失敗しない!キッチンリフォームでのレイアウト・間取りヒント集!
更新日:2023.4.26
マイホームの購入は一生に一度の買い物と言われますが、マイホームのリフォームも数えるほどしか行えない買い物です。だからこそ、失敗しないために様々なことを考える必要があります。
毎日のように利用するキッチンのリフォームも後々のことを考えて検討を重ねていく必要があります。この記事ではキッチンリフォームに関する様々な検討事項についてご紹介します。
目次
1.まずはキッチンの間取りを考えましょう!
2.キッチンの代表的なレイアウト6選
3.キッチンリフォームで間取り・レイアウトを決める際のポイント
4.キッチンリフォームでのよくある失敗談
5.キッチンリフォームでのオシャレなレイアウト事例
6.まとめ
1.まずはキッチンの間取りを考えましょう!
最初にキッチンリフォームで検討すべき事項はキッチンの間取りについて。どんなキッチンにしていくのか、まずは様々な間取りの特徴をご紹介します。
1-1.対面式キッチン
対面式キッチンの場合、リビングに顔を向けて炊事などの準備が行える状態になります。リビングなどで宿題を行う子どもの様子を見ることができるほか、家族と一緒にテレビを見ながら食事の支度などが行えるので、疎外感を感じにくいのが大きなメリットです。
ただ、キッチンで生じる汚れや匂いがリビングに流れていく可能性が高いほか、壁付けのキッチンから対面式キッチンに切り替えた場合は、リビングが狭くなってしまう可能性が高く、そのあたりがデメリットとなります。
1-2.壁付けキッチン
対面式キッチンとは違い、壁に向かって作業が行える分、対面式キッチンのネックだった、リビングへの汚れや匂いに関する問題は生じにくくなります。何よりリビングのスペースが確保されやすくなるため、さほど全体の部屋が広くない場合にスペースの有効活用が行えます。
ただ壁に向かって作業を進める分、リビングの様子は見にくくなるので疎外感を感じやすくなります。対面式キッチンと壁付けキッチンはメリットもデメリットも真逆であると言えるでしょう。
1-3.独立型キッチン
独立型キッチンは文字通り、キッチンが1つの部屋として独立しているタイプです。壁付けキッチンでも多少匂いや汚れがリビングに流れがちですが、独立型ではかなり抑制できるようになります。準備に集中しやすいというのもメリットの1つです。
しかし、独立している分、キッチンで作業をする人は孤独になりやすく、疎外感をより感じやすくなります。しかも、独立型キッチンはそれなりにスペースがないと成立しないため、部屋の広さがある程度ないと厳しいでしょう。
1-4.セミオープンキッチン
セミオープンキッチンは、独立型とオープン型それぞれの良さを合わせたようなキッチンです。対面式キッチンのような形になるので、疎外感は感じにくくなり、水や油などの汚れがリビングに行かないように調整することも可能です。
独立型とオープン型を足して2で割ったような設計なので、それぞれの良さを最大限には活かせない可能性もあるため、独立型もしくはオープン型の特性をフル活用したい方にとっては中途半端に感じるかもしれません。
1-5.オープンキッチン
オープンキッチンは、開放感という点でキッチンの間取りの中で一番開放的なキッチンです。部屋の中でも存在感があるので、疎外感の感じようがありません。コミュニケーションをとりたい人にとって一番ベストな間取りと言えるでしょう。
ただ匂いなどは確実にリビングに流れていくほか、調理の様子が丸見えになる恐れが高く、ジロジロと見られたくない人には向きません。
2.キッチンの代表的なレイアウト6選
次にご紹介するのは代表的なレイアウトについてです。様々なキッチンの形があり、間取りにピッタリなレイアウトもあるので、代表的なものをご紹介します。
2-1.I型キッチン
I型キッチンは横一直線にコンロやシンクを配置したレイアウトになっています。コンパクトに配置できるので、あまり広くはない部屋に設置する場合におすすめです。賃貸アパートなどはI型キッチンが主流です。
一方でキッチン自体のスペースが狭く、複数人で作業を行うには手狭になりやすいのがデメリットです。
2-2.L型キッチン
L型キッチンは、部屋の四隅を活用するために配置されたレイアウトです。コンロとシンクを離しつつ、作業スペースを確保できるほか、食器洗い乾燥機などを置くスペースもできるので、より便利になります。
I型キッチンからL型キッチンに変える場合にスペースをさらに確保しないといけないほか、今まで冷蔵庫や食器棚を置いていたスペースが犠牲になる可能性もあり、その他のレイアウトが重要になります。
2-3.U型キッチン
U型キッチンは別名コの字型とも呼ばれ、収納場所や作業スペースがより確保されるので、複数人での作業に適したレイアウトです。長さは異なりますが、I型のスペースが3つできるので、シンク用のスペースやコンロ用のスペースという形で場所を確保できます。
どこに冷蔵庫を置くかでコンロやシンクのレイアウトが変わるなど、より慎重にレイアウトを考える必要が出てきます。
2-4.Ⅱ型キッチン
Ⅱ型キッチンはシンクとコンロをそれぞれ独立させ、並列に配置したキッチンです。1つは壁付け型、1つは独立型もしくはアイランド型になりますが、身体の向きを入れ替えるだけで料理と食器洗いをこなせる利便性が魅力的です。
一方で、振り向くときにぶつかりやすくなり、それが鍋やフライパンだった際に大事故になる恐れもあるため、慣れていない人にとっては注意が必要なレイアウトです。
2-5.ペニンシュラ型キッチン
ペニンシュラ型キッチンはどちらかの端が壁にくっついているタイプのキッチンです。対面型キッチンの1つですが、匂いや汚れをリビングに出さないよう、配置を工夫することができるので、融通がききやすいタイプでもあります。
元々スペースがないと設置するのは大変で、壁付けキッチンからペニンシュラキッチンにする場合にスペースを割くことになるので、リビングへの影響をどれだけ小さくできるかがポイントになります。
2-6.アイランド型キッチン
アイランド型キッチンはキッチンを独立させたレイアウトのキッチンで、開放感が最もあるレイアウトになります。パーティーなど大人数で集まることが多いご家庭であれば、最大限に活用することができるでしょう。
匂いや汚れなどが最も発生しやすく、利用後の掃除が大変なのもアイランド型キッチンなので、日々のお手入れをどのようにしていくかも大事な要素となるでしょう。
3.キッチンリフォームで間取り・レイアウトを決める際のポイント
ここまでキッチンの間取りやリフォームについてご紹介してきましたが、間取りやレイアウトを決める際にどんなポイントに注意をすればいいのかをご紹介します。
3-1.いまのキッチンの良い点・悪い点を洗いだす
なぜリフォームをするかといえば、何かしら現状のキッチンに不満を抱え、不便だと感じる部分があるからです。リフォームを通じて不満を抱くポイントや不便だと思う部分を改善し、よりよいキッチンを目指していくことができます。
よりよいキッチンを目指すには何に不満を抱き、何を不便だと感じるのか、リストにまとめることをおすすめします。そして、今のキッチンに対してどんなポイントに魅力を感じ、利便性がいいと思っているかもリストにまとめます。すると、優先順位がおのずとはっきりし、その優先順位に見合ったプランが浮かび上がるのです。
子どもを料理中も見守りたい、複数人で炊事の準備をしたい、スペースをもう少し確保したいなど色々な思惑を整理し、最大公約数的な解決法を見出し、それをデザインに落とし込むことで納得のいく形でリフォームが行えます。
3-2.ワークトライアングルを意識する
無駄をなくすことは、合理的かつ効率的に動く上で重要な考え方で、この考え方はキッチンのレイアウトにも当てはまります。キッチンのレイアウトで話題になるワークトライアングルは、冷蔵庫とシンク、コンロの場所を結んでできる三角形を指し、一辺の距離がバランスがいい状態だと効率よく作業が行えます。
2つの場所が近く、もう1つの場所がかなり離れていると、かなりいびつな三角形となり、効率的とは言えません。この一辺の長さは冷蔵庫とシンク、冷蔵庫とコンロ、コンロとシンクそれぞれで理想的な長さが異なりますが、最低でも1.2メートルは確保し、長くても2メートルぐらいが望ましく、これら3辺の合計がおよそ3メートル60センチから6メートルが理想的となっています。
もちろん、ワークトライアングルの長さが丁度よければその他は何も考慮しなくていいということではありません。実際に調理を行うと仮定し、本当に料理がしやすいのか、動線として機能するのかをチェックする必要があります。これを踏まえた上で、間取りやレイアウトを決めていくことになるでしょう。
4.キッチンリフォームでのよくある失敗談
決して安くはないお金をかけて行うキッチンリフォームですが、様々な要因で痛恨の失敗に終わってしまうこともあります。どんな失敗が起こりうるのかをご紹介します。
4-1.収納スペースやゴミ箱のスペースを考えなかった
キッチンには食器洗い乾燥機を始め、電気ポットや炊飯器、電子レンジなど様々な家電があります。この家電をどこに置くかで頭を悩ませたり、設置を断念したりすることがあるほか、コンセントが少なく、置きたくても置けないケースも生じます。
またゴミ箱をどこに置くかを考慮しないと不格好なところにゴミ箱を置かざるを得なかったり、動線を邪魔するような場所に置かなければならなくなり、誤ってゴミ箱にぶつかって中身をぶちまけてしまう可能性も考えられます。収納スペースとして将来的に調理家電などを置けるスペースを確保する、あとはゴミ箱のスペースを別に確保するといったことが必要となるでしょう。
4-2.アイランド型にしたらリビングが狭くなった
間取りやレイアウトのところでもI型キッチンから様々なキッチンにレイアウト変更を行う場合に、リビングのスペースが狭くなるデメリットをご紹介してきました。アイランドキッチンなどは必要な広さがあるので、そこで広さを割いてしまうと残されたスペースでリビングなどを確保しなければならず、結果的に狭さを感じやすくなります。
今までよりも多少キッチンが広くなったら、その分リビングは狭くなるので、圧迫感を感じやすく、何のためのリフォームだったのかと後悔する可能性が出てきます。リビングがどれくらい狭くなるかは実際にやってみないと体感できないので、少しぐらいなら大丈夫だろうと思っていると、思わぬ誤算につながることも考えられます。
4-3.対面キッチンにしたら片付いていないのが目立つ
対面キッチンはとてもおしゃれで、憧れのキッチンの1つと言えます。しかし、憧れを持たれるのは毎日ちゃんと掃除をしているなど、丁寧に扱えている時に限られます。それらができていないとむしろ掃除をしていない状態がクローズアップされ、かえって悪い印象を持たれてしまうことになります。
常に掃除をすること、整理整頓をすることが求められるので収納スペースの確保なども重要です。共働きでどちらも忙しく、なかなか掃除に着手できない場合や、きれいに保つのが難しい場合は対面キッチンは避けるべきでしょう。
5.キッチンリフォームでのおしゃれなレイアウト事例
キッチンリフォームを行ったことでとてもおしゃれなレイアウトになった事例は数多く存在します。ここではリフォームの末におしゃれなキッチンとなった事例を3例ご紹介します。
5-1.I型キッチンからペニンシュラキッチンへ
築年数30年でキッチンが古くなったので新しくしたいというお客様。以前のキッチンは一般的なI型キッチンで、目の前には窓がある分、閉鎖的とは言わないものの、I型キッチン特有のコミュニケーションの取りにくいキッチンでした。
今回取り入れたのはペニンシュラキッチン。半島部分にシンクを設置し、コンロは壁付けにすることで料理で想定される油跳ねといった懸念が薄くなります。加えて、シンクの目の前にはちょっとした高さの壁を設けている為、水跳ねを防ぎつつ、テレビをチェックすることもできます。コミュニケーションがとりやすくなったことは間違いなく、エコキュートの導入など、かなりのバージョンアップに成功しています。
工事期間は10日間で、工事費用は税込300万円とかなりかかりましたが、思い切った間取り変更でイメージが変わった分、その費用以上の効果があったと言えるでしょう。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-2.子どもの様子も分かるキッチンへ
築年数が経過し、キッチンが古くなり、収納もほしいというお客様。リフォーム前のキッチンは年季の入った様子が垣間見えるほか、収納に乏しいために色々なものがスペースを埋めている状態。スマートにキッチンを使う以上、収納を多く確保しておきたいところです。加えて、ワークトライアングルが良くない、対面型にしたいなど色々なご要望がありました。
使っていない部屋を活用するなどスペースの有効活用を狙ったリフォーム。今回採用したのはLIXILのシエラ。まずキッチンの位置を大きく動かすことでバランスのいいワークトライアングルを実現。対面型キッチンにして、カウンターを設置したことでこのカウンターでお子さんが勉強できるようになりました。
そして、あえて梁を見せることで部屋の広さを強調させることに成功します。全体的に広く、収納も大幅に強化されたキッチンにお客様も大満足でした。工事期間は3週間程と大掛かりになり、工事の費用は税込250万円です。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-3.開放的なアイランドキッチンへ
現状既にカウンターキッチンのお客様。このカウンターキッチンをアイランドキッチンにしたいというのがお客様の要望です。そして、アイランドキッチンに似合う照明をつけてほしいという要望もありました。
今回採用したキッチンはトーヨーキッチンスタイル「BAY」。3枚のプレートがあることで料理や洗い物などすべてをシンクでこなせるようになったスグレモノで、シンクの形状も立体なので洗い物の際の水跳ねを防げます。キッチンは多くの脚に支えられていて、空間があります。ステンレス製で耐久力にも優れている点も特徴的です。
掃除のしやすさも兼ねているほか、照明もシンプルイズベストを体現したようなものに。とてもおしゃれで開放的、背面に収納を設けることでキッチンスタジオのような雰囲気を醸し出しています。工事期間は2日間で、工事費用は税込で170万円です。
施工事例はこちら▼▼
※リフォーム金額は当時の金額であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6.まとめ
キッチンリフォームの際には間取りやレイアウトがとても重要ですが、1番はリフォーム前にどんな部分に不満を抱き、どのように改善をしたいかという点です。理想だけを追いかけてもリフォーム後に後悔することもあるので、いかに不満をなくせるリフォームになるか、不便さを解消できる工事になるかが大切です。
あとは予算や工事期間など色々検討すべき部分を検討し、ショールームで良さそうなシステムキッチンを見つけておき、リフォームを行っていければ、納得のいくキッチンリフォームになっていくでしょう。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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