マンションのお風呂・浴室リフォームで押さえておきたい9つの注意点!
更新日:2023.1.17
ずっと使っていたマンションの浴室リフォームでは「どんなことに気を付けたらいいの?」と疑問が浮かぶことがあるのではないでしょうか。
マンションのリフォームでは、戸建てとは違い周囲の状況や規約に沿ったリフォームを行う必要があります。
せっかくリフォームするのなら、注意点を理解したうえでイメージ通りの浴室に変えたいですよね。
そこで今回は、マンションの浴室リフォームの基礎知識と工事にあたって気を付けたいことをまとめました。
1. マンションのお風呂・浴室リフォームの基礎知識
まずはマンションの浴室リフォームにあたって、知っておきたい種類ごとの基礎知識を解説します。
ユニットバス、ハーフユニットバス、在来浴室の3つの種類ごとに特徴や工期、費用相場をまとめました。
1-1. ユニットバス
ユニットバスはマンションの浴室リフォームでもっとも多く使われる形態です。
水漏れしにくく、温まりやすいので使い勝手のよさに定評があります。
またユニットバスは各パーツを工場で生産しているので、ひとつひとつカスタマイズする必要がなくリフォームにかかる費用も比較的リーズナブルです。
◆ユニットバスの工期
ユニットバスの工事の際は各パーツを組み立てていくことになるので、他と比べて工事期間は短く済みます。
ユニットバスからユニットバスの交換なら2~4日で終わることが一般的であり、長くて5日ほど見ておくといいでしょう。
在来浴室からユニットバスに変える場合は、工事の内容が増えるため多少長くなり7日程度が平均といわれています。
◆ユニットバスの費用
ユニットバス本体の費用は幅広いため一概には言えませんが、標準グレードだと50~80万円ほどかかります。
ジェットバスや浴室テレビなどオプションを付けたり、より質の高い浴槽を選んだりすると100万円以上かかるハイグレードタイプもあります。
リフォームの際はユニットバス本体の価格に加えて工事費もかかりますので、すべて含めると80~150万円くらいが相場といえるでしょう。
1-2. ハーフユニットバス
ハーフユニットバスは、その名の通り半分だけユニット化されたタイプの浴室です。
浴槽より上の壁部分や天井をカスタマイズしやすく、デザインにこだわりたい人に向いています。
また、浴槽やドアの位置を変更できるので介護者が使いやすくするためのバリアフリー化にも適しています。
ネックになる部分としては、ハーフユニットバスはそこまで種類が多くないことです。
ユニットバスの方が主流なため、ハーフユニットバスを数多く扱っている業者を見つけることは難しいでしょう。
さらに、ハーフユニットバスは構造上つなぎ目が多くなってしまうため、リフォーム時に水漏れ加工をするなど対策が必要になります。
◆ハーフユニットバスの工期
ハーフユニットバスの工期は、もともとユニットバスやハーフユニットバスの場合4~6日程度が一般的です。
もとが在来浴室でリフォームしてハーフユニットバスに変更するなら、下処理や撤去工事を要する可能性があるので1週間程度見ておくといいでしょう。
◆ハーフユニットバスの費用
ハーフユニットバスの費用は、ユニットバスと比較すると少々割高です。
グレードや施工内容にもよりますが、ユニットバスからハーフユニットバスへの変更は70~130万円。
在来浴室からハーフユニットバスに変更するなら、80~200万円ほどの費用を見積もっておきましょう。
メーカーのグレードによって安いものなら50万円台から本体を購入できますが、ハイグレードだと160万円ほどするため、どれにするかによって価格帯は大きく変わります。
1-3. 在来浴室
在来浴室はパーツごとにカスタマイズしてリフォームを行います。
床材、壁材、浴槽の素材や形などすべて選べるので、見た目や使い勝手など細部にこだわりたい方におすすめです。
マンションのでは在来浴室はそこまで多くなく、戸建てや築年数が経過しているマンションによく見られる傾向にあります。
◆在来浴室の費用
在来浴室のリフォーム費用は、ユニットバスやハーフユニットバスと比較すると割高です。
デザインのカスタマイズ性が高いだけでなく、浴槽や浴室のサイズ変更、窓などパーツのデザインも自由自在であることが主な理由といえるでしょう。
相場としては80~200万円ほどで、部材を一から作ることになるとさらに金額が大きくなる可能性もあります。
◆在来浴室の工期
在来浴室から在来浴室のリフォームは、大掛かりになることが多く2週間から1か月程度かかることが一般的です。
工事の期間はお風呂に入れないので、銭湯を使ったり一時的に住まいを変えたりするなど工夫しなくてはいけません。
工事期間は長い傾向にありますが、その分一からカスタマイズできるので、毎日のバスタイムをより充実させたい人はリフォーム後の満足度も高まるでしょう
2. マンションのお風呂・浴室リフォームの9つの注意点
ここからはマンションの浴室をリフォームする際の注意点を紹介します。
マンションの場合は特に物件の条件や規制をチェックすることが不可欠ですので、しっかり下調べをしたうえでリフォームを進めていってくださいね。
2-1. 実績があるリフォーム業者を選ぶ
マンションの浴室をリフォームする際の前提として、実績が豊富な業者を選ぶことがあげられます。
業者によって得意な箇所は違いますので、浴室をリフォームするのなら水まわり周辺が得意な業者を選ぶといいでしょう。
また見積もりを取る際は複数の業者に依頼し、比較検討することも重要です。
正式な見積もりを出すためには下見が欠かせないので、そういった面も踏まえて丁寧に対応してもらえるかもチェックすることをおすすめします。
2-2. あらかじめ予算を決めておく
浴室のリフォームは最初に予算を決めておくことが大切です。
予算を決めないまま進めると、どんどんオプションや追加工事の費用が上乗せされてしまい青天井になってしまいます。
余剰資金の範囲内で予算を決めて、最初に業者に提示してしまえば、自分たちの想定範囲より大幅に超えることはありません。
2-3. マンションの管理規約をチェックする
マンションのリフォームは管理規約で施工可能な範囲が決められています。
工事に着手する前に、 リフォームの規制がないか確認しておきましょう。
たとえば、浴槽の位置を移動させるときは排気口や換気ダクトの工事が必要なケースがあります。
しかし、マンションによってはこうした工事ができない場合もあるため注意が必要です。
不安がある場合は、事前に管理会社やオーナーに問い合わせて許可をもらうことをおすすめします。
2-4. 運搬の費用と経路を確認する
マンションの浴室リフォームでは、運搬の費用と経路を確認する必要があります。
仮にマンションにエレベーターがないと運搬費がかかりますし、通路が狭いとそもそもユニットバスを運べない可能性があるからです。
環境によっては施工が難しかったり、運搬費用が大幅にかかってしまったりするので、契約前に経路と費用をチェックしておきましょう。
2-5. 近隣住民への挨拶と報告
マンションの浴室リフォームではどうしても騒音が発生するため、近隣住民への挨拶と報告は欠かせません。
事前説明がないまま工事に入ると周りの人にいい印象を与えませんので注意しましょう。
また、リフォームが終わったあとも挨拶回りをすると穏便に事が進みます。
ただ、このような近隣住民への対応はマンションによって対応方針が異なるので、管理会社に聞いておくと安心です。
2-6. マンションの外観に影響がないか
マンションの管理規約と併せて、リフォームによって外観に影響がないかどうかも確認しましょう。
たとえば窓を取りつけるために穴をあけるなどはNGとなるケースが多いです。
管理会社に事前に問い合わせておくことで、リフォームの可能な範囲を把握できます。
2-7. ジャグジー風呂は規制がある場合も
マンションの浴室リフォームで見落としがちなのが「ジャグジー風呂」の取り付けに関する規制です。
ジャグジーは振動音が起こるので、近隣の住戸に振動や音が響いてしまいトラブルに発展する可能性があります。
ミストサウナも同様の事象が起こり得るため注意が必要です。
ジャグジーやミストサウナを取り付けたい場合は、あらかじめ管理規約を確認しておくといいでしょう。
個別で取り付けると費用が高くなるため、設置しても問題なければリフォームのプランに含めてしまうとお得になります。
2-8. 事前にリフォーム内容を固めておく
リフォームをする際は事前にどこまで何をするのか、具体的な内容を固めておくことをおすすめします。
内容を固めずにリフォームを進めていくと、直前になって新たな要望が出る可能性があり、追加料金が発生するかもしれないからです。
直前での変更や追加は業者にとっても、自分たちにとっても負担になるので、あらかじめ家族でよく話し合って内容を決めておくと安心です。
必ずリフォームしたい箇所、できればリフォームしたい箇所など、優先順位をつけて予算との折り合いを見ながら進めましょう。
2-9. マンションの水まわりの状態を確認する
マンションの浴室リフォームでは、マンション自体の水まわりの状態を確認することも欠かせません。
せっかくリフォームをしても、水まわりの状態がよくないと後になって修繕工事が必要になるからです。
たとえば、築年数が経過しているマンションでは、鉄製の排水管を使っていることが多く水漏れのリスクがあります。
大抵のマンションは水まわりの経年劣化に合わせて大規模修繕を行います。
昔のマンションでリフォームをする際は、修繕工事の後にリフォームを行えば水漏れのリスクを防げるでしょう。
3.まとめ
今回はマンションの浴室リフォームにおける基本的な知識と注意点を解説しました。
マンションでは近隣への挨拶や管理規約の範囲内におさまる工事など、気を付けなければいけない点がいくつかあります。
今回紹介したポイントを押さえていただければ、リフォームを失敗するリスクを低減できますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
<著者情報>
大谷 正浩
ハイウィル株式会社 本部長
1961年生まれ 東京都北区出身
大学卒業後、原宿のレディスアパレルメーカーに就職。3年目で営業売上げNo.1を獲得。
他業種での営業力を試してみたくなり、東京ガスの関連会社へ転職。建設業界でのキャリアが始まる。
建築を基本から学び、当時の上司の励ましもあり温水暖房システムTESの販売台数において、東京ガス本社営業部長賞を受賞。
その後システムキッチンの専門会社の社長より誘いを受け、初の水まわり業界へ。
システムキッチンの会社で10年の経験ののち、インテリアリフォーム会社の社長からの誘いがあり、リフォームインテリア業界へ。
2003年、ハイウィル株式会社四代目代表である稲葉と出会い、当時稲葉が設立したばかりの株式会社リブウェルに入社。
得意な水周りリフォームと木造リノベーションを担当。
現在はハイウィル株式会社にて性能向上に特化した、日本初の木造フルリノベーション&リノベーションメディア「増改築.com®︎」にて、水周り住宅設備機器や内装仕様の提案を日々行いながら、全国水まわりリフォームサービス「水周りリフォーム館」において、館長として運営を担当。全国の加盟店と共に水周りリフォームの提案、施工管理業務に従事している。
水周りリフォーム館館長として、テレビ朝日、FM東京での出演経験あり。
趣味は、モータースポーツ観戦(元A級ライセンス、40年間無事故)とハードロック鑑賞。仕事に息詰まったら、XJAPNを聞いて気合をいれている。
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