、メーカーから設備を仕入れてお客様に提供します。この仕入れ価格(卸値)は、1台ずつ購入するよりも、複数台をまとめて購入する方が割安になります 14。

メーカー側も、リフォーム会社にセットパックで販売することで自社商品の宣伝に繋がるため、協力的な価格設定をしているケースが多いのです 15。リフォーム会社が安く仕入れられる分、お客様への提供価格も抑えられるという仕組みです 16。

12.3 お得なだけじゃない!セットプランの注意点

費用面でのメリットが大きいセットプランですが、契約前に必ず確認すべき注意点も存在します 17

1. 部分修理の方が安い場合もある

セットプランは、基本的に設備全体を入れ替える工事が前提です 18。もし、不具合が給湯器だけ、あるいは水栓だけの故障といった「部分修理」で済む場合、全体を入れ替えるセットプランを選ぶと、かえって費用がかさむ可能性があります 19。まだ使える設備まで交換する必要があるか、冷静に判断することが求められます。

2. メーカーや商品が選べない可能性がある

セットプランの最大の難点が、選べるメーカーや商品のグレードが限定されている場合があることです 20。「キッチンはこのメーカーのこの機能が絶対条件」といった強いこだわりがある場合、セットプランではその要望が叶えられないかもしれません。

費用のお得さだけで妥協して選んでしまうと、「やっぱりあっちにすれば良かった」と、この先20年近く使い続ける中で後悔することにもなりかねません。

12.4 まとめ:セットプランは「こんな方」におすすめ

水回りの「3点・4点セット」リフォームは、費用を抑えつつ、工事の手間も一度で済ませたい方にとって、非常に合理的な選択肢です

一方で、ご自身のこだわりや、設備の劣化状況によっては、必ずしも最適解とは限りません。リフォームにおいて「費用」「デザイン」「機能」など、ご自身が何を最も重視するのかを明確にした上で、セットプランを検討することが成功のカギとなります

より詳細な費用相場や、セットプランを活用した具体的な戸建て・マンションの施工事例(オプションでメーカーを変更した事例など 25)については、以下の特集記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、皆様のリフォーム計画の参考にしてください。

➡️特集記事:『水まわりリフォームの3点・4点セットの費用はいくら?安い理由と注意点を解説』はこちら


おわりに:未来の快適な暮らしを実現するために

本ガイドでは、「失敗しない水回りリフォーム」を実現するために必要な知識を、全12章にわたり網羅的に解説してまいりました。

費用相場や信頼できる業者の選び方といったリフォームの「入口」から、キッチン、浴室、トイレ、洗面所という場所別の「具体的な成功ポイント」。そして、計画の進め方、補助金・ローンの活用法といった「実践的なノウハウ」まで、ご理解いただけたかと存じます。

さらに、ご予算やライフスタイルに応じた賢い選択肢として、「ゾーン断熱改修」や「3点・4点セットプラン」といった現実的な手法もご紹介しました。

特に第10章のA様邸の施工事例でもご覧いただいたように、リフォームの成功は、単に最新の設備に入れ替えることだけを指すのではありません。特に築年数が経過したお住まいでは、解体して初めて見える**「基礎の補強」「断熱・気密処理」**こそが、この先の何十年という皆様の暮らしの「安全」と「快適」を支える真の土台となります

一般的なリフォームが「見た目を新しくする」こと(化粧工事 )を主な目的としているのに対し 、私たちが重視するのは、住まいの根本的な「性能」を引き上げること 、すなわち**「性能向上リノベーション」** という考え方です。

リフォームは、決して安くはない、皆様の人生における大きな投資です。だからこそ、価格や見た目といった表面的な情報だけで判断するのではなく、本ガイドで得た知識を「モノサシ」としてご活用ください。そして、ご自身の価値観やご家族のライフスタイルに合った「自分だけの正解」を見つけていただきたいと強く願っています。

この記事が、皆様のリフォームに対する漠然とした不安を解消し、理想の住まいづくりへの具体的な第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

皆様のリフォーム計画が、単なる「修繕」や「交換」に留まらず、ご家族の未来の暮らしをより安全で、より豊かにする「素晴らしい投資」となることを、心よりお祈りしております。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


よくある質問(Q&A)

Q1. 工事中の生活はどうなりますか?仮住まいは必要ですか?

A1. 水回りリフォームの場合、工事箇所によって生活への影響が異なります。

  • キッチン: 3日~1週間程度、キッチンが使えなくなります。その間は、外食やテイクアウト、カセットコンロなどでの簡単な調理で対応される方が多いです。

  • 浴室: ユニットバスの交換であれば、3日~5日程度で完了することが多いです。その間は、近隣の銭湯やご親戚のお宅などを利用していただくことになります。

  • トイレ: 1日~2日で完了するケースがほとんどです。日中は近所の商業施設などを利用し、工事完了後から使用可能になります。 水回り4点を同時にリフォームするなど、工事が大規模になり1ヶ月以上かかる場合は、仮住まいをおすすめすることもあります

Q2. リフォームの工期はどれくらいかかりますか?

A2. 工事内容や規模によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • キッチン交換:約3日~1週間

  • 浴室(ユニットバス)交換:約3日~5日

  • トイレ交換:約1日~2日

  • 洗面化粧台交換:約1日

  • 水回り4点(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)の全体リフォーム:約1ヶ月~2ヶ月 これらは内装工事を含んだ目安です。間取りの変更や構造の補強などを伴う場合は、さらに期間が必要になります

Q3. 見積もり金額以外に、追加で費用が発生することはありますか?

A3. 基本的には、契約時の見積もり金額で工事を行いますが、解体してみて初めて判明する問題があった場合には、追加工事と費用が必要になる可能性があります。例えば、床下を開けてみたら土台が腐っていた、壁を剥がしたらシロアリの被害が見つかった、といったケースです 。 優良なリフォーム会社は、このような不測の事態が起こる可能性についても事前に説明し、万が一発生した場合の対応や費用の目安を提示してくれます。契約前に、追加費用が発生する可能性について確認しておくことが大切です。

Q4. マンションでも水回りリフォームは自由にできますか?

A4. マンションの場合、管理規約によってリフォームの内容に制限がある場合があります。特に、床材(遮音等級の規定)、窓や玄関ドアなどの共用部分、配管の移動範囲などに制約があることが多いです。リフォームを計画する際は、まず管理規約を確認し、管理組合への届け出を必ず行いましょう。信頼できるリフォーム会社であれば、そうした手続きのサポートも行ってくれます。

Q5. 相見積もりを取る際の注意点は何ですか?

A5. 相見積もりは、2~3社に依頼するのが一般的です。注意点としては、各社に全く同じ条件(希望する工事内容、設備のグレードなど)を伝えて見積もりを依頼することです。条件が異なると、金額の比較が正しくできません。また、単に総額の安さだけで判断せず、見積もりの内訳が詳細か、提案内容が希望に合っているか、担当者の対応は信頼できるか、といった点を総合的に比較検討することが、良い業者を選ぶ上で非常に重要です。

 

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