内装費込みのトイレリフォームの費用相場を解説!
更新日:2023.5.26
家で毎日必ず利用する場所、それはトイレです。お風呂やシャワーに入らないことはあるかもしれませんが、トイレで用を足さないことはほぼありません。きれいに使いたいトイレですが、築年数を重ねていくとどうしても汚れが目立ち始め、心地よい場所ではなくなってしまいます。
そんな時におすすめなのがトイレリフォーム。今回は単にトイレの交換を行うだけでなく、トイレの内装も行うトイレリフォームについてご紹介します。
<目次>
1.トイレリフォームにおける平均費用
2.内容別のトイレリフォーム相場
3.トイレの内装をおしゃれにするポイント
4.内装費込みのトイレリフォーム費用を安く抑えるコツ
5.内装込みのトイレリフォーム事例
6.まとめ
1.トイレリフォームにおける平均費用
トイレリフォームを行う際には、トイレの便器はもちろんの事、トイレの壁、天井、床すべてを一新するリフォームが人気を集めています。一見するといっぺんに変更する分、高くつきそうなイメージを持つ方も多いかもしれません。
トイレリフォームに関する平均費用について、内装を含めたトイレ工事で最も多い価格帯を調べてみると一番多いのが15万円から20万円、その次が25万円から30万円となっています。むしろそんなにリフォーム費用がかからないことに驚きをもつ方が多いのではないでしょうか。
工事費用がさほどかからない背景としてはトイレそのものの狭さが関係しています。最小限の大きさとして設定されているのが0.8畳、一般的な広さがおよそ1畳、かなり余裕があるトイレでも1畳半しかありません。そのスペースの壁や天井、床を一新するとなっても、相当限られるのでベーシックな設備で済ませていればさほどかかりません。
ベーシックなトイレリフォームを行うのであれば、すべてを一新してもそこまでかからないのです。
2.内容別のトイレリフォーム相場
トイレの広さ的にそこまでリフォーム費用はかからないとご紹介しましたが、あくまでもベーシックな工事の場合。ケースによってはトイレリフォームの相場も大きく変わります。この項目では内容別のトイレリフォームの相場についてご紹介します。
2-1.トイレ交換+内装工事付
内装込みでトイレリフォームを行う場合、その費用はおよそ20万円から55万円ほどとなっています。これはトイレの便器のグレードによってかなり大きく変わるためです。例えば、最新の洋式トイレであれば高機能であればあるほど、当然のことながら費用は高くなります。しかし、温水洗浄便座がついていないようなものなら数万円程度で確保できます。
そのため、ベーシックな場合だと15万円から25万円程度で済むのに対し、グレードの高いものにすると30万円から55万円ほどと便器の違いで15万以上変わってしまいます。もちろん内装でも若干の費用の違いはあり、内装のみのリフォーム費用に関してもこの後紹介しますが、大きな影響を与えるのはトイレの便器です。
2-2.トイレ交換のみ(洋式から洋式)
今までは温水洗浄便座ではなかったので、この機会に温水洗浄便座のトイレに変えるという人もいるはず。先ほどもご紹介した通り、トイレ交換でかかる費用はグレードに応じて違うため、便器のみの交換となると安いもので8万円ほど、高いものだと50万円ほどになります。
一方、タンクだけを交換するという工事もあります。今はタンクレストイレもありますが、多くの家ではまだタンクがついたトイレが中心です。この中ではタンクと便器が別々で組み合わせて使う「組合せタイプ」において交換ができ、便器とタンクが一体化となったものだと交換ができません。
タンクが古くなると水がたまらなかったり、水が止まらなかったりしてトラブルになることも。またトイレの詰まりなどの原因にもなり、最悪の場合は水漏れも。そうなってしまう場合にタンクの交換も1つの手となります。これに関してはグレードに関係なく、だいたい12万円ほどです。
2-3.トイレ交換のみ(和式から洋式)
同じトイレの交換でも次は和式トイレから洋式トイレへの交換です。交換といっても和式と洋式の違いは大きく、工事はやや大掛かりになりやすく、その費用はだいたい20万円から60万円近くとされています。
和式トイレの場合、床がコンクリートで段差がついて、一段上に和式があるケースが一般的です。洋式トイレにチェンジするには、まず段差の部分やコンクリートを壊すところから始めます。そして、配管をむき出しにした状態にしてから床の土台を作り直します。そこから床材を張り替え、壁や天井も一新する場合はこちらも張り替えを行い、あとは洋式トイレを設置すれば完成です。
洋式トイレから洋式トイレの場合は元々あった場所に設置すればよく、わざわざコンクリートの床を壊す必要がありません。そこまでの大規模な工事となると60万円程度かかってくるでしょう。一方、和式トイレの上に洋式トイレの便座を設置する簡易的な工事もあり、その場合は簡易的ということもあって、安く収まります。ただ汚れのことなどを考えるとできれば一新した方が長くきれいに使えます。
2-4.トイレの内装のみのリフォーム
ここまではトイレの便器を交換し、一緒に内装のリフォームを行う工事の費用についてご紹介してきましたが、内装だけをリフォームするという手もあります。トイレの便器に関して既に交換を終えている、もしくは新しい便器が来るまで時間がかかるので先に内装のリフォームを行うというものです。またトイレの便器を交換した際、前の便器の跡がついていて汚かったから内装を後から行うケースもあります。
トイレの内装に関しては場所ごとに費用が決まっており、例えば床に関しては3万円から8万円程度、天井などは2万円から5万円程度、トイレのドアの交換だとおよそ8万円からと、あとは組み合わせ次第で費用が決まっていきます。そのため、その幅はやや広めですが、25万円もあれば十分な工事ができることは確かで、30万円程度かかることもあります。
注意したいのが内装だけのリフォームとトイレ交換とセットで行うリフォームでは、内装にかかる費用が異なる点です。一緒に行うことでオプションをつけることで安く済ませられるのに、バラバラにすることで本来の値段がかかってしまうのです。ですので、できれば内装のみではなく、トイレ交換とセットで行うのが理想的です。
2-5.手洗い場の設置
トイレ内で手が洗える手洗い場はあるととても便利であり、空間に余裕があるのであればぜひとも設置したい設備の1つです。既にトイレの便器についているタイプの手洗い場であれば問題ないですが、タンクレストイレの場合は別に手洗い場を設置する必要が出てきます。
様々なタイプの手洗い場がある中で一番安くできるのがカウンタータイプで、およそ10万円から12万円。壁付けタイプになると18万円から25万円かかります。この値段の違いは配管工事の有無や壁に設置する際に穴を開け、内装に関する工事も行うかどうかによるものです。
2-6.手すりの設置
高齢者にとって、トイレで用を足すことは想像以上に大変なことであり、時に危険が伴います。座る際や立ち上がる際など、危険な部分はいくつもあります。そんな時にあると安心できるのが手すりです。手すりがあることでそれにつかまって移動できます。この手すりの設置にも一定の費用がかかります。
おおよその費用はだいたい3万円から6万円となっています。手すりを設置する際、壁の下地を補強するケースがあり、その場合に6万円ぐらいの値段になりますが、普通に壁に取り付ける分にはさほど時間もかからず、3万円ぐらいで済みます。要介護認定を受けていれば、後ほどご紹介する補助金や助成金の活用も見込めるため、実質的な負担はかなり下がることも予想されます。
2-7.トイレの場所の移動や新設
別の場所にトイレを移動させる場合、もしくは新設する場合はそれなりに費用がかかります。例えば、移動の場合は30万円から60万円ほど、増設となると50万円から150万円ほどかかり、特に増設はどの階に設置するかでだいぶ変わることになるのです。
1階に設置する場合は、トイレそのものの費用や設置費用、元々あったトイレの解体費用や新たに設置するトイレの内装、配管工事などがかかるため、50万円から100万円程度になります。一方、2階の場合は配管の延長や水漏れ防止の工事などが必要となるため、よりかかりやすくなる形となるのです。
2階だと150万円ほどになるケースもありますが、1階にあるトイレの上に設置する場合は配管もそこまで長くする必要がないため、100万円を切るような工事費用になる場合もあります。ただ2階の場合は水圧の問題が浮上するため、もし水圧が弱かった場合は水圧を高める工事が必要になるので、注意が必要です。
3.トイレの内装をおしゃれにするポイント
せっかく行うトイレリフォームだからこそ、内装まで手を抜かずおしゃれにしたいところです。トイレの内装をおしゃれにするために何をすればいいのか、そのポイントをご紹介します。
3-1.床材や壁紙
トイレは1畳前後と狭い空間ですが、その印象を左右するのは床や壁です。この床や壁をおしゃれなものにすることで見た目の印象を高めることができます。おしゃれな空間にするには、白系の色を使うことで見た目に落ち着くほか、淡い色特有の圧迫感を感じさせないイメージがいいように作用します。白系の床や壁にするほか、ちょっとした柄を取り入れることで見た目に下品にならず、ちょっとしたおしゃれを醸し出せます。
一方で、一部分だけあえて派手に主張することでバランスを取る形でおしゃれさを演出するのも1つの方法です。すべてを派手にすると落ち着きませんが、例えばトイレで用を足す際、背面にあたる部分を派手な色にするなど、入る時と実際に用を足す時で印象を変える形で演出するのもおすすめです。
3-2.タンクレストイレ
トイレには今までのようにタンクがある「タンク一体型」や「セパレート型」がありますが、タンクレストイレは文字通りタンクがなく、水道を使って直接水を引いて流す仕組みになっています。タンクがない分、空間を有効に使えるのがタンクレストイレの魅力であり、見た目もおしゃれになりやすいです。
タンクがないことで掃除もしやすく、便利なことが多い一方で、停電時には手動レバーを使って流さないといけないのがデメリットです。ただ手動レバーの扱いさえ分かっていれば、停電時でも流すことはできるのでその点さえカバーすれば、何の問題もありません。
3-3.照明
トイレで欠かせないのは当然ながら便器ですが、もう1つ欠かせないのが照明です。もし照明がなかったらトイレの中は真っ暗になり、窓があるトイレでも日が当たらないトイレだと昼間でも薄暗く、寒々しさを感じさせます。照明があることで落ち着いて用が足せるほか、壁や床のおしゃれさを引き立たせることにもつながるでしょう。
例えば、トイレの壁に照明を設置するケースでは間接照明として照らすことができ、おしゃれさを際立たせます。また手洗いボウルの近くに間接照明を設置することで用を足すのに困ることなく、周囲にトイレからの光で極力影響を与えないようにすることができます。人感センサーなどを用いることで、トイレの電気を切り忘れることなく、使用する時だけつき、用が終われば電気が消える形にすると省エネになります。
3-4.手洗い場
タンクレストイレを設置しておしゃれな空間が作り出せる一方で、タンクレストイレによってタンクに取り付けられる手洗い場がなくなります。もし手洗い場をトイレに設ける場合はそのスペースを確保する必要が出てきます。この手洗い場をおしゃれなものにすることで、トイレをよりいい空間にすることができるのです。
例えば、手洗い場に手洗いボウルを設置することでおしゃれに見せることができます。手洗いボウルとして焼き物を設置するなど、おしゃれに見せることができつつ、清潔さや爽やかさを醸し出すことも可能です。手洗いボウルの形や色も様々で、あとは手洗いボウルを設置する場所をきれいに装飾できれば相当おしゃれなトイレになるでしょう。
4.内装費込みのトイレリフォーム費用を安く抑えるコツ
ここまで様々な形のトイレリフォームをご紹介してきましたが、少しでも内装費を含めてトイレリフォームの費用を抑えたい場合のコツもご紹介します。
4-1.安いグレードのトイレを選択する
トイレの内装費はよほど豪華、豪勢なものにしない限りはそこまで大きく跳ね上がることはなく、和式から洋式、トイレの移設など劇的に環境が変わらなければ内装費が大きな比重を占めることは考えにくいです。しかし、トイレを最新のトイレにした場合はトイレの費用でかなりかかってしまいます。
そのため、安いグレードのトイレにすることで費用を抑えることができます。安いグレードといっても温水洗浄便座ではないトイレになるわけではなく、安いグレードであっても温水洗浄便座で、船上ノズルもしっかりついたものはあります。グレードが高くなると乾燥機能がつくなど確かに便利ですが、なくてもさほど困らないのが実情です。
安いグレードのトイレにするか、高いグレードのトイレにするかで値段が大きく変わるため、もし切り詰める場合には安いグレードのトイレにするのがおすすめです。
4-2.定額制の業者に依頼する
同じリフォームを行うでも、業者次第で値段が異なることがあります。取り扱う工事の単価や目標とする利益率なども影響します。ですので、まず複数の業者に見積もりをお願いするのが重要ですが、最近では定額制の業者があり、そこに依頼することで一定の値段に抑えることができます。
定額制の業者の中には床面積で基本料金が決まるところもあれば、1つのパックとして値段が決まっているところもあります。定額制の業者の方が安く抑えられることもありますが、それでもまずは複数の業者に見積もりを取った上で決めていきましょう。
4-3.補助金や助成金を活用する
トイレリフォームではある条件を満たすことで補助金などを受け取ることができます。例えば、要介護者や要支援者が利用するためにトイレリフォームを行う場合、介護保険を活用することでリフォーム費用のうち最大20万円まで支給されます。20万円で済む工事であれば、9割が介護保険で賄われ、1割分の2万円のみを負担することになります。
また自治体によって独自にリフォーム費用の補助を行うケースがあり、利用条件を満たせば費用の一部をカバーできます。主に手すりの設置や、滑りにくい床材への変更、和式から洋式へのリフォームなどが対象です。
5.内装込みのトイレリフォーム事例
ここからはトイレ交換と内装工事をセットで行ったトイレリフォームの事例について、詳しくご紹介していきます。
5-1.木材を活用したトイレ
元々和式トイレだったお客様のトイレ。狭いトイレを快適に利用したいということで洋式便器への交換を希望しています。実際のリフォームではリクシル制作の洋式トイレ、「アメージュZ」洋式トイレを用いており、コンパクトな設計になっており、幅をとらず、スペースの有効活用に貢献しています。
壁には木材をところどころに利用するなど、木の温かみを感じさせ、おしゃれなトイレに仕上がっているのもポイント。結果的に和式トイレの時よりも広く感じるトイレとなり、寒さを感じさせない内装も良さにつながっています。リフォーム費用は税込35万円で、工事期間は7日間です。
▼施工事例はこちら
※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-2.壁紙がとてもおしゃれなトイレ
和式トイレでかなり手狭だったお客様のトイレ。トイレが狭いために、できれば小さいトイレにしてほしいのがお客様の要望であり、洋式トイレにするにあたり、手すりを付けたいという希望もありました。
リフォームではリクシルの「プレアスLS」を使って、スペースを確保。壁紙はお客様が選んだもので、その壁紙がとてもおしゃれ。L字の手すりがトイレについたことで安全にトイレに入り、用を足すことができます。リフォーム費用は税込25万円で、工事期間は9日間です。
▼施工事例はこちら
※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
5-3.手洗い場がついたおしゃれなトイレ
実家の設備が古くなり、交換を検討していたお客様。トイレリフォームにあたり、見た目をスッキリさせたい、手洗い場を別に設置したい、壁紙にこだわりたいという要望がありました。
リフォームではリクシル「プレアスLS」を用いて、以前のタンク付きトイレよりも空間を広く見せられるほか、壁紙をとてもおしゃれなものにしたことで雰囲気が以前よりもかなりいいものに。手洗いカウンターを茶色にし、トイレの扉を緑にするなど調和もしっかりとれています。リフォーム費用は税込18万円で、工事期間は2日間です。
▼施工事例はこちら
※価格はリフォーム当時の価格であり、現在も同じ価格とは限りませんのでご了承ください。
6.まとめ
他の水回りよりも費用を抑えてリフォームできるのがトイレリフォームの大きな特徴です。しかも、壁紙や床材などちょっとしたこだわりを見せるだけでよりおしゃれな雰囲気を醸し出せるのも魅力的です。
手すりの設置などで高齢者でも安心して利用できるほか、介護保険の活用などで自己負担額を大きく減らしてリフォームができます。トイレリフォームの際には活用できる補助金や助成金がないかを調べた上でリフォームの検討をしてみてはいかがでしょうか。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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