在来工法(浴室)とユニットバス(システムバス)
お風呂(浴室)は一般的に在来工法の浴室と、ユニットバス(システムバス)に分けられます。
在来工法とは昔からあるような俗にタイル張りの浴室のことを示します。
床や壁にタイルが張ってある浴室で、さらに昔だと浴槽もタイル張りということもあります。
職人の手作り感が十分な浴室で風情もあった浴室です。
さらに昔になりますと、木製の浴槽が浴室内に据え置きされていたというご家庭もあったかと思います。
ただ、このようなタイル張りの浴室は、とにかく「寒い」という最大の問題があります。
床のタイルの下はすぐ地面、という状態が多く真冬は底冷えが強烈に感じられます。
また、清掃面におかれましては、タイルなので目地があり、この部分が汚れやすい箇所です。
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タイル目地とは、タイルとタイルの間の線のようなものを目地と言います。
この目地に汚れが付きやすく、浸み込んだりするため、なかなか汚れが取れないということがあります。
そのために現在では、タイル自体を大きくして目地の量を減らす、などしております。
タイルは大きい方が見た目も豪華に見えます。
最近ではこの目地材も抗菌仕様になっており、汚れが付着しにくい、浸み込みにくい材質となっております。
真冬に浴室に入る際の第一歩、これが何より足の裏に冷たく感じ、場合によっては身体に危険を及ぼすこともあります。
それを解決するため、冬場でもヒヤッと感じにくいタイルがあります。
LIXILのサーモタイルはタイル自体の熱流束と言い、熱が伝わる速度を小さくすることにより、ヒヤッとする感覚を軽減できるタイルです。
実際にこのサーモタイルと通常のタイルを並べて、手で触り比べてみると違いがわかります。
在来工法浴室の壁もタイルを張っていることも多く、床から1m位をタイルで張り、その上は天井まで塗装仕上げにしている場合もありました。
塗装面の壁にはカビの発生もありました。
シャンプーや石鹸などはカビのエサになります。
あたたかく湿気の大いい浴室はカビの発生率が高く、さらにエサがあれば増殖していきます。
表面がざらざらした塗装の仕上げ方によっては、発生したカビは除去が難しい場合もあります。
在来工法浴室はオリジナル的な浴室を造ることができるのが特徴です。
タイルや浴槽、シャワー水栓はユニットバス(システムバス)のように、同一メーカーで揃えなければならない、ということはありません。
タイルは輸入品を使う方もいらっしゃいます。
シャワーも見た目の良い商品を選ばれることもあり、豪華さとオリジナルティをお求めの場合はよろしいかと思います。
しかしその分費用は加算してしまいます。
ユニットバスは現在ではシステムバスとメーカー側が呼び方を変えていることも多いですね。
ユニットバスというと、賃貸アパートに付いているものでイメージされる方も多く、狭くて便器や洗面器も付いているのがユニットバス、という印象があると思います。
もちろんこのようなバスも、今でも商品化されており、ユニットバスと言われております。
戸建ての浴室に設置するものが、このようなユニットバスとイメージされるのは好ましくなく、あえてシステムバス、という言い方にしているのかと思います。
キッチンもシステムキッチン、言うくらいですからね。
ユニットバス(システムバス)は床をFRPにて採用している商品が多く、各メーカーと共に早く床表面が乾くものが多いです。
その中でもTOTOにでは、床がまるで畳のように柔らかい、という床もあります。
TOTOのシステムバスサザナは、浴室の床が畳でできている、という物ではもちろんありませんが、サザナのほっカラリ床という商品は、床の内側にクッション性のあるものと
なっているため、ひざをついても痛くないものなので、小さなお子様と一緒に入浴するときや、ご年配の方などにも優しくできている床です。
また、サーモタイルとお同じように、ヒヤッとする感じが足の裏にないのですが、感覚としてはサーモタイルよりTOTOのシステムバスサザナの方がその効果は高いと思います。
壁に関してはパネルを使用しているのがシステムバスです。
清掃性も高く、寒い地域には断熱効果を高くする断熱材パックというオプションも選定が可能です。
壁のカラーも以前のユニットバスのように、ベージュ系の色が一色のみではなく、さまざまのカラーが選べるようになりました。
壁4面がベージュ系だけではなく、石目調のデザインなど、清潔感のあるグリーン系を4面に張ることも可能です。
最近で多いのは、1面のみ色のあるパネルにして、他の3面はホワイト系を張る、というアクセントパネルという組み合わせを採用する方が多いです。
壁に合わせ浴槽のカラーも選択できるようになり、また床の色もいくつか選択できます。
浴槽は保温機能がついた浴槽がシステムバスの基本となっていると言っても過言ではないでしょう。
魔法瓶浴槽という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、各メーカー共標準品揃えをしている状況なほど、すでに一般的になっております。
浴槽の材質も肌触りの良い人大浴槽と清潔感があり飽きのこないFRP浴槽があります。
在来浴室とユニットバス(システムバス)ではどちらが多いかと申しますと、最近ではユニットバス(システムバス)にされる方の方が多いです。
その理由としまして、オリジナル的に選ぶ在来工法は出来上がりのイメージができにくく、浴室リフォーム工事の費用が高く、工事日数が何日もかかってしまうということがあります。
ユニットバス(システムバス)に関しては、メーカーのショールームで実物やサンプルを見ることができるので、完成後のイメージが分かりやすい、というメリットがあります。
また、工事期間が在来浴室工法より短いので、その分費用も安くなるという特徴もあります。
浴室リフォームの際、在宅の状態で浴室リフォームをすることは多いので、工事日数が少ないのは入浴のことを考えると助かりますよね。
あくまでも目安として、また現場の状況によりますが、在来浴室からユニットバス(システムバス)へのリフォーム日数は約5日間くらいです。
現在がユニットバスでリフォームもユニットバスならば、2~3日で終わります。
在来工法浴室から、次も在来工法の浴室にリフォームする場合は、最低でも7日はかかります。
こんなに日数をかけない、という業者もいるかと思いますが、作業が荒かったり、夜遅くまで工事をしたり、「やるべきことをしななかった」、ということもありますので十分ご注意ください。
以上のことを検討して最適な浴室リフォームをしましょう。
<著者情報>
大谷 正浩
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